明大強さを見せつけ、インカレに向け手応え/東日本大学選手権

2012.06.12
 全日本インカレへ向け、最後の大会となる東日本インカレが行われた。明大は8種目中5種目で優勝を飾り、強さを見せつけた。

 女子ダブルスカルでは、決勝で1位と2位を明大の2クルーが独占した。スタートから明大Aクルーが飛び出し、明大Bクルーも後に続き他大に差をつける。「スタートはよくできたが、そこから失速してしまった」(赤津杏奈・政経3=小松川)と振り返るが、安定した実力を見せ首位を獲得。「最初は船二つ分離されてしまっていた」(今井智子・商3=美方)と言うように練習ではAクルーとの力の差が出てしまっていたBクルーだが、技術を向上させ、互いのこぎが合うのを実感できるようになったという。練習の成果が結果に表れた。

 男子舵手なしフォアは序盤で出遅れ、最下位のスタートを切ったが中盤で持ち直し、見事1位を獲得した。「1位は良かったが、実力的にはまだまだ出せた」(角南淳・法3=関西)と手応えをつかんだ。課題はスタートと最後の伸びだ。残りの期間で修正してインカレで優勝を目指す。

 女子舵手付きクォドルプルは1年生で編成されたクルーだ。東経大の後を追い、中盤は2位に付けていたが、終盤は追い上げ、競る展開に。最後までデットヒートを繰り広げ、1位を手にした。アナウンスで1位と知った直後は「お祭り騒ぎでしたね」(冨田千愛・政経1=米子東)。1年生も順調に実力を付けているようだ。

 男子エイトは何と大会前日に組んだクルーだという。しかし焦らずに要点を絞って細かい部分を修正していった。「短い準備期間でもある程度まではいける」(猪川拳斗主将・政経4=今治西)という言葉通り2位でゴールし、インカレに望みをつなげた。

 好成績を収めた今大会だが、選手はそれぞれに課題を見い出している。前回の軽量級選手権で課題となっていたスタートについても、女子ダブルスカルではいいスタートが切れている。赤津は「スタートに自信が付いた。本番は2000mなので持久力を高めたい」とさらなるステップアップを目指す。

 部員たちは、今大会を全日本インカレへの布石と捉えている。最終目標は全日本インカレでの総合優勝だ。「自分としては選考ではトップクルーを目指す。主将としてはチームの勝利のために、部内で競って底上げする環境をつくっていきたい」(猪川主将)と、自分の技術を磨くだけではなく、部員同士で切磋琢磨(せっさたくま)しながら底上げを狙う。今大会の1年生クルーの優勝は底上げの成果だろう。選考会へ向けて個々の実力はさらに花開く。選手たちの奮闘に期待したい。

☆試合後のコメント☆
山野剛毅(農3=西市・男子シングルスカル)

「何も言えない。ふがいない。まさか負けるなんて。立大の栗山は速いし、シングルで出るのも分かっていたが、東日本は最低でも優勝しないと。前半は勝っていたが、中盤から上がらなくて、勝負に出なくてはいけないところで、詰められてきてしまった。体力とレートを上げて、もっと勝負できるように。勝てるレースを勝ち切れていない。インカレに向けて何としてもスカルで優勝を出そうとやっている最中。今回はスカルの7人のうちの上位4人が出て、結果によってはスカルを対抗でとも考えていたが、これでは周りを納得させられるだけの結果ではない。4人ともタイム差もほとんどない。4人の中でダブルをどうしていくかという感じ。エルゴのタイムが他大と比べて落ちる。平均を遜色ないくらいには。今までは技術面で補ってきたところがある。でも、体力だけでも勝負できるくらいにして、総合的に力を上げたい」

林真幸(商4=岐阜県立加茂・男子舵手付きフォアクルーリーダー)
「勝って当然。このクルーは明大の中でも最強のメンバーだし負けるわけにはいかないし、自分のレースをするだけだった。それだけに今日のレースはもっと離せたし、満足はしていません。今日のようなレースではインカレでは他の強い大学に勝つことはできない。インカレで総合優勝を目標にやっているので、自分たちが引っ張っていって下のクルーも底上げしてチームとして強くなっていかないといけない。4年生で最後のインカレとなるので、優勝していい形で後輩に引き継げるように精一杯やっていきたいですね」

栗山卓也(法3=浜松湖南・男子舵手付きフォアクルー)
「今日は優勝して当然だった。レース的にはクルーでリズムを合わせなくてはいけないのに、僕が暴走してしまったのでそこは反省ですね。自分自身種目を変えて挑戦しているが、練習するたびに上達が感じられるので手応えはあるし楽しいですね。インカレに向けては、4年生が3人いる艇なので最後に華を持たせてあげるために僕自身やれることをしっかりとやっていきたいですね」

角南(男子舵手なしフォアクルー)
「1位は良かったが、実力的にはまだまだ出せた。最初と最後の伸びが課題。焦りがあってうまく動けていなかった。中盤は乗れてきたという感じ。心拍数を上げて、耐える練習。180以上に上げて下げてを繰り返して、限界を越えていく練習は必要。明治の中で競争をして勝った選手が試合に出るわけだけど、これで満足してしまったりする。明治の枠を越えて、大学でも1番になれるようにやっていかないと」

猪川主将(男子エイトクルーリーダー)
「課題はスタート。今日はスタートが良くなくて他大につけられた。これは練習不足だと思っている。自分としては選考ではトップクルーを目指す。主将としてはチームの勝利のために、部内で競って底上げする環境をつくっていきたい」

赤津(女子ダブルスカルクルー)
「ほっとしている。昨日の予選を1秒差で負けてしまったけれど、後輩クルーとの気持ちの切り替えがうまくいったことが勝利につながったと思う。スタートには自信が付いたがこれからは持久力を高めていく。今年は明治がクォドルプルを推しているので、自分も乗りたいと思う。自分からやりたいことを発信して、自分自身を強くするとともにチームも刺激しながら良くしていきたい」

今井(女子ダブルスカルクルー)
「Aクルーとインカレに向けて、チーム内で競るレースができたのは良かった。負けたことに対しては、もちろん悔しい。Aクルーは優勝候補だと思っていたし、練習はやりやすかった。最初は舟二つ分くらい離されてしまっていた。コーチの指導のおかげ。こぎの技術が良くなって、2人のこぎが合うポイントが多くなった。同じ舟に乗ることは多かったが、2人でということはあまりなくて、距離の測り方が分かりにくかった。インカレに向かって、誰と組んでも勝てる気持ちはできている」

冨田 (女子舵手付きクォドルプルクルーリーダー)
「1年生がほとんどの若いクルーだったんですけど、私は軽量級にも出場していたのでチームにその辺で経験をみんなに伝えることを努力しました。なかなか4人全員がそろうことができなくて陸上でのトレーニングが続いたんですけど水上で合わせた時に集中して練習できたのでそれが良かった。レースは最後まで東経大に負けていて最後追い上げたんですけど、正直負けたと思いました。でも結果発表を聞いて勝ったと分かった時はお祭り騒ぎでしたね。インカレに向けてはまだメンバーの中に食い込めていないので練習を積んで食い込んでいきたいです」