秋季リーグ戦開幕Ⅰ~壁を超え、さらなる高みへ挑戦――平野友樹~

2012.09.06
 昨年の団体戦で平野友樹(商2=野田学園)はチームの主戦力の1人として明大卓球部のタイトル獲得に大きく貢献した。「団体戦ではチームのために頑張ろうと思っていたのでとても気合いが入っていた」と献身的な平野。しかし個人戦では「去年1年間は本当にしんどかった」と本人も言うように思うような成績を収めることができなかった。勝てる試合でも勝てない。敗戦のたびに繰り返す失望。チームメイトは試合で勝っているのに自分だけ勝てないという状況にいら立つこともあった。一時は卓球と距離を置きたいと思うこともあったそうだ。なぜ自分は勝てないのかを考える日々が続いた。

 それからの平野は練習にこれまで以上に打ち込むようになり、とにかくストイックに取り組んだ。「あいつは本当にどんな練習にも真剣に取り組んでいる」と神巧也(政経2=青森山田)も言うようにとにかく日々の練習で自分を高めていった。「自分のライバルは自分自身。自分に勝たないと勝てない」ととにかく自分自身を追い込んだ。

 
 その成果が実を結んだのは今年の関東学生選手権。平野はダブルスでペアを組んでいる神と準決勝で対戦。お互い迫力あるゲームを展開したが、激闘の末に平野は神を下した。そして全日本学生選手権(インカレ)の決勝でも強敵青森大をシングルスで下しグランドスラム達成へ大きな役割を果たした。「相手が強敵だったということもあってなぜか体の力が抜けていいプレーができた」と技術と同時に土壇場での精神面も成長している。

 「去年に引き続き、明大卓球部は強いんだぞということを証明したい」とグランドスラムへの意気込みを強く語る平野。しかし平野のもう一つの目標は「卓球ではまるで別次元にいるような姉に勝つこと」。卓球を始めるきっかけをつくってくれた五輪女子卓球代表の姉・平野早矢香選手を超えることも目標に置いている。目標をしっかり持ち、自分自身を高めてチームに貢献するために努力を続ける平野。その献身的な姿勢が日々彼を強くしているに違いない。これからの平野の飛躍と活躍に期待が高まる。

◆平野友樹 ひらのゆうき 商2 野田学園高出 168㎝・60㎏ 
 関東大学リーグ戦9勝1敗(11年春・秋、12年春通算)。
 関東学生選手権では、12年シングルス2位、11・12年ダブルス優勝。
 11年全日本学生選手権ダブルス優勝。