課題乗り越え女子舵手付きクォドルプル優勝/全日本軽量級選手権
スタート直後、明大が先頭に躍り出た。今まではスタートで差を付けることができなかった。そのため今回のレースではスタートから勢いをつけ、攻めのレースを意識した。課題のスタートダッシュを決め、その後も首位を守る。しかし後半、それまで2位につけていた早大が追い上げを見せる。「1000m地点で早稲田のクルーと並んだとき、メンバーの心がひとつになった。クルーの声に反応してペースを上げることができた」(高島朋江・農4=坂出)。1000~1500mはレースで一番苦しむところだが、そこは経験を積んだクルー。早大の追い上げも振り切り1位でゴールし、意地を見せた。
メンバーが口をそろえて言うのは、対戦相手のクルーに背中を見せないということだ。そのために練習では細かく目標タイムを設定し、クリアしていった。
「今までやってきたことを確実に出すことができたレースだった」(小澤実央・法3=浜松湖南)というように、課題であったスタートを克服し、確実に前進している。それだけではない。メンバーが互いに信頼し合い、攻めのレースをしようというエネルギーに満ちている。
しかし、結果に満足してはいない。インカレで総合優勝するためには、もっと多くの競技で優勝しなくてはならないからだ。「やはり打倒早大。自分の限界を超えるレースをしたい。最大の敵はいつも弱い自分。怖がらない練習をして、それをインカレへの強みにしたい」(赤津)と語る眼差しは強い。前進の勢いを感じる明大。インカレでの健闘が楽しみだ。
☆選手のコメント☆
林真幸(商4=岐阜県立加茂・男子舵手なしペアAクルー)
「楽しく漕げた。予選、準決勝もいいレースができていたので、インカレも秋以降にもつながってくる。準決勝では作戦を変えた。ラスト500mで抜こうと思っていた。ラスト勝負にしたのは良かったのか悪かったのかわからないが、勝たなければ意味はない。最後の順決は楽しもう、どれだけやれるかやってみようという思い。例年に比べても競争心や闘争心を持っていて、いい雰囲気だと思う」
高橋直奨(営4=塩釜・男子舵手なしペアBクルー)
「表彰台という舞台には上がれたけど、監督がいつも言うように優勝したクルーには負けている。悔いが残るレースではあった。クルーを見て、余裕のあるレースはできないと思った。最初から飛び出して、先行逃げ切りでいこうと思っていた。思った以上に他が強くて、スタートを決めきれなかった。でも、第2、3クォーターで自分たちらしく粘りのあるレースができて、相手を諦めさせることができたのでは」
栗山卓也(法3=浜松湖南・男子舵手なしクォドルプルクルー)
「勝てると思っていたが、全力でやって駄目だったので力の差を感じた。最初出たかったが、出が足りずにずるずる落ちて行ってしまった。クルーでは連覇を目標に水中を強く打つことを心掛けた。全体を振り返るとスタートは良くなかったが、中盤でへこたれないことは良くできたと思う。女子が優勝してうれしいが、やはり悔しい。インカレでは勝ちたい」
松岡結(文2=浦和一女・女子舵手なしクォドルプルクルー)
「1番の目標は早稲田を追い抜くこと。2、3、4位はコンマ何秒の差で、実力は拮抗していた。どのクルーに乗っても負けられない。インカレまでの課題は見つかったし、まだまだ中身の濃い練習をしていかないといけない。結果は悔しい。でも、1、2年しかいなくてもクルーとしては成長できた。(ラストで)上げていっても大丈夫だったし、団結感が違ったが、どこか自分本位の漕ぎなった。意識の統一はもっとできる」
高島(女子舵手付きクォドルプルクルー)
「最初の500mで出て、一番をキープして勝つことを目標にしていたので、今回はそれがイメージ通りにできて良かった。今回は勝てたが、ゴールした後は課題があることは分かっていた。インカレで早大に勝つのが今の目標。今のメンバーは頼もしく、みんなで艇を進ませている感覚がある。これからクルーが分かれても安心して任せられる。東日本インカレは育成も大切で、教えることで自分も成長できる。インカレでは総合優勝したいです」
赤津(女子舵手付きクォドルプルクルー)
「今回は勝って当たり前のレース。気持ちの切り替えや、3・4年のクルーの気の持ちようも良かった。敗者復活で残ったときから優勝を確信していたし、日常生活でも優勝を濃くイメージしていた。話し合い、5人で勝とうという気持ちが強かった。絶体絶命からの優勝でほっとしたが勝たなくてはいけない相手だった。明日からは気持ちを切り替えてやっていきたい」
今井(女子舵手付きクォドルプルクルー)
「信頼しているクルーだからもうだめだと思わないで攻め続けられた。5人で決勝にいくという気持ちが優勝を導いたと思う。今攻めたら勝てるというポイントが分かって、全員で攻めることができた。スタートからどこにも出させないことを目標にしていた。インカレへは勢いがついたレース。反省して、いいところを伸