ジュニア戦開幕、早稲田との一戦を制す/関東大学ジュニア選手権

2012.09.16
 息詰まる熱戦を制した。ついに開幕したジュニア選手権。初戦から早明戦ということもあり、八幡山グラウンドには大勢の明治ファンが押し寄せた。明治は前半から我慢の時間帯が続いたが、数少ないチャンスをものにし、14-10で伝統の一戦でジュニア戦1勝目を挙げた。

 前半、明治は早稲田オフェンスに苦戦を強いられる。明治は開始直後から自陣でのプレーを許さないが、決め手に欠きトライを奪えない。右LO南宗成(商2=大阪朝鮮)の長身を生かしたラインアウトは試合を通して安定していたものの、得意のスクラムには力強さがなく、早稲田に押され試合をつくることができない。すると前半18分、ラックから抜け出した相手に、中央突破を許し先制点を献上する。その後も、早稲田の猛攻に耐える時間帯が続くが、ペナルティーに助けられ追加点を与えない。自陣で粘り続ける明治に後半40分、敵陣深くでのチャンスが訪れる。ゴールライン前、相手ペナルティーから得たクイックスタートでSH村島亮平(政経2=常翔啓光学園)が抜け出しトライ。SO幸重記(文3=大分舞鶴)のコンバージョンキックも成功し、7-5と逆転し前半を折り返す。

 波に乗りたい後半。しかし、早稲田のスピードのあるオフェンスに苦しめられる。またブレイクダウンにも強さを見せられず、オフェンスが機能しない。そんな中でも粘り強いディフェンスで早稲田のペナルティーを誘発し、トライを許さず、反撃の時を待つ。そして迎えた後半29分、モールから抜け出した右WTB小澤和人(営3=国学院久我山)が、自陣10mからラインブレイク。追いすがる早稲田ディフェンス3人を華麗なステップで振り切り、一直線にゴールラインへ。勝利に大きく近づくトライを奪い、八幡山の明治ファンを沸かせた。直後には早稲田にトライを奪われ、1トライ差に追い上げられる。しかしFW・BK陣共に必死のディフェンスで、早稲田の反撃の芽を摘む。自陣5mの攻防が続くが、最後は早稲田のノックオンでノーサイド。14-10で伝統の一戦を制し、選手全員が喜びを分かち合った。

 我慢強く耐えた明治が数少ないチャンスをものにし熱戦に終止符を打った。自陣でのプレーが多く、セットプレイでの安定感にも欠け課題は残る試合となった。しかし、必死のディフェンスが光り、トライを奪わせなかったのは大きな収穫だろう。また春に大敗を喫した宿敵・早稲田からの勝利というのは選手の自信になる。明日から始まる対抗戦へ向け、チームに大きな弾みをつけられた勝利。30日の東海大戦でも、Aチームを勢いづけるような勝利を期待したい。

[阿部慎]

1.PR 勝木 来幸(営2=常翔学園)
9.SH 村島 亮平(政経2=常翔啓光学園)

16 須藤 元樹(政経1=国学院久我山)←3.榎(後半10分)
2.HO 圓生 正義(政経3=常翔学園)
10.SO 幸重 記(文3=大分舞鶴)→22.紀伊(後半34分)
17 塚原 巧巳(政経1=国学院栃木)
3.PR 榎 真生(政経4=流経大柏)→16.須藤(後半10分)
11.WTB 佳久 創(法4=愛知)
18 寺田 大樹(文2=秋田工)←4.友永(後半27分)
4.LO 友永 恭平(政経4=常翔学園)→18.寺田(後半27分)
12.CTB 松本 憲幸(文3=国学院久我山)
19 朴 鐘圭(商3=大阪朝鮮)←5.南(後半39分)
5.LO 南 宗成(商2=大阪朝鮮)→19.朴(後半39分)
13.CTB 西橋 誠人(商2=桐蔭学園)
20 多田 潤平(文4=高鍋)
6.FL 平井 伸幸(法2=桐蔭学園)
14.WTB 小澤 和人(営3=国学院久我山)
21 齊藤 剛希(商1=筑紫)
7.FL 安永 賢人(営1=長崎北)
15.FB 村井 佑太朗(政経2=秋田工)
22 紀伊 皓太(文1=日川)←10.幸重(後半34分)
8.NO.8 古屋 直樹(商4=日川)