ルーキーズ紹介~その志、バーベルよりも高く~

 今年も頼もしいルーキーがやってきた。明大の一員になって約2カ月。新戦力として期待も高まる中、寮生活や練習、また4月の新人戦について大皿健太(法1=明石南)、小川翔大(政経1=能代工)、中野雄介(農1=杵築)、西岡翔吾(政経1=洲本実)、二村岳周(営1=名城大附)、吉川琢磨(政経1=明石南)の6人全員に話を聞いた。

――ウエイトリフティングを始めたきっかけは
(大皿)高校で勧誘されてウエイト場に拉致されて始めました。中学はバレー部で、高校のバレー部が良さそうだったらやろうかなとも思ったけど、こっちにしました。
(小川)高校の先生に勧められたことと、畠山先輩(畠山桂(政経2=能代工)のお父さんがコーチで、引っ張られたのがきっかけです。実際はバスケやりたくて、でも引っ張られたので始めようかなと。
(二村)高校のクラスが国公立を目指すクラスで毎日部活もやらずに勉強ばっかりしていて、でも途中で挫折しちゃって…。副担任の先生に今の生活じゃダメだからって言ってウエイト場に連れて行かれて始めました。

(西岡)中学から陸上をやっていて、その先生と高校のウエイトの先生が知り合いで、誘われて始めました。
(吉川)やる気はなかったんですけど、知り合いの先輩がウエイトをやっていて、その先輩と敦見先輩(敦見康平(営3=明石南))に入学したての頃チャリンコの鍵を盗られて「おまえらとりあえず来い」っていうノリで入部しました。
(中野)中学まで野球やってたんですけど、ケガして投げられなくなって…。中学校の先輩がウエイトをやっていてその先輩に誘われて始めました。

――明大を選んだきっかけは
(大皿)同じ高校の敦見先輩がいて、先輩も強くなっていってるし、自分も明大行ったら強くなるんかなと思って選びました。
(小川)高校の最後のインターハイであんまり良い結果を出せなくて悔いが残っちゃって、大学入って良い順位を取りたいなと思ったのと、畠山先輩にも誘われていたので明大にしました。日大と金沢学大と3択だったんですけど、やっぱり1個上の先輩だといろいろ教えてもらえると思って明大を選びました。
(二村)大学行っても何らかの形でウエイトを続けたいなと思っていて、でもインターハイも良い結果じゃなかったので、それももうかなわないと思っていたところで声を掛けていただきました。せっかくのチャンスなので4年間また一生懸命やろうかなと。中京大も候補にあったんですけど、明大は経営学部って話が来ていて経営学は興味があったので、どうせ4年間学ぶんだったら何かしら興味あるものを学びたいってことで選びました。
(西岡)ウエイトは高校でやめようと思っていたんですけど、明大に声掛けてもらって、名前的にもすごいとこやし同じ兵庫出身の三原先輩(三原真吾(政経3=淡路))と一緒のところで練習したいなって思って。
(吉川)強いし、学歴あるし、就職に有利だからです。
(中野)OBの古庄先輩に勧められて、監督にも勧められて決めました。

――明大のイメージは
(大皿)授業も本格的で何言ってるか分からない。みんな頭いいなっていう…イメージ通りです。自分は場違いなとこにいるなって思ってます(笑)。でも良い場所です。
(小川)最初は勉強ついていけるかなって思ってました。大学って言葉も頭になくて、部活と勉強両立できるかなって。言ってること分かんないんで、ついていくのが大変です。
(二村)お金持ちの学校。志願者も1番で、図書館も新しくできたし、やっぱり金持ってるなってイメージ。
(西岡)勉強分からんのやろなって思って来たら本当に何も分からんって感じです。

(吉川)他の大学に比べて活気がある。
(中野)練習に活気があるし、規則がちゃんとしてるし、上下関係もしっかりしてる。

――部の雰囲気は
(大皿)練習場とかは活気が溢れてる。先輩方もめちゃめちゃ練習するんで自分らもやる気が湧いてくる。チームっていう感じが思いっ切り出とる。
(小川)まとまりがあっていいです。練習をやっていても先輩が声出して応援してくれるし、試合になるとチーム一丸となってやってるなって感じがします。
(二村)高校までと違って、大学は学生主体だから引っ張っていってくれるし、こっちも先輩方に引っ張っていただけるから毎日やっていけます。
(西岡)高校のときは監督にやらされとるっていう感覚で、自分からやろうと思うことがなかったけど、こっちに来たらみんな自分のためにやっとるって感じで、それがすごいなって思います。自分も変わってきとるのかなって思います。
(吉川)練習中、声が止まらないところがいいです。重い重量挙げる時は先輩らがすごく応援してくれるのでやりやすいです。先輩と後輩の上下関係もしっかりしてるし、規律もちゃんとあって良いです。
(中野)練習自体の活気があって、先輩らが強いのでいっしょに練習することで学ぶことがたくさんあります。

