慶応にダブルスコアの勝利/大学ラグビー親善試合

2012.06.12
 風下でのプレーとなった前半はSO染山茂範(政経4=佐賀工)のタッチキックが伸びず、なかなか自陣から抜け出すことができない。その中でもFB高平祐輝(法3=国学院久我山)やCTB猿楽直樹(政経4=東福岡)がパス回しからディフェンスラインを突破し、慶応陣に侵入。FWもフォローに入り、スタンディングでボールをつなぎ連続攻撃へと結び付けた。最近の試合ではノックオンやペナルティーで得点につながらない場面も目立っていたが、今試合は最後まで取り切る場面が多かった。

 前半最後のディフェンスも勝ちを引き寄せた。30分に、1トライを許し勢いの出始めた慶応。ここで取り切られると流れが傾く重要な場面であった。展開が速い慶応に対し、明治の選手全員が声掛けをし、左右の人数を確認。相手の揺さぶりにチームで対応すると、その後のラインアウトモールではFWが一つになり慶応を大きく押し返す。前への推進力が出た明治ディフェンスは、ブレイクダウンでも押し込んだ。それに耐え切れなくなった慶応がたまらずオフサイドの反則を取られ、慶応の勢いを断ち切って前半を終えた。

 ディフェンスのビッグプレーは後半にも飛び出す。後半20分ごろ、明治の反則が増え始め苦しい展開となり、その流れから2トライ差に迫られた。悪い流れになりかけたが、その直後のキックオフでLO比果義稀(文3=京都成章)が相手のキャッチと同時にディフェンスタックル。相手を吹き飛ばすと明治がターンオーバーし、勢いそのまま追いすがる慶応を引き離すトライへとつなげた。

 結果として慶応相手に点差を付けて勝利したことは今後につながる。内容も、つながりのあるオフェンスや、まとまった組織と、個人のビッグタックルの出たディフェンスなどが見られた。しかし、集中力が途切れたちぐはぐなオフェンスや失点につながるディフェンスのミスも少なくない。対抗戦優勝のためには、1試合通して安定した試合運びが必要になる。春季大会でさらなる進化を遂げることで、対抗戦の優勝へと一歩一歩近づいていく。

[今野春佑]

1.PR 石原 慎太郎(政経4=国学院久我山)
9.SH 山口 修平(政経3=佐賀工)

16 牛原 寛章(政経2=佐賀工)
←2.石沢(後半0分)
2.HO 石沢 敦(文4=国学院栃木)
→16.牛原(後半0分)
10.SO 染山 茂範(政経4=佐賀工)
→20.田村(後半39分)
17 山口 誠(営4=明大中野)
3.PR 榎 真生(政経4=流経大柏)
11.WTB 小澤 和人(営3=国学院久我山)
→22.木村(後半24分)
18 上田 宥人(政経1=東海大仰星)
←5.友永(後半6分)
4.LO 比果 義稀(文3=京都成章)
12.CTB 西村 雄大(農3=高鍋)
19 松橋 周平(政経1=市立船橋)
←8.古屋(後半15分)
5.LO 友永 恭平(政経4=常翔学園)
→18.上田(後半6分)
13.CTB 猿楽 直希(政経4=東福岡)
→21.幸重(後半34分)
20 田村 煕(営1=国学院栃木)
←10.染山(後半39分)
6.FL 前田 一平(情コミ4=東海大仰星)
14.WTB 加納 遼大(文2=常総学院)
21 幸重 記(文3=大分舞鶴)
→13.猿楽(後半34分)
7.FL 竹内 健人(営4=天理)
15.FB 高平 祐輝(法3=国学院久我山)
22 木村 圭吾(商4=常翔学園)
←11..小澤(後半24分)
8.No.8 古屋 直樹(商4=日川)
→19.松橋(後半15分)