男子団体は惜しくも9位、女子団体は健闘の4位/全日本学生選手権

2012.09.03
男子団体は惜しくも9位、女子団体は健闘の4位/全日本学生選手権

 女子団体は2年ぶりの出場。男子団体は昨年よりも上の順位を目指した。

[男子団体]
 あん馬の最終演技者として出場した佐藤将光(政経3=湘南工科大附)。「個人としては前半、あまり良くなかった」というものの、最終種目のあん馬では見事な演技を披露して締めくくった。前の5人が終えたところでは決していい流れではなかった。しかし、今回ケガで出場できなかった主将の飯田健太(政経4=静岡学園)と主務の小田洋輔(商4=駒場)がチーム全体に声を掛け雰囲気を良いものにしていた。そして、佐藤の演技が始まると、今までの流れを払拭(ふっしょく)するかのようにどんどん難度の高い技を成功させていく。演技が終わった途端、ベンチや応援席から見守っていた部員からも盛大な拍手があり、この日一番の盛り上がりが感じられた。佐藤自身もガッツポーズをしながら、他の選手と喜びを分かち合っていた。試合後の取材でも「あん馬はうまくいった」と満足気な表情をしながら答えてくれた。

 また、2人の1年生が堂々たる演技をして安定感を見せた。沢田遵之佑(政経1=盛岡中央)は「失敗しないように最後の着地にこだわった」と言うように、練習での出来はあまり良くなかった鉄棒と床を見事に修正して本人の納得のいく演技ができた。桑原嘉唯(商1=静岡学園)は個人の演技は全体を通して「大きいミスはなかったと」語ってくれた。特にゆかでは今まで不安のあった着地を本番で決め、跳馬でも難易度を上げた技をきっちりまとめることができた。

 残念ながら1部昇格こそならなかったが、来年は今回の団体メンバーが全員残る。今回の大舞台で得られたものは、きっと次の試合に生かせるはずだ。それを糧にして来年こそは新たなる飛躍を期待したい。

[女子団体]
 今年、女子団体は2年ぶりの出場となった。予選で敗れた昨年の悔しさをバネに今年はしっかりと本戦の場に戻って来た。「すごく疲れたけど楽しくできた。全て出し尽くした」と主将の信藤来実子(文4=品川女子学院)、「団体としては良かった」と副将の脇山彩子(営4=杉森)、「良い終わり方ができた」と鈴木悠(政経3=酒田中央)と各選手が語ってくれたように、チーム全体として悔いのない演技ができた。

 団体の最初の種目、床では選手全員がいいスタートを切った。「最初の演技ながら、みんなミスのない演技をしてうまくいった。それでいい流れができた」(信藤)。続いての跳馬、段違い平行棒ではややミスが目立ったものの、選手たち同士でカバーしたり、声を掛け合っていい雰囲気を保ちながら試合に臨んでいた。そして、最終種目の平均台。各選手が「4種目のうち平均台がチーム的に一番良かった」というように全員が素晴らしい演技を披露。着地も皆成功し、最後の種目をきっちりと終えることができた。

 この大会までに主力として戦ってきた4年生が引退して、これからは3年生以下が中心となってやっていくことだろう。「今の流れを継いでいきたい」と下級生の気持ちは一つになっている。これからチーム一丸となって新たなる高みを目指してほしい。

男子、女子ともに、どんなに苦しい状況や流れが悪くなりそうなときでも選手一人一人が声を掛け合ってチーム全体を盛り上げていた。その団結力を武器にこれからも日々努力して進化し続けるだろう。