表彰台ならずも主将の意地でケイリン4位/全日本大学対抗
「今までずっと総合成績が下がってきていて、主将になってその流れだけは断ち切ろうとやってきた」(和田拓)。その思いが自身最後の大舞台で結実した。1/2決勝では先行選手が多いことを考慮し、後方に付けラスト200mで勝負を懸ける。その作戦が見事に奏功し、1位で通過。そして臨んだ決勝戦、前回のような展開に持ち込みたかったが、想像以上に1列での距離が開いてしまう。列がもつれる展開から一気に追い抜こうと狙ったが、列は乱れず最後方から2人を捲(まく)って結果は4位。悲願の優勝にはいまひとつ及ばなかったが「ポイントを入れられたので最後にいい気持ちで終われた」と和田拓。主将としての役割を果たし、自ら最後のインカレで花道を飾った。
全日本トラック2位で表彰台を飾り、優勝を射程圏内に定めていた和田拓・和田卓磨(理工3=日大豊山)組が挑むタンデムスプリントでも波乱が起きた。1/2決勝まで難なく駒を進め、昨年優勝の早大との3本勝負。初めの1本目は駆け出しが合わずに奪われてしまうが、2本目は明大が先着でフィニッシュを決める。これで並んだかに思われたが、ブルーバンド走行による警告を2度受けたことで失格を取られてしまう。「勝てるという気持ちと焦りが少し強過ぎた。前へ前へ行きたいと全力を尽くした結果がこのようになってしまった」(和田卓)。2人で最後のタンデムスプリント、そして勝利への信念。その強い思いが逆に空回りしてしまった。それでも「今まで和田卓とやってきて良かった」(和田拓)「和田拓先輩はいなくなるが本当に全力を出し切れたので悔いはない」(和田卓)。試合直後、悔しさの裏にも最後のレースで全力を尽くせたことに満足感を見せていた。
優勝へ向けこれまで貪欲に取り組んできたチームパーシュート。得点を稼いだものの、5位という結果に悔しさがにじんだ。「出澤先輩も今年で引退なので花を持たせてあげたい」(中野俊喜・法3=松山工)と挑んだ予選。しかし序盤で故意的にペースを落としたことがあだとなる。そこで想定外にも周回のタイムを1秒以上落として、それが終盤まで影響する形となってしまった。
ひとまず昨年以上のポイントを奪取し、ロードレースにつないだトラック競技が終了。残すは自転車競技の花形とも言われるロードレースを控えるのみ。「勝ちだけしか狙っていない」(金井誠人・法2=日大豊山)とロード班の仕上がりは万全。トラック種目で果たせなかった思いを胸に、1年間の集大成をここ一番で発揮させる。
試合後のコメント
和田拓
「(タンデムは失格に終わったが)本当に一番優勝を狙っていて、とにかくタンデムに乗っていた。想定もすごくして今回も対戦はその通りにはまった。脚もすごく良く動いていたので悔しい。(ケイリン4位という結果について)本当は優勝したかったが、今回は本当にタンデムに力を入れていたので、自分の中では気持ち良く走れて良かった。ポイントを入れられたので、最後にいい気持ちで終われた。(これまで主将を務めてきて)主将というのは本当に想像以上につらかった。しかしみんなにサポートしてもらって成績残すことができて良かった。最後のレースもケイリンで大学に少しでも貢献できたので大学に来て良かった。(高校から自転車競技をやってきて)普通の人では経験できないような、今日のような決勝の前の緊張感だとか、試合している時の興奮とかはもう味わえないんだなと。毎朝4時半に起きて練習を続けてきたが、それだけの価値がある経験ができた。腐らずにやってこられて良かった」
出澤拓也(営4=横浜)
「(団抜き5位という結果について)本当に団抜きだけは本当に優勝を狙っていた。事前練習でそういうタイムで回れていたので後悔の残るインカレになった。それで気持ちが落ちた。明治で歴代ベストタイムが出ていることが唯一の結果。(鹿屋体大が大会新、学連新記録を出したが)4分20秒は想定していたし、自分たちもそれくらいのタイムを狙っていた。たぶん3周目で予定より速いタイムが出て故意的に落とした。それで1秒以上落としてしまった。あれがかなり響いた。あのスピードだと落とすと上げるのは無理なので悔しい。(団抜きメンバーで今までやってきて)本当にいいチームだった。そういう中で走らせてもらって本当に感謝している。自分が抜けても残りの3人は優勝狙える。いい仲間と自転車ができて感謝している」
西沢倭義(農3=北桑田)
「(チームパーシュート5位という結果について)悔しい。目標タイムは4分24秒だった。(敗因は)自分が1回目に回ってきた際に26秒代まで落としたこと。それに尽きる。どれだけ自分たちのペースを守っていけるか、そして自分たちの走りをしようと臨んだ。しかし、26秒代で突っ込んでしまったのでペースは一定に保てたが、早い段階で入れなかった。出澤先輩を手ぶらで返す訳にはいかないということで挑んだが、メダルを取れなくて残念。(ロードレースは)中央との合宿から調子がいい。ロードで着狙えるチームだと思うので1点でも多く取れるように全力をぶつけたい」
和田卓
「(タンデムは失格に終わったが)タンデムは操作が難しくて、2人の息が合って走ることができる。やはり試合は何があるか分からない。勝てるという気持ちと焦りが少し強過ぎた。前へ前へ行きたいと全力を尽くした結果なってしまった。しかし、昨年の覇者に近づくことができたのは良かった。(1/2決勝の対戦相手の早大は)あの2人は日本代表のペア。自分たちは挑戦者で胸を借りるつもりで全力をぶつけた。(和田拓とやってきて)和田拓先輩のおかげで初めて全国の舞台で個人戦の表賞に上がれた。感動させてもらった。和田拓先輩はいなくなるが、本当に全力を出し切れたので悔いはない」
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