大石、個人戦で準優勝を飾る/矢野杯東日本学生個人選手権

2012.07.03
 全国大学選抜選手権での敗北から約1カ月。個人戦で大石健作(文3=初芝立命館)が準優勝を飾った。しかし段の部でのベスト8以上は大石1人。チーム全体で見ると悔しい結果となった。

 この日調子が良くなかったという大石は自分から仕掛けることは少なく、カウンターを狙う戦法で準決勝までを勝ち進んだ。勝つ拳法にこだわったここまでは1本も取られていなかった。決勝の相手は全国大学選抜選手権で勝ち切れなかった中大の先鋒(せんぽう)の中村である。引き分けで終わった先月の決着をつける注目の一戦となった。試合は開始早々に動く。決勝ということでスタイルを変え、積極的に前に出て技を仕掛けた。開始40秒で大石の膝蹴りが決まり、1本を先制する。しかし「1本を取ってから油断があった」(高村潤監督)。わずか数秒で取り返され、追い付かれてしまった。互いに後の無い緊張した展開となったが、試合を終わらせたのは相手の突き。3秒足らずで2本続けざまに取られた大石は準優勝に終わった。「優勝するのは当たり前という気持ちでやってきた」(大石)。大きな結果を残した大石だったが、その顔に喜びの色はなかった。

 今回、結果には結び付かなかったものの、柳口憲太(商2=長崎西)や唐橋利明(情コミ2=芦花)など、一般入部の2年生に成長が見られたと高村監督。2人とも初段ながら二段の選手を下した。今年から始まった拳法部の改革は着実に成果を見せつつある。また、試合数も少なくあまりスポットの当たらない女子の部だが、岡安千里(文2=愛知淑徳)が4位入賞を果たした。「自分のやりたいことができて良かった」(岡安)。

 今年こそ11月に行われる全日本学生選手権での優勝を狙う明大拳法部。チームの成長に個人の選手一人一人のレベルアップは必要不可欠だ。選手はどこまでも自分に厳しい。自分の目標に達しない限り決して満足することのないハングリー精神が栄光への道を切り開く。