
大東大に圧勝!1年での2部復帰を決める/関東大学2部3部入替戦
待ちに待っていた瞬間だった。3連勝で迎えた4人目。及川一茉(政経3=水沢工)の右手が上がった瞬間、リングサイドで待ち構えていた選手、コーチたちは2部昇格決定に喜びを爆発させた。「自分で昇格を決めようと思っていたので、とにかくうれしかったです」(及川)。序盤から相手に向かっていく自らのボクシングを貫き、チームの思いに応え、4連勝で決着をつけた。
一気に連勝を決めた。続く2人目は公式戦初リングとなる小山内幹(文1=青森北)。「緊張はなかったが、疲れが出てしまいました」と厳しい戦いになったが10-8と僅差で判定勝ち。大学での初勝利を収めた。
最後まで勢いは止まらない。4連勝でチームの勝利を決めた後も永田颯(政経2=上市)、酒井孝之主将(政経4=上市)が連勝。小山内と同じく公式戦初リングとなった松島徹(政経1=太田東)は格上の相手に惜しくも敗れてしまったが「自分のやろうとしたことができました」と判定まで持ち込めたことに納得の表情を見せた。
昨年、2004年以来7年ぶりの3部降格という憂き目を見た。「あんなに悔しい思いをしたことはなかったです」(宗光)。3-4とあと一歩のところで残留を逃した。
来年は1部昇格を狙う。昨年から主力選手の大半が来年は3、4年生。「2部相手にこれだけの差をつけられたのだから、1部へ昇格する力もあると思います」(酒井)と、さまざまな経験を糧にし、確実にチーム全体のレベルは上がってきている。「2部でも全勝して、1部に上がりたいです」(宗光)。秋を経て、さらなる成長を遂げられれば、1部昇格は夢ではない。
[桑原幹久]
☆監督・選手コメント☆
星野隆監督
「今日のヒーローは山本と松島です。松島は公式戦初めてのリングだったけれど、格上相手によくやりました。山本は1人目で緊張もあっただろうけど、あの勝利があったからこそ、その後も続いたのだと思います。2部昇格へ一番大きな要因は3部で優勝し、2部へ上がろうという気持ちが酒井をはじめ、一人一人強かったからだと思います。松島の戦いのときにみんなで声を掛け合ってチーム一丸となっていたことが、全員の力で昇格したことを物語っていました。昨年との大きな違いは手数が多くなったことです。積極的に戦えていたと思います。来年2部では3部での5人から7人に増えるので、選手への負担も大きくなります。下の級は駒がそろっているので、重い級での戦いが重要になってくると思います」
酒井
「4年間の集大成で結果が全て。どんな形でもいいから、みんなで勝とうと練習を一緒に頑張ってきたので、勝ててうれしいです。減量という、試合に至るまでの壁もあって、暑さにやられてきついこともあったけど、今の一瞬頑張るか、(やらないで)一生後悔するかって考えたら、今の一瞬を頑張ろうと思って悔いのないようにやりました。明治のユニフォームを着るのは最後だから、たくさんのお世話になった人への恩返しだったり、感謝の気持ちを返すとしたら、自分はボクシングという形で返すのが一番だと思って頑張りました。俺の前まで全員勝ってきて、キャプテンだけ負けるわけにはいかないし、そういう面では気を引き締めてやれました。終わってしまったらやり直しは利かないので、頑張ってきて良かったとうれしく思います。去年と相手も同じで、去年の借りは今日しか返せないし、去年流した涙は忘れないという気持ちでやってきたし、(3部降格を)経験したみんなは忘れません。だから次は笑って涙を、みんなで笑おうとやってきました。正直、自分自身後楽園ホールでリーグ戦をやりたかった。でも後輩をリングに立たせてあげたいという気持ちで頑張ってきました。4年が1人の中、1年間付いてきてくれて本当にうれしく思います。ケガしてからじゃ遅い、ケガをしてしまうのはしょうがないんだから、ケガをして良かったと言えるような結果を残そうと思っていました。(後輩へは)2部を相手に6-1で、来年抜けるのはおれだけ。来年も上のリーグ(1部2部)の入替戦を狙えると思っています。だから自分がいる今年度中はしっかり注意していこうと思います。ここまで支えてくれたのは丹下前監督であったり、星野監督、コーチや部員のみんな、親も。ボクシングは大好きだけど、ケガをして無理かなと思った時期もあったけど、諦めなくて本当に良かったと思います。一生の宝物です」
及川
「自分で昇格を決めようと思っていたので、とにかくうれしかったです。試合に入る前は、昇格を意識してしまうと力が入ってしまうので、いつも通り落ち着いてやろうと心掛けました。昨年は大東大に悔しい思いをしたので、圧勝してやりたいと思って気持ちをぶつけました。試合自体も積極的にファイタースタイルを出せていけたので、よく右フックが当たったし、納得できる内容でした。来年は4年として最後のリーグ戦になるので、後楽園で全力を出し切りたいです」
宗光
「2部昇格を決められて最高の気分です。絶対に勝つということ以外何も考えずに臨めたので、チャンスを確実に決められたと思います。緊張はしていましたが、後輩が二つ取ってくれていたので、いつも通りの力を出せたと思います。(ガッツポーズも出ましたが)あんなに感情を出したのは初めてです。1年前は入替戦に出れなくて、あんなに悔しい思いをしたことはありませんでした。その分、泣いてしまうほどうれしかったです。来年は2部でも全勝して、1部へ上がりたいです」
山本
「監督から、気持ちで勝負しろと言われていたので1R目は押されていましたが、2R目からは前に出ていけたと思います。プレッシャーはありませんでしたが、最初が大事だと思っていたので、気持ちは出せていけたと思います。あとにもつなげられたし、流れをつくれたので良かったです。来年は1部昇格を目指して頑張りたいです」
永田
「試合を終わらせるタイミングがたくさんあったのに、攻め切れなかったのは反省点です。とりあえず勝てて良かったです。前回(3部決勝)で負けてしまったので、今日は絶対勝とうと思っていて、結果になって良かったです。3部決勝で負けて切り換えられない部分もありました。でも今日は今日と思って臨みました。(酒井主将は高校の先輩でもあり特別な思いは)3部決勝で負けたときに、試合結果は負けたけど、内容は悪くなかった、と連絡があって、負けてショックを受けていたけど、最後くらい勝ちたいと励みになりました。来年はチームを引っ張っていく側として、しっかり練習に出て、ちゃんと後輩に注意もできるように上級生としてやっていきたいです」
小山内
「公式戦初リングで緊張はありませんでしたが、減量のせいで1R目に疲れが出ました。全然駄目でした。まだまだだと思います。自分のボクシングができませんでした。ただ最後まで諦めなかったことが勝ちにつながったと思います。これからレギュラーになれるようにアピールしていきたいです。人数が少なくても自分でやれば結果になりました。個人同士で励まし合っていくことが重要だと思います。後楽園ホールでやれることになって、先輩方に感謝しています」
松島
「負けてしまいましたが、自分のやろうとしたことはできました。相手は2部でも1度しか負けていない格上の選手でしたが、全力で向かっていって3Rまでできて良かったです。公式戦は初めてでしたが、先輩方のおかげでチームの勝利は決まっていたので、楽しんで来いと言われたようにできました。来年はもっと手数が出していけるように練習していきたいです」
関連記事
RELATED ENTRIES