――大学の練習には慣れたか
(大皿)高校と全然メニューが違って、最初はほんまにしんどかったです。でもその練習を続けていく内に、体もできてきて自主練もできるようになってきました。大学来て自分のあかんとことか考えながらできるようになりました。
(小川)高校は固定メニューだったんで、自分で強化できないとこをしっかりできなかった。大学は毎日メニューが変わるんで、高校より記録の伸びがいいです。練習はきついけど実際記録が上がっているから、練習しっかりやっていれば強くなれるって思います。
(二村)今練習メニューがフリーで基本的に自分たちのやりたいとこをやれるんですけど、高校でフリーだとサボる傾向にあるから、ウエイトやるっていうつもりで大学来てるだけあって、フリーのメニューでも皆さんしっかり自分の弱いとこをつぶそうとしてる。フリーでもモチベーションが高くて、そういう姿勢は学ばなきゃいけないなって思います。
(西岡)高校の時は毎日重い重量触っていて、大学は軽めで長時間ていう感じだから慣れないです。
(吉川)練習には慣れました。高校と違ってスクワットとか補強系がメインだから最初の2週間は筋肉痛で歩くのもしんどかったです。自分のウィークポイントとか鍛えられるので、考えて練習できるようになりました。メニューが決まってないと日によってやる気も違います。でも先輩と一緒に練習するんで気が抜けないです。
(中野)高校のときは監督がフォームとか全部教えてくれたんですけど、大学は先輩が実際にやりながら教えてくれるのがいいです。

――大学に入って練習で心掛けていること
(大皿)高校の時はメニューをただやっているだけで頭空っぽでした。大学入って練習中は自分のどこが悪いかを考えてやるようになって成長しました。
(小川)どこをどう使って重量挙げていくかとか、ここをこうすればもっと強くなるとか、少しずつでも調整してしっかり筋力アップとかフォーム直したりとか、自分で強くなろうっていう気持ちを持ってやってます。
(二村)メニューを消化するだけじゃなくて、消化していく中でもどこがいけないとか考えて、自分の弱いとことかその日できなかったこととかを集中してやろうっていう意識は持てるようになりました。
(西岡)大学入って先輩方にめっちゃアドバイスしていただいて、言われた課題は1日だけじゃ終わらないから、一日一日でどの練習しようかなって考えてながらやってます。
(吉川)スクワットとデッドリフトの補強系がメインです。
(中野)体幹です。

――寮生活はどうですか
(大皿)とりあえず地元にいた時は帰ったら飯あるし、風呂もあるし親が全部やってくれてたけど、寮は洗濯もご飯も全部自分だから最初は慣れなかったです。親のありがたみが分かりました。
(小川)親に頼っていたところがあったので、寮に来て自分でできるところはしっかりやらなきゃと思いました。
(二村)今までは朝起こしてもらって、起きたらご飯があって、学校行ったらお弁当で、家帰ってきたら洗濯物もかごに入れるだけで、勝手にごはんも出てきて…。今考えるとこっち来てそれが全部なくなって、今まで本当に親に頼りっぱなしだったなって思います。でも、そういう生活を抜け出したのはいいことだと思うし、常に同期と一緒にいるから寂しいとかは感じないです。
(西岡)ご飯のこととか風呂とか洗濯物とか、こんだけやっとったんやって、親の苦労が分かりました。
(吉川)最初の1カ月はめちゃくちゃきつかったけど、慣れてきたらやりやすくなりました。
(中野)最初当番とか慣れるまではきつかったけど、慣れてきたらそんなでもないです。早く寮の一員としてしっかり仕事していきたいです。

――1年生は仲良しか
(大皿)(小川)(二村)(西岡)ばりばり仲良しです!
(吉川)仲悪いとやっぱりまとまらないんで。
(中野)仲良くっていうのが自分らのスローガンなので、1年生は1年生で団結してやっていかないといけないです。

