
女子団体Aチーム、1部校を破り初優勝!/東京都大学対抗選手権
―準決勝・青学大戦―
チームカウント1-2で迎えた第2ダブルス。直前に森詩織(商4=埼玉栄)、瀬川桜子(農3=埼玉栄)のシングルス勢が立て続けに敗れた悪い流れを、今大会で初めて組んだという1年生ペアが断ち切った。久保沙織(農1=高松商)・鈴木萌(商1=とわの森三愛)組は初めから息の合ったプレーで相手に付け入るスキを全く与えず、見事ストレート勝ち。1つチームカウントを稼ぎ、第3シングルスへ望みをつなげた。
決勝進出が懸かった大事な一戦は、1年生の鈴木に託された。しかし第1セットは「相手の応援がすごかった」と青学大の気迫に圧倒され、自分のペースにできないまま敗北してしまう。だがそれに負けじと明大の応援もヒートアップ。「ベンチのみんなが声を掛けてくれたので、頑張ることができた」。と同期や先輩たちの応援を力に変え、2、3セットを連取。決勝へと駒を進めた。
―決勝・早大戦―
第1シングルスとしてチームの先陣を切ったのは森詩だ。対する相手シングルスは森詩の埼玉栄高時代の後輩だった。「絶対に負けたくなかった」と自身とチームのプライドにかけてコートへ乗り込んだ。
第1セット序盤は体が動かずシャトルに追い付けない場面もあったが、相手のミスからポイントを重ね、僅差で接戦をものにした。しかし第2セットは森詩にアウトやネットなどのミスが相次ぐ。「1本ミスしたら何本もやってしまった」と切り替えることができないまま、16-21で敗戦。勝負は第3セットへ持ち越された。
後輩に手痛い負けを喫し「2ゲーム目ミスが出て負けてしまったから、今度は(球を)絶対に入れようと気持ちを入れ替えられた」。3セット目はネットミスもなく、次々とスマッシュを決めていった。終始リードを奪い、このまま森詩の勝利が決まるかと思われた。
だがここですんなりといかせてくれないのが早大だ。19-12で迎えたゲーム終盤、相手の猛追により5点を失い、さらにラリー中に森詩がコート内で滑って転倒してしまう。しかし、そんなアクシデントも味方につけてみせた。「(コート内の汗を)モップで拭いてもらっている時に1回間を置くことができた」。転倒したことで流れを奪い返し、21-18でゲームセット。最後まで苦しめられたが「気持ちでいけました」と、森詩の意地が相手のそれを上回った。
第1シングルスと同時進行で行われた第1ダブルスには木村瞳(文3=埼玉栄)・瀬川組が出場。「最初から調子よくてばんばん打てた」と絶好調だった。後ろから木村が力強くレシーブすれば、瀬川が前からたたき込んでいく。彼女たちの言う「いつも通りのプレー」に加えプッシュ、スマッシュの攻撃系のショットがミスなく決まっていき、明大ペースで試合は進行していった。ゲーム中盤は、粘る相手のレシーブから激しいラリーの応酬を余儀なくされたが、終わってみれば第1セット第2セットともに21-13の圧勝。チームカウントを2-0とし、王手をかけた。
しかし、勝利を目前に据えたところで第2ダブルスの久保・鈴木組が敗戦し早大に1本奪われてしまう。同時に行われていた第2シングルスの瀬川もゲームカウント1-1と苦戦を強いられ、試合はフルセットにもつれ込んだ。
運命の第3セット、先にばてたのは早大だった。相手の疲労がピークに達したところを瀬川は果敢に攻め込んでいき、11-3と大差をつけてインターバルを迎えた。その後もドロップやヘアピンで揺さぶり、完全に早大の動きを封じてみせた。最後はエンドラインギリギリのショットが決まり21-11。10点の差をつけての大勝だった。この瞬間明大の初優勝が決まり、激戦を終えた彼女たちには最高の笑顔があった。
2部リーグ所属の彼女たちが青学大、早大と1部の大学を倒したことは大きなステップアップとなった。「1部の球に受け身にならないで向かっていけた」(森詩)2部とは全くレベルの違うショットにも粘っていき、誰もが最後まで攻め続けた。最大の目標である1部昇格に向け確実に強くなっていることを、今回の優勝で証明してみせた。
次に迎える戦いは8月下旬から開催される東日本学生選手権。今の彼女たちなら、東日本の女王となるのも現実離れした話ではないはずだ。大一番・秋季リーグ戦へ向け、明大女子バドミントン部はまだまだ進化する。
☆選手のコメント☆
チーム唯一の4年生として戦った森詩
「優勝できてうれしいです。4年生は私だけでしたが、下の子が頑張ってくれたので優勝できました。(早大戦は)1ゲーム取った後の2ゲーム目の出だしが悪くて、そのまま流れがいって悪い展開を変えられませんでした。1本ミスが出て何本も出てしまったので3ゲーム目は次は絶対(コートに球を)入れようという気持ちで、うまく切り替えられました。相手は高校の後輩だったので、負けたくなかったですね。(1部校に勝てたということは)1部の球にも受け身にならず向かっていけました。秋のリーグや入替戦でも、こういう試合ができればと思います」
瀬川と共にダブルスで大活躍の木村
「リーグでも活躍しているペアに向かっていけたので、よかったです。結構厳しい試合が続きましたが。自分たちのプレーで勝てたことが大きいと思います。早大戦は2セットストレートで勝てましたが、青学大には2セット目取られて、3セット目から何とか引かないで勝つことができたという感じなので、今後は2セットで勝てるようにすることが課題です。瀬川に負担をかけないためにも、自分が気持ちで引かれることのないようにしていきたいです」
ダブルスに加えシングルスでも粘りを見せた瀬川
「気合いで勝てました。ただ、ダブルスは勝ててもシングルスは青学大戦で(体力が)もたなかったのでシングルスでも負けないようにしたいです。(早大戦のシングルスを勝てた要因は)相手も直前までダブルスに出ていたので、粘ればいけるかなと思ってプレーしました。(早大戦、ダブルスを振り返って)最初から調子よくてばんばん打てました。やってて楽しかったです。自分でも今、自分笑っているなって分かりました(笑)。いい意味で伸び伸びできましたね」
青学戦では1年生ながらチームのピンチを救った久保・鈴木組
「(試合を振り返って)いいときは自分たちが前に出て連続してポイントをとることができました。だけど、悪いときは自分たちのミスが止まらなくなって、立ち直すことができませんでした。(鈴木、シングルスに出たときの気持ち)緊張しました。相手の応援がすごかったのですが、ベンチのみんなが声を掛けてくれたので頑張ることができました。(次に向けて)もっと1年生らしく元気にぶつかっていくプレーをしたいです。インカレに出場できるように、課題を修正していきながら頑張ります」
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