早大倒し逆転V!3年ぶりAブロック昇格決定/関東大学春季Bブロックリーグ戦

2012.06.02
 チーム一丸で勝利をつかんだ。震災の影響で2年ぶりに行われた今大会。加藤龍太郎(営1=作陽)を筆頭に1年生の活躍が光り、4日目終了時点で2位につける。そして最終日に首位・早大を7-2で下した結果、勝ち点、勝率で早大と並んだが、獲得ポイント差で明大が逆転優勝。また、2009年春以来、3年ぶりとなるAブロック昇格を果たした。

 優勝への執念が実った。1、2日目で勝利を挙げるも3日目、法大に敗れ、一時自力優勝が消滅する。「自分たちにプレッシャーをかけ過ぎてしまいました」(尾崎貴将主将・営4=青学)。優勝を意識し、力みがプレーに影響した。だが「法大に負けたことで良い意味でリラックスできた」(尾崎)と4日目は富士大を8-1と圧倒。また早大が法大を下したため、最終日で明大が早大に勝利すれば、獲得ポイント差での自力優勝が復活した。そして、迎えた5日目。首位・早大と対戦し、見事明大が勝利。逆転での優勝、そしてAブロック昇格を勝ち取った。「気持ちで負けなかった」(加藤)。最後まで優勝を諦めない姿勢が最高の結果へとつながった。

 大学ゴルフには欠かせないのはチームプレー。周囲のサポートが優勝を後押しした。「優勝の大きな要因はチームワーク」(榎本剛之監督)。レギュラーメンバーだけでなく、レギュラーを外れた上級生、さらには女子部員も現地へ駆けつけ、学年関係なくサポート役に徹した。また仲間の活躍には大きな声援を送り、一体感をつくり出した。「自分がゴルフ部にいる4年間では一番良いチームだと思います」(尾崎)。ゴルフという個人競技を団体戦で競う難しさを、団結力で乗り越えた。

 ルーキーの活躍が目立った。他大では、上級生を中心にとして試合を進めていく中、明大はレギュラー10人中5人が1年生。今大会はアマチュアでは珍しいマッチプレーでの戦い。尾崎主将には「正直不安もありました」。だが、正野有道(法1=杉並学院)が9戦7勝、森坂塁(政経1=明大中野)は7戦7勝と主力として活躍。宇津見剛(営1=明大中野)、須崎友貴(商1=佐野日大)も大事な場面で勝利をつかんだ。「1年生の活躍で将来が楽しみになりました」(榎本監督)。伸びしろ十分な1年生たちが早くも結果を残した。

 特に期待の新星、加藤の活躍は明大の優勝に大きく貢献した。JGA男子ナショナルチームのメンバーに選ばれた実績を持つ加藤は、「チームの優勝に貢献できて良かったです」(加藤)と、全10戦中10勝で今大会を終え、MVPに輝いた。「加藤は最初から1勝と考えています。まさにうちのエースです」(尾崎)。プレーでチームを引っ張り、1年生ながらエースとしての信頼を得た。
 次なるステップが待っている。今回Bブロックで優勝を果たしたため、6月27、28日に北海道で行われる第49回全国大学ゴルフ対抗戦への出場権を獲得。また、9月には松山英樹(東北福祉大)を筆頭にプロレベルの選手が集う秋季Aブロック対抗戦が控えている。「前回はAブロック昇格後すぐにBブロックへ降格してしまったので、まずは残留を目標にし、この調子で上位を狙っていきたいです」(榎本監督)。一歩一歩経験を重ね、さらなる高みを目指していく。
[柳浦美央]

