SO戦制し準決勝へ/全日本大学王座決定戦
早い時間帯から得点を奪い、試合を優位に進めた。前半の3点は全てPC(ペナルティーコーナー)からのもの。春季リーグ戦からの課題だったPCを、きっちり得点に結び付けた。後半は2失点したものの、攻撃では5点を奪い8―2で試合終了。連戦ということもあり多くの選手が出場した中で、リーグ戦では出場機会の少なかった松本晃司(政経1=石動)が得点を挙げるなど、選手層の面でも収穫の多い試合となった。
・東海学大戦
前半7分に右サイドを駆け上がった安部雄貴(商2=横田)から大嶋雄飛(文1=今市)にパスが移る。東海学大のプレッシャーにやや押され、倒れ込みながらもリバースヒット、これが先制点に。しかし、その後は「1点取った後に引く。気持ちが、というか守りに回ってしまう」(小池文彦コーチ)と防戦が目立った。幸先のいいスタートに思われたが、PCを立て続けに決められて1-2で前半を終えた。一方で後半は終始明大ペース。敵陣でボールを支配する場面も増え、シュートで相手ゴールを脅かす。そして、大量に獲得したPCの一つを入れ、後半16分に2-2の同点とした。このまま流れをつないで決勝点をものにしたかったが、あと一歩届かず試合はSO(シュートアウト)戦へ。
シューターとGKが相対し、8秒間の攻防で勝敗を決めるSO戦。5回目を終えて3-3と互いに譲らない。そして先行・東海学大のシュートをGK飯塚久志(文4=利根商)が防いだ6回目。チームメートが見守る中、安部がシュートの姿勢に入る。ゴールに沈んだ瞬間、一同が歓喜に沸いた。サドンデスまでもつれ込んだSO戦を制し、東海学大に勝利。ベスト4に進出し、翌日の天理大戦に向けて弾みをつけた。
この2試合で球際の強さを見せた明大。次の相手は優勝候補の天理大だ。今大会の過去優勝回数21回。関東第一代表の慶大を9-0と圧倒的なスコアで下し準決勝に進出した。選手たちも「天理は群を抜いている」(大嶋)と一目置く。次戦に向け「ここまで来たからには優勝目指して頑張りたい」(小櫻光暁主将=商4)と意気込んだ。
試合(東海学大戦)後のコメント
宮田知監督
「(東海学大戦は)相手にドリブラーが多いのは分かっていたので、真ん中で止めてサイドからという考えはあった。大嶋には今日は絶対点取れと話していた。本当は相手の足が止まったところでもう1点取らないといけないけど、暑い中選手はよく頑張ってくれた。2年生が軸になってきて、小櫻も帰ってきた。やっぱりキャプテンがいないとチームの士気も上がらないので。SO戦は練習してきたし、飯塚も出るしかないから。動くのもぎりぎりの中良くやってくれた。チームとしてもだんだん総合力は上がってきている」
小池コーチ
「厳しい試合だったけど、何とかものにできた。東海学大とは毎回こういう試合なので。今回は跳ね返したのが大きい。勝つと負けるでは全然違うので。それはそれで選手も切らずによくやったと思う。言うなれば後半、うちのペースでやっていて点を取って同点に追い付いたその後。まだチャンスがあったはず。PCの数も圧倒的に多いし。やっぱり決められない。だから苦しい試合になってしまう。今後、といっても明日だからすぐには修正できないんだけど、勝てるように選手をうまく使いながらゲーム展開をしていく。前半立ち上がりの早い時間からフィールドゴールを決められたのは大きい。PCはもう少し精度を上げないと。でも追い付いたということで、今日は学生を褒めてあげたい。ただ、勝負強さはまだ物足りない。これから秋に向けてしっかりやっていかないといけない部分ではある。王座が終わって秋リーグ、インカレとあるけど、今回はしっかりベスト4。そして決勝、優勝。あくまでもうちの大学は優勝を目指しているので。トーナメント戦で今日勝ったというのも大きいし、これでベスト4なので、もう一個上に。学生に集中させて、70分間。もうそれだけだと思う。あとは安易な点を与えない。攻めるところはしっかり攻める。勝とういう気持ちが大事かな」
