立大に勝利し対抗戦へ弾みを付ける/北島忠治ラグビー祭

2012.07.09
 北島忠治ラグビー祭のイベントの一つとして行われたこの試合。相手は、今季から1年ぶりに対抗戦Aチームに復帰した立大である。明治は、春季大会に出場したAチームの選手の多くは外れたが、U-20日本代表に参加していた選手が復帰した。立大の低く速いタックルに明治オフェンスが手こずる場面も見られたが、前後半で1本ずつの失点と安定したディフェンスを明治が披露。対抗戦の前哨戦ともいうべき試合で、主力を温存した形で勝利し今後に弾みをつけた。

 U-20組の代表で得たものを見ようとスタンドに集まった明治ファンの期待は高まっていたが、先手を取ったのは立大であった。試合開始から明治陣内に攻め込む立大。明治のペナルティーやブレイクダウンのミスからボールを保持すると、素早い球出しで左右に振っていく。一人一人のディフェンスタックルが決まらず、確実に攻め込まれると14分、立大ラインアウトからギャップを突かれ先制を許した。反撃に出たい明治であったが、U-20日本代表組も疲労の影響や連携不足であまり目立った活躍を残せない。その中でもLO寺田大樹(文2=秋田工)は、長身を生かして安定したラインアウトのキャッチングを見せる。明治のオフェンスがようやくつながったのは中盤の22分。今までの試合でも結果を残してきたCTB田村熙(営1=国学院栃木)のゲインを起点にし、自陣から攻め込む。最後はWTB紀伊皓太(文1=日川)がタックルを外しながらトライを決めて7‐5と逆転した。得点が決まると明治のオフェンスもつながり始め、33、38分と立て続け点を加え19‐5。終盤にはあまり押し込めていなかったスクラムで、ターンオーバーに成功する。第1、2列にU-20の選手が4人を占めるスクラムで実力を発揮し前半を折り返す。

 メンバーを全員交代した後半。立大の低いタックルに明治はなかなかゲインラインを切ることができない。明治オフェンスが前半に比べるとボールを保持していても決定機をつくれなかった一方、立大のミスにも助けられ何とか失点は免れる。すると18分、今まで押し切れていなかったモールからHO圓生正義(政経3=常翔学園)が強引にトライへと持ち込んだ。圓生は後半開始から声を出し続けてチームを鼓舞し1、2年生の多いチームをまとめていた。終盤に明治のペナルティーが連続したことから、失点を許すが流れを奪われることはなく、最後のプレーでモールトライを奪い36‐10と突き放した。

 イベントの一環とはいえ、今季も対抗戦で戦う相手に主力を温存した状態で勝利した。昇格したばかりの相手でも対抗戦の初戦を戦うことを考えればかなりの自信になるだろう。U-20日本代表に参加していた選手もそろい、戦力が充実し始めた状態で夏のシーズンを迎える。

[今野春佑]

◆前半のメンバー◆
1.PR 勝木 来幸(営2=常翔学園) 9.SH 加納 遼大(文2=常総学院)
2.HO 光田 佳史(営4=大阪桐蔭) 10.SO 幸重 記(文3=)大分舞鶴
3.PR 松波 昭哉(政経2=東福岡) 11.WTB 紀伊 皓太(文1=日川)
4.LO 大椙 慎也(法2=国学院久我山) 12.CTB 田村 熙(営1=国学院栃木)
5.LO 寺田 大樹(文2=秋田工) 13.CTB 松本 憲幸(文3=国学院久我山)
6.FL 比果 義稀(文3=京都成章) 14.WTB 斉藤 剛希(商1=筑紫)
7.FL 川口 達慎(情コミ3=筑紫) 15.FB 村井 佑太朗(政経2=秋田工)
8.No.8 松橋 周平(政経1=市立船橋)

◆後半のメンバー◆
1.PR 前田 凌介(法4=明大中野) 9.SH 多田 潤平(文4=高鍋)
2.HO 圓生 正義(政経3=常翔学園) 10.SO 筆谷 優樹(政経4=明大中野)
3.PR 塚原 巧己(政経1=国学院栃木) 11.WTB 佳久 創(法4=滋賀県立愛知)
4.LO 南 宗成(商2=大阪朝鮮) 12.CTB 水野 拓人(情コミ2=東海大仰星)
5.LO 小林 航(法1=明大中野八王子) 13.CTB 佐藤 滉貴(営3=札幌山の手)
6.FL 横山 幹(情コミ4=明大中野八王子)
14.WTB 久保 勇介(政経2=佐賀工)
7.FL 圓井 文也(商2=常翔学園) 15.FB 西橋 誠人(商2=桐蔭学園)
8.No.8 山下 誉人(政経2=京都成章)