秋季リーグ戦開幕Ⅱ~重圧を力に変えて――岡田崚~

2012.09.07
 団体戦では、重圧のかかる後半が主戦場だ。明大が連覇を果たしたインカレの準決勝。相手・中大のオーダーがぴたりとはまり、リーグ戦で完勝した相手に思わぬ苦戦を強いられた。ここまで学生大会では無敗を誇っていたダブルスが敗れるなど、2勝2敗。勝負の行方はラストの岡田崚(商2=愛工大名電)に託された。張り詰める空気の中、取っては取られ、この試合を象徴するかのような大接戦を制し、決着をつけた。

 独特のフォームから繰り出すサーブは切れ味抜群。得意のバックハンドを生かした攻撃で得点を重ねる。そして「ラストに出してもらったら誰よりも力が出る」という精神力。のしかかる重圧を楽しめてしまう気持ちの強さこそが、彼の一番の魅力かもしれない。

 物事は徹底的に突き詰めていくタイプ。「練習をやる前に結構考えてからやらないと気が済まない。こういう打ち方の方が威力が出そうとか、戻りが早くなるにはとか、いろいろ考えながらやるのが好きですね」。普段からYouTubeで有名選手の映像を見たり、「試合会場で面白いプレーを見るとすぐに真似してみる」と向上心は底を尽きない。 

 秋季リーグは「なんだかんだ(平野)友樹と神がいるんで。あいつ結構面白い卓球するぞ、実はいい働きしてるぞくらいでいい」と言う。不動のレギュラーの一角を占めながら、発言はいつも控えめだ。だが、個人戦の目標を尋ねると一転、貪欲な姿勢を見せる。リーグ戦後に控える個人戦では、全日本学生選手権と学生選抜の優勝を狙うと宣言した。昨年は同級生の神巧也(政経2=青森山田)が獲得した2冠のタイトル。強気な決意は、もちろん将来の進路を見据えたものだ。「このままだと明大の一選手で終わっちゃう。神や平野の陰に隠れてちゃ駄目ですね」。同級生たちへの対抗意識はもう隠さない。今度は岡田が主役になる時だ。

◆岡田崚 おかだりょう 商2 愛工大名電高出 173㎝・65㎏ 
 関東大学リーグ戦9勝2敗(11年春・秋、12年春通算)。
 11年関東大学新人戦シングルス優勝