工藤が表彰台、インカレへつながるレース/ジャパンオープン

2012.05.30
 東京辰巳国際水泳場にて開催された競泳のジャパンオープン2012。寺川綾選手(ミズノ)や入江陵介選手(イトマン東進)、明大水泳部OBの渡辺一樹選手(平21商卒・セントラルスポーツ)など、ロンドン五輪の日本代表も多く出場し3日間で日本新が三つ、高校新が三つと白熱したレースが行われた。明大からも多くの選手が出場したが、決して合格とは言えない大会となった。

 大会1日目。明大水泳部の先陣を切って入賞を果たしたのは1500m自由形に出場したルーキーの平井彬嗣(政経1=市立船橋)だ。レース中盤から後半にかけてペースを落としたものの、ラスト100mのスパートで順位を上げ、6位に入賞した。同種目に出場した兄の平井康翔(政経4=市立船橋)は、合宿中からの参戦で11位。「朝も練習をしてから来たので、時間のない中では良いタイムだった」とレースを振り返った。
 女子200m自由形では、2月に足首をケガした関根理沙(営1=県立神奈川総合)が復調の兆しを見せ7位に入った。4月の五輪代表選考会では結果を残せなかったが、ベスト+0.5秒というタイムには本人も納得の様子。「足もまだまだ完全とは言えないし、課題もたくさんある。この試合からインカレへ切り替えていきたい」と前向きな姿勢だ。
 そして、戦前から期待の高かった100m背泳ぎ。メダル獲得の期待がか懸かった伊与部崇(商4=湘南工科大)であったが、選考会に引き続きまたも4位となり、あと一歩のところでメダルを逃してしまった。同じく5位に入賞した工藤優介(政経1=桐光学園)も、満足とは言い難いレースに「54秒6ぐらいのタイムが欲しかった。調子は悪くないのでここで出しておきたかったです」と悔しい表情を見せた。

 2日目は悔しい結果に終わる選手が多かった中、躍動を見せたのは400m個人メドレーの鮫島渓太(商3=武南)だった。予選を日本記録保持者である萩野公介選手(御幸ヶ浦SS)に次ぐ2位で通過し、決勝を迎える。レース序盤は8位とやや出遅れたものの、中盤からペースアップしていき、順位を上げていく。350mのターンでは4位に入り、そのまま表彰台を狙いたいところであったが、ラスト50mで失速し、5位に終わった。「(調子は)悪くなく、いけると思ったが、結果が全てなので」と、悔しさをにじませ「(課題は)全種目」と口にするように、超えなければならない壁は高い。しかし「自分がベストを更新すれば、必然的にチームの力になる」と、次に向け、気持ちを切り替えていた。鮫島が表彰台に上がる日は近い。
 また女子では、関根が400m自由形、100m自由形の2種目でB決勝に進んだ。400mでは「レース展開的には、予選より良かった」と、落ち着いた出だしから後半に追い上げを見せる関根らしい泳ぎで2位につけた。直後に行われた100mでは「400mの直後で、どうなることかと思った」と厳しいレースであったが、予選よりタイムを上げ2位に。「ゴールデンウィークに泳ぎ込んだのが良かった。成果が出た」と、疲れがたまっている中でのレースの結果に、納得した表情を見せた。
 大会最終日である3日目。50m背泳ぎ決勝で工藤が3位に入り、今大会明大唯一のメダルを獲得した。100m、200mは不本意な結果に終わった工藤だが、50m背泳ぎの短水路高校記録保持者の貫録を見せつけ、見事3位に入賞した。「得意の50mは負けられないという気持ちで臨んだ」と50mに懸ける思いは熱く「次の目標はインカレでチームとして総合優勝すること。明大のエースになれるように自覚とプライドを持ってやっていきたい」とルーキーながらチームを背負う意識も高い。
 同種目B決勝(予選9位から16位が進む)では伊与部が予選より0.1秒タイムを上げ1位となったが「決勝には進まないといけないと思っていたので情けない」と悔しさを漏らした。
 平泳ぎのエース・金子貴宏(理工4=春日部共栄)は200m平泳ぎB決勝に登場した。持ち味のラスト50mのスパートで追い上げたものの、予選よりタイムを落とし5位。昨年決勝で4位に入った種目であるだけに今年も期待があったが「体が万全ではない。今日の予選のレースが今の状態から考えるとまあまあだったと思う」と冷静に振り返った。

 今大会、明大は全体的にもう一歩というレースが続いた。チームの中心となる上級生が結果を残せなかったという意味では、チームとしても課題の残る大会になったであろう。ただその中で、1年生ルーキーたちの活躍と関根の復調という明るい兆しも見えてきた。9月に行われるインカレへ向けて選手たちの士気は既に高まっている。チームの最大目標はもちろん総合優勝。気合い十分の水泳部に懸かる期待は大きい。