――新人戦を振り返って
(大皿)明大の部員の一員やねんなって感じました。
(小川)一応明大の代表で出てるんだなって。1年生みんな出ているから代表っていうわけでもないけど、しっかり明大の選手として出てるんだなって思いました。
(二村)高校の時にあんまり感じなかった学校を背負ってるっていう責任感を感じました。
(西岡)スタートやなって。先輩方の応援がすごくて、勇気が出ます。
(吉川)明治大学としてあんまり恥ずかしくない試技ができたと思います。
(中野)久しぶりの試合だったから感覚がぜんぜん取り戻せなくてボロボロでした。

――ウエイトリフティングの魅力は

(大皿)自分の限界を超えた時。
(小川)記録の更新。
(二村)限界を超える。目標が数値化できるところ。
(西岡)強さが数字で分かるところ。
(吉川)練習は面白くないけど、自己新記録とか触るときは個人競技だから目立つし、記録が数字で分かるから面白いです。
(中野)人それぞれ体のつくりが違うから、フォームもみんな違って、その中で自分のフォームを見つけていって重量上がった時は面白いです。

――理想の選手像は
(大皿)バリ強い選手(笑)。自分に負けん選手。
(小川)成功率上げて、記録を残せる選手になりたいです。
(二村)自分に負けない選手です。
(西岡)世界で活躍できる選手です。
(吉川)強い選手。スナッチで日本新記録を取りたいです。
(中野)試合で必ず6本取れる選手。

――4年間の目標、成し遂げたいことは
(大皿)明大に来てやらしてもらってる以上、チームに貢献できるように、努力していきたいです。
(小川)卒業したい(笑)。文武両道でどんどん記録上げていきたいです。
(二村)国際大会出場とインカレ制覇。やるからには上を目指したいです。
(西岡)インカレ優勝です。
(吉川)インカレ優勝して、1年間暇がないくらいいろいろな試合に出たい。
(中野)インカレで表彰台に上りたいです。

――注目して見てもらいたい、これだけは負けないところは
(大皿)右腕の筋肉。
(小川)体の軟らかさと白さ。
(二村)たかみな推しで(笑)。
(西岡)左腕の筋肉。
(吉川)スナッチ。
(中野)ないです(笑)。
(吉川)中野は気の使えるいい子です。

――大学で力を入れてやっていきたいことは
(大皿)肉体改造。バッキバッキになりたいです。もうゴリラになりたいです(笑)。やっぱり筋力は大事やから、体を強化したらそれなりに重量も上がっていくと信じてます。
(小川)筋力アップ。脚の力があれば重量上がってくるんで、脚の強化です。
(二村)本めっちゃ読みたいです。
(西岡)体が硬いので軟らかくしたいのと、フォーム改造と、ビビりなのでビビらないようになりたいです。
(吉川)友達をいっぱいつくりたいです。オフの日が暇なので。
(中野)単位取りたいです。

――ありがとうございました

 彼らの志の高さは本物だ。取材中、笑顔の絶えなかった1年生。しかし、その笑顔の中にも真剣に競技と向き合う姿があった。明大での4年間、彼らは目標に向かってバーベルを挙げ続ける。

[竹田絵美]

◆プロフィール◆
①好きな芸能人
②マイブーム
③趣味、特技
④自分を動物に例えると

◆大皿健太 おおさらけんた 法1 明石南高 165cm・65kg
①ニコル(KARA)②カフェオレと紅茶③K1観戦④ゴリラ

◆小川翔大 おがわしょうた 政経1 能代工高 165cm・65kg
①きゃりーぱみゅぱみゅ②和風スイーツ(特に抹茶)③ゲーム④カピバラ

◆中野雄介 なかのゆうすけ 農1 杵築高 176cm・71kg
①ローラ②長風呂して寝る③音楽鑑賞④シロクマ

◆西岡翔吾 にしおかしょうご 政経1 洲本実高 175cm・81kg
①増田有華(AKB48)②ドラクエ③音楽鑑賞④犬

◆二村岳周 にむらたかなり 営1 名城大附高 170cm・62kg
①高橋みなみ(AKB48)②読書、睡眠③F1観戦④ニワトリ

◆吉川琢磨 よしかわたくま 政経1 明石南高 175cm・70kg
①北川景子、佐々木希②サプリメント③アニメ鑑賞、バク転、バク宙④サル

☆幼稚園からずっと☆
 取材の雰囲気からも仲の良さが伝わってきた1年生。中でも明石南高出身の大皿と吉川は高校だけでなく、幼稚園からの幼馴染で実家も目の前。明大を選んだのもお互い相談したわけではなく「たまたま一緒だった」(吉川)という。「やっぱり心強い」(大皿)「息が合う」(吉川)と部内でも2人は特に仲良しコンビのようだ。