順位 明大 早大 法大 神大 富士大 学習院大 勝ち点 ポイント
◆平成24年度関東大学春季Bブロックリーグ戦順位表◆
明大 ○7-2 ●4-5 ○8.5-0.5 ○8-1 ○8-1 4 35.5
早大 ●2-7 ○5-4 ○5.5-3.5 ○5.5-3.5 ○6-3 4 24
法大 ○5-4 ●4-5 ●3.5-5.5 ○6.5-2.5 ○7-2 3 26
神大 ●0.5-8.5 ●3.5-5.5 ○5.5-3.5 ○6-3 ○6.5-2.5 3 22
富士大 ●1-8 ●3.5-5.5 ●2.5-6.5 ●3-6 ○9-0 1 19
学習院大 ●1-8 ●3-6 ●2-7 ●2.5-6.5 ●0-9 0 8.5
※この結果、明大のAブロック昇格が決定
最優秀選手:加藤龍太郎(10戦10勝)
監督・選手コメント
榎本剛之監督
「率直に勝ててうれしいです。監督に就任して4年目。今年のメンバーは全員自分が見てきた教え子たちだったので、より嬉しいですし、とにかく優勝できて良かったです。結果に残すことで、学校やOBの方々などサポートしてくれている方々への恩返しになったと思います。優勝できた大きな要因はチームワーク。またチームをまとめるということで主将の尾崎の存在は大きかったです。本人の調子が上がらない中、メンバーに1年生を起用したり、チームの勝利を第一に考えてやってくれていたと思います。今回はレギュラーに1年が多く、これから先も楽しみになりましたね。今後も十分期待できると思います。このように選手が活躍することで、明大の看板がどんどん出せてうれしいです。3年前はAブロックに昇格後、すぐにBブロックに落ちてしまったので、そうならないように頑張りたいです。この調子でぜひ上位を狙いたいですね」

尾崎主将
「本当にうれしいです。去年、おととしも雰囲気は良かったですが、今年に入ってからこのチームは本当にまとまっていて、自分がゴルフ部にいる4年間では一番良いチームだと思います。応援の声も明治が一番大きくて励みになりました。多くの仲間やOBの方、またその他にもいろいろとサポートしていただいたからこそ優勝できたと思うので、感謝しています。法大戦で負けていったん自力優勝が無くなりましたが、その分みんな、逆に良い意味で力みが抜けたと思います。自分の調子が良くなかったので、実際のところ1年生、特に加藤がチームを引っ張ってくれたと思います。5日間で10ラウンドを回るだけに弱音を吐いてもおかしくない状況でも、何も言わずに戦っていました。まさにエースだと思います。自分はもうちょっと頑張りたいという気持ちもありますが、チームが勝って終わったので良かったです。最終日のシングルスでも調子は良くなかったのですが、気持ちで戦いました。最後に勝って帰ってくることができて、本当に良かったです。これで6月末に行われる全国大学対抗戦に出場できますが、Aブロックとは違い、一番下の立場で戦うことになるので、失うものは何もないというように悔いのないよう戦っていきたいです」

加藤
「優勝できてうれしいです。5日間の長丁場でしたが、全勝でチームの優勝に貢献できて良かったです。調子の悪い時もありましたが、強い気持ちを持って戦っていきました。(優勝の懸かった最終日は)気持ちだけは負けないようにと思っていきました。調子も良かったので、うまくいったと思います。(MVPについて)取れてうれしいです。MVPを獲れた要因はダブルスで先輩方と回るときも、なるべく攻めて思い切ったゴルフができたからだと思います。団体戦は初めてでしたが、チームワークで戦っていけるのでとても楽しかったです。またチームワークという点では主将さんの存在は大きかったです。とても優しい先輩でいろいろと教えていただきました。次はAブロックでの戦いですが、明治のためにこれからも頑張っていきたいです」

伊山
「優勝できて本当にうれしいです。5日間、チームが一つの目標に向かって戦えたと思います。リーグ戦ということで応援してくれる人も含め、チームで勝ち取ったものだと思います。個人的には自分なりにやれることはやれたと思います。1年生にもいい選手が入ってきましたが、上級生として負けられないという気持ちは常に持って戦いました。Aブロックは初めてなので楽しみです。実力では劣っているかもしれませんが、頑張っていきたいです」

森坂
「今回は調子が良かったです。4日目の終了時点で、優勝の可能性があり、眠れないほど緊張しましたが、それがいい方向に向いて、いいゴルフができました」

正野
「5日目は雨が強く、気持ちが緩んで長引いてしまいました。5日間とても疲れたけど、頑張って良かったです。前半の最終ホールでバーディーを取れたのがとてもうれしかったです」

宇津見
「最初に出られなくて悔しかったけど、最後に出ることができて良かったです。試合を通してドライバーが安定していました。5日間とてもつらかったけど、楽しく充実してできました」

須崎
「ダブルスのみの出場でしたが、チームに貢献できるように何事も頑張りました。全体的にパターが良かったです。4試合中、3試合しか勝てなくて悔しいです。秋は大差をつけて勝ちたいです」