小櫻
「立ち上がりは結構良かったと思う。試合が終わるにつれて、足が動かなくなった。気持ちの面で東海学大に負けてしまった。ただ、後半はうちのペースで攻められたので、そこの違いだとは思う。フィールドゴールのチャンスがまだまだあったので、もっと点が入っても良かった。PCももっと成功率を上げないと、たまたま入ったみたいな感じだったので。今日はディフェンスの面がぐだぐだだった。個人個人で守るという感じになっているので、もっとチームで組織的に守っていかないと。明日の天理大は強豪なので、個人でやっていると足元をすくわれる。話す時間くらいはあるので、詰めていきたいと思う。天理大は組織的に力があるチームなので、気持ちの面では絶対負けないように。試合を通して思ったけど、最後は気持ちかなっていう。いくら練習して自信があっても、結局は本番で勝ちたいっていう気持ちがないと。一つのプレーで失点につながったりするので、気持ちの面はすごく大事だなと。だからもうメンタルの部分で詰めていかないと。ここぞという時に。ここまで来たからには優勝目指して頑張りたいですけど強豪なので、プレーどうこうの前に気持ちで相手を圧倒して、自分たちの流れでホッケーができればと思います」
飯塚
「前半はバタバタして、集中できていなかった。自分も最初の入り方が悪かったので、そこは反省点。後半は流れも良く、みんな集中できていたと思う。SO戦は絶対止めてやるというのはもちろんだが、いつも通りのプレーができるようにとも思っていた。チームに貢献できて良かった」
辻谷浩平(法4=石動)
「4年生が少なくて下級生に頼っていることも多いので、自分たちも頑張らなきゃというのはある。(さまざまなポジションでプレーしているが)DFに入っても周りが自分に合わせてくれるし、高校でもDFをやっていたのでやりにくさはない。春のリーグ戦は1勝しかできなくて練習でもかみ合わない時期があった。王座ではチームの状態も上がってきているので、次も勝ちたい」
市橋大輝(営3=岐阜各務野)
「コーナーの決まる本数が少なかったので、そこは課題。パス回しはうまくいっているところといっていないところと差があるので、平均的にパスの精度を上げていきたい。春(リーグ戦)は1勝しかできなかったので、一つでも多く勝って総合力を出していきたい。(ポジションが変わって難しいところは)FWだったらシュートを決めるのが仕事だが、今は人を使いながらシュートも行ける位置にいないといけない。相手の動きに合わせた上下運動もある。体力面も厳しいところがあるので、それは今後の課題。東海学院とは引き分けた訳で、天理とは厳しい戦いになると思う。勝っても負けても、点をいつもより多く取ることを意識したい」
安部
「SO戦は練習もしていたので、絶対入ると思ってやった。チームとしての力も上がってきていると思うし、天理戦もいい感じで臨めると思う。天理は関西でも強いし全国でも強いが、勝って明治も強いというのを見せつけたい」
大嶋
「練習試合を含めて、5試合くらい得点がなかった。FWとして点を取ることが仕事なので、取れたというのが大きい。流れ的には一進一退だった。決めるときに決める方が勝つ。最初に1点取って、その後に流れが変わっちゃいましたけど、チャンスの時に取れたのが良かった。天理は群を抜いているところがあるので、いかに戦えるか。とりあえず気持ちが負けたら終わりなので。明日なのでこれからどうにもならないので、いい準備をして、コンディションを整えて、自分の今持っている力を全部出せるように。それが全員できれば、勝てない相手じゃない。点を取らないと絶対に勝てないので、自分が点を取る気持ちで頑張ります」
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