まずまずの結果にも、インカレに向けて気を引き締める/関東学生選手権

2012.07.05
 全国でも屈指の激戦区である関東の頂点を目指し、熱い戦いが繰り広げられた関東学生選手権。ダブルスは神巧也(政経2=青森山田)・平野友樹(商2=野田学園)組が大会連覇を果たし、シングルスでも平野を始め4人がベスト8に入った。

 [ダブルス] 
 苦しみながらも連覇を達成した神・平野組。絶好調からはほど遠い状態だった。さらに、5回戦から決勝まで、当たるのは各校のエースダブルスばかり。だが、「優勝は当たり前」と神は言う。昨シーズン1年生にして学生日本一に輝いた彼らにとって優勝以外の結果は満足できない。接戦を強いられたものの、「最後は意地」(神)で優勝をつかんだ。

 決勝戦では、中大のエースダブルス松生・藤木組と対戦。勢いのある中大がゲームのペースをつかみ優勢であったが、明大ペアの動きが4セット目から変わる。一気に流れを呼び戻すと、2セットを連取し、意地の勝利で連覇を飾った。

 [シングルス] 
 ダブルスに続いて優勝を狙った平野だが、決勝で専大の留学生・王に力負け。4月に行われた専大との定期戦ではフルセットの末に平野が勝利を収めたが、この日は「(王の)嫌なサーブに苦戦した」(田崎監督)。また、準々決勝で足を痛めていた王が巧みに戦術を変えてきたことで「ボールがどこにくるか分からなかった」(平野)と混乱。1セットを奪うのがやっとだった。

 ただ、平野にとって関東学生で初のランク入り。昨年は主力の一人としてグランドスラム達成の立役者になったが、個人戦では不本意な結果に終わっていた。「自信があって…」(平野)。高校までの成績に対する慢心が徐々に平野のリズムを崩していた。関東学生では埼玉工大のカットマンに敗れ、6回戦敗退。「まさか負けると思わなかった」とショックを隠せなかった。
 だが、敗戦を経験したことが成長につながった。最近は「プレッシャーなく、チャレンジャーとして戦えている」と本来の力をのびのびと発揮。また、昨年から増やしたというランニングの効果も実感し始めている。田崎監督も「メンタルも含めて大人になった。この2、3カ月は安心して試合に送り出せる」と評価。今年は一回り成長した姿が見られそうだ。

 また、他の明大勢では根田雄一主将(営4=仙台育英)、中尾泰朗(商3=福井商業)、神の3選手がランク入り。根田主将にとってはシングルスで久々のランク入り、中尾は昨年の全日本大学総合選手権(個人の部・通称全日学)に続く結果で存在感を示した。また、昨シーズン個人戦の全国タイトルを総なめにし、今大会も優勝候補の筆頭だった神は、準決勝で平野に敗れベスト4止まり。だが、本調子ではない中でも見せ場は作った。準々決勝の田中(専大)との一戦。4セット先取で勝負が決まる中、5セット目までを終えて田中(専大)が3-2と勝利に王手をかける。迎えた第6セットも先にマッチポイントを握ったのは田中(専大)。しかし、ここからの粘りは圧巻だった。結局このセットを13‐11で奪うとそのまま逆転勝ちを収めた。技術はもちろんのこと追い詰められた時の精神力、集中力はさすが。明大のエースとして頼もしい姿を見せた。

 結果を見ればまずまずといえそうだが、「インカレを考えると、まだまだ内容に合格点は与えられない」と連覇を目指すインカレに向けて田崎監督は厳しい評価を出した。関東だけでなく全国から選りすぐられた強豪校が集うインカレ。春の関東リーグ戦を圧倒的な強さで制した明大も全国に舞台を移せば絶対王者ではない。ライバルの筆頭は愛知工大。今年1月の全日本選手権で本学OB・水谷隼選手(現スヴェンソン)の単6連覇を阻んだ吉村真晴が加入、さらに全日本選手権単ベスト8の森本など層の厚さは脅威だが、それをはねのけなければインカレ連覇も2年連続のグランドスラムも見えてこない。また、関東学生選手権から約1週間という厳しいスケジュールでの開催。いかに100%の状態に調整するかということも重要になってくるが、「気をひきしめてやるだけのことをやるだけ」と根田主将。グランドスラム達成への大一番・インカレはいよいよ今日から戦いが始まる。