練習の成果が開花!タンデムとマディソンで入賞/全日本学生選手権トラック競技大会

2012.07.05
練習の成果が開花!タンデムとマディソンで入賞/全日本学生選手権トラック競技大会
 鹿屋体大や日大など名だたる強豪校が集う今大会。トラック競技ではインカレを除くと最も規模の大きい大会であり、選手たちもいつも以上に気合いが入った。和田拓磨(政経4=取手一)・和田卓磨(理工3=日大豊山)組がタンデム・スプリントで2位に、西沢倭義(農3=北桑田)・末永周平(政経3=東北)組がマディソンで3位入賞と健闘した。「現段階における、選手の力を十二分に発揮できた。よく頑張ったと思う」と、荒川和宏新監督は振り返った。これまでなかなか結果の残せない明大であったが、ここにきてようやく練習の成果が花開いた。

 「和田主将を表彰台の1番上に乗せてあげたかった」(和田卓)。タンデム・スプリント決勝終了後、悔しさをかみしめる和田卓の目に涙が浮かんだ。2本先取の決勝戦、1勝1敗で迎えた朝日大との最終レース。ラスト1周に全てを懸け、相手の捲(まく)りを振り切った。この瞬間、選手はもちろん見ている者は誰もが明大の優勝を確信した。しかし、最終回でスプリンターレーンを保持しなかったとの判定で降格。まさかの明大が2位に転じた。「(決勝の)1本目、2本目、そして予選を走っても、自分たちの方が上だと感じていた。向こうはタンデムに力を入れている。2台で対戦などもやっているので駆け引きがうまい。そこで負けないように考えていた。力では勝っていたので悔しい」(和田拓)。優勝を確信していただけに、2位入賞の偉業にも悔しさがにじんだ。
 タンデム・スプリントとは、2人乗りのピストレーサーで行うスプリント競技のことで、現在ではほとんど行われていない。日本で見ることができるのは、大学のレースぐらいである。ペアとのコンビネーションが重要となる競技において「タンデムのベテランである和田主将を信頼している」(和田卓)「(和田卓は)本当に筋トレを頑張ってくれていている。涙を流してくれたので、後2カ月は鬼のような練習をしてくれると思う。インカレで優勝できるよう頑張りたい」(和田拓)と話す和田ペア。2人は互いに全幅の信頼を置き、和田拓の引退が近づいてきた今、タンデム優勝に懸ける思いは強い。

 

西沢・末永組も健闘
西沢・末永組も健闘

マディソンでも3位入賞を勝ち取った。それでも「優勝できる位置にいたので、3位には全然満足していない。結果的に表彰台に上がれたが、一番上を逃したので本当にショック」(西沢倭義・農3=北桑田)。マディソンとは、レース中に設けられている得点地点で与えられる得点の合計を競い、2人1組で交代しながら行う競技である。スピードを落とさないように交代しながら得点やラップを重ねていくことが求められる。序盤から好ペースで走り、上位につけていただけに、3位という好成績を残したが、結果に関しては両選手とも納得のいかない様子だった。

 オフ期間を返上して練習を行ってきたにもかかわらず、なかなか大会で好成績を残せずにいた明大。しかしここにきてようやく明るい兆しが見えてきた。選手たち全員が口をそろえる「インカレ優勝」の言葉を信じ、必ずインカレでのリベンジに期待したい。悲願のインカレ優勝に向け、大きく弾みを付けた。

[長堀笙乃]

☆試合後のコメント☆
荒川監督
「(今大会を振り返って)現段階における選手の力を十分に発揮し、頑張ってくれたと思う。気持ちを切り替えてインカレに向けて頑張ってほしい。(チームの状態は)望むところはたくさんあるが、良いと思う。4年生に代わって、3年生にもチームをまとめていってもらいたい」

和田拓主将
「(タンデムについて)何かノウハウみたいなものがあって、毎回タンデムはなぜか強い。あんまりぱっとしないペアが乗っても強かったりする。とりあえず学生選手権に向けて、練習も個人種目よりもタンデムに力を入れている。(これからインカレまで)自分はケイリンも走って、和田卓はチーム種目にも出る。今回良い成績は残ったので、タンデムはしっかり落とさないようにしていきたい。(今大会について)昨年5位だったので、これはもう力を入れるしかないという感じだった。(チーム全体)1kmタイムトライアルやスクラッチなどで、上位にいくと予想していた選手が駄目だった。(監督が交代したが)でも副監督が監督になった感じなので、今までとあまり変わらない。体制としては変わらずいい流れでいけている。インカレで優勝できるよう頑張りたい」

末永
「みんなのサポートがあって、3位を取れたというのが大きい。スタートラインに立つのにストレスも疲労もなく立てた。今回は個人というよりチームなので優勝を狙えると思ってスタートしたが、早大に負けてしまった。この種目は他の種目に比べて、テクニックや交代のタッチで決まる。自分たちはほかの大学より力が劣るので、復帰率でいくらでもカバーできると思っていた。だから優勝を狙えるかなと思った。その中での3位なので、正直悔しい。(今大会を振り返って)自分の個人種目に重点を置いていたが14位で、正直自分は力が劣っているなと思った。インカレではロードを狙っていく。基本的にロード練習が中心で、1日60キロから100キロ近く走っている。昨年何とか完走という感じだったので、その経験を踏まえて、この時期からきつい練習をしてインカレを迎えたい」

西沢
「今日は末永が頑張ってくれていたのに、自分は全然という感じで、スクラッチもマディソンもまだ詰めが甘い。メンバー的に見ても、予選を見ても、優勝できると思っていた。そういうのを意識しすぎた。そんなに強い選手がいなっかたので、マークする選手もいなくて、序盤にスクラッチとかでも逃げを黙認してしまった。それが結果につながったのだと思う。(マディソンについて)昨年初めて走って失敗した。今年オーストラリアの強化合宿に行って1年経って走ったら、結構いい感じで走れていた。(具体的な作戦)交代して上に上がっている時も早大を逃さないように、常に早大といるように末永と話し合った。(インカレまでは)大きい大会はないが、小さい大会でもしっかり結果を残していけるように頑張りたい。ロード中心とか短距離中心とか、自分は関係ないと思っている。しっかり結果を残せるところで残していきたい。チームの得点としても、他大が力入れてくると思うので、ロード班で点を稼げるよう頑張りたい」

和田卓
「和田主将と走っている時に、息が合っているのが確認でき、気持ちよく走ることができた。正直予想以上に良い順位で驚いたが良かった。監督には悔いのないように走れと言われた。法大に勝てたのはうれしい。今までしたことがなかったが、春先から自主練習も始めたのでその成果が出たのかもしれない。(今後の目標)とにかくインカレで優勝したい。少しでもタイムを上げて、決勝に残れるよう頑張りたい」

3位という結果にも「悔しい」と末永
3位という結果にも「悔しい」と末永

「インカレで優勝できるよう頑張りたい」と和田拓
「インカレで優勝できるよう頑張りたい」と和田拓