個人で上位入賞果たすも団体2連覇ならず/東日本大学対抗選手権
≪1日目≫
明大の一番手は、56㎏級に出場した谷中洋登(政経4=須磨友が丘)。2位で表情台に上がり、笑顔でチームに手を振っていた。トップバッターとして弾みをつけたいところで「調子は悪くなかった」と、万全の姿勢でプラットに上がった。スナッチでは、1本目こそ失敗したものの2本目、3本目を成功させる。続くジャークでも116㎏、119㎏、122㎏と3本を全て成功「これを挙げたら2位だと思ってうれしくなった」と、ガッツポーズを見せた。「緊張して1本目を落としてしまった。これはいつも感じている課題」と2位になったものの、冷静に試合を振り返った。チームポイントは1階級終えて20点。良いスタートを切った。
62kg級では原亮太(法2=須磨友が丘)と中田健太郎(政経3=常翔学園)の2選手がプラットに上がった。結果は原が2位、中田が3位入賞で惜しくも優勝には届かなかった。まずは原が登場。「あまり調子も良くなくて、自信もなかった。できるかな、という気持ちと半々くらい」とは言ったものの、スナッチ1本目に成功。しかし2、3回目に失敗してしまう。気持ちを持ち直し、ジャークを全て成功させた。スナッチでは3位の成績だったが、ジャークで140㎏を上げたことで2位を勝ち取った。「スナッチでは持てても上げられなかったのはもったいなかったと思う。スナッチで2本は取りたかった」と悔いを残しながらも、次の大会に向けて「フォームよりは補強に力を入れていく」と前向きな姿勢を見せた。
次に登場した中田は、スナッチで1本目を失敗したものの、その後2本を成功させ挽回。ジャークでは1本目の135kgに成功したが、2、3回目どちらも失敗し、3位に終わった。「今回は肩の痛みと練習不足、疲れが影響したと思う。しかし団体戦だから頑張ろうと思った。常にチームのことを考えていた」。今回は減量して62kg級に出場。「練習が薄かった」と振り返り、次回は階級を69kg級に上げて勝負したいと意気込む。
69kg級に出場したのは吾郷英之主将(農4=出雲農林)。「調子は良かった」と言う通り、スナッチでは3本全てを成功させ、112㎏だった自身の試合記録を116㎏まで更新した。ジャークでは1本目の136kgを成功させるも、2本目は後ろに倒れてしまい失敗。3本目で139kgを成功させ、6位入賞を果たした。「ここ最近の試合で4本以上取っていないので、5本成功させることができたのはうれしい」と、手応えをつかむと同時に、課題を見つけた。
85kg級には、高原康幸(政経3=天草高天草西)と敦見康平(営3=明石南)がプラットに立った。高原はスナッチで1、2本目に失敗するが、3本目で120kgに成功。ジャークでも1、2回目に失敗してしまう。3本目で150kgを成功させたが、結果は7位。「ケガをしたことで重い重量に慣れる練習ができなかった。それでもやる気はあったが、今までで1番楽しくなかった試合だった」と、悔しさをにじませる。「成功率を上げていく。今は何よりもケガを治して、体づくりをしたい」と、気持ちは既に次の大会に向いている。
続く敦見は、「団体だと意識し過ぎるとうまくいかないことは分かっていたから、あまり意識しないように、無心でやった」とプラットに上がった。スナッチで1本目を後ろに落としてしまい、失敗。2本目の125kgを成功させたが、3本目は失敗してしまう。ジャークでは、1本目の140kgを成功させたが、2本目を失敗、3本目で146kgを成功させ、結果は7位。今回は初めて減量をして臨んだという敦見。もともと体重がある方で、本人いわく「(体重を)落とそうと思えば落ちる」今回も1週間で集中的に体重を落とした。初めての減量の感想は「イライラする」。辛い減量もチームの優勝の為だ。今回のスナッチの3本目で肘を痛めたことが原因で、ジャークでは150kgを上げる予定だったが、140kgに変更。「ここ最近で1番低いスタート」と、悔いを残した。
≪2日目≫
1日目を終え、明大は2位につけた。しかし、2日目に行われる重量級には法大など強い選手が控えているため油断は禁物。「2人とも気合は入っている。信じるだけ。一人一人が諦めずに最後までやり抜きたい」(谷中)と団体連覇への道のりは94㎏級の三原真吾(政経3=淡路)、105㎏級の大嶋虎太朗(政経4=鎮西)に託された。
2日目のトップバッターは94㎏級の三原。3月の全日本ジュニアで優勝したことで世界の舞台も経験し大きな期待が懸かったが、惜しくも優勝には届かず2位。ジャークこそ3本連続で成功し、171㎏とジャーク3位で得点を稼いだが、スナッチでは最初の重量しか挙げることができず「調子は良かったが、余裕が生まれて甘くなってしまった」と満足な結果にはならなかった。「今回は優勝して当たり前の大会だった。反省せなあかんとこたくさんあるな」と次こそはという気持ちを語った三原。11月の全日本インカレでは三原の一回り大きくなった姿が見ることができるだろう。
最後の階級の105㎏級には大嶋が出場。8位に沈んだ5月の全日本学生個人選手権後には「東日本インカレでは試合に出場する選手のサポートを一生懸命努めたい」と語ったが、今大会のメンバーに見事選ばれた。スナッチ、ジャーク全て成功させ3位入賞。さらにスナッチ133㎏、ジャーク164㎏と試合での記録も更新。試技中には時折笑顔も見せた。「チームにモチベーションを上げてもらったり、階級の強い選手の中でも『見せないといけない』と思った」と、周りから受けた影響も大きかったようだ。これまで試合に出ても芳しい結果が得られず、とぼとぼとチームのもとへ帰っていたという大嶋。今大会で3位に入賞し「最高。やっと明大に入った意味ができた」と満面の笑みで語った。
「2部に落ちても、強いということを東日本インカレ優勝で示したかった」(谷中)。優勝とはならなかったものの、8人中5人が表彰台入りと強さはまだ健在だ。しかし「全員のコンディションを整えるのは難しい」と本多監督が言うように、期待の大きい3年生勢がそこまで得点を稼ぐことができなかった。その代わりに奮起したのが4年生だった。「4年が全員頑張ってくれた。ラストイヤーのこの意地がインカレにつながる」(本多監督)。目指すものはもちろん1部昇格。万全の状態でインカレを迎え、彼らは必ず1部の舞台に戻ってくる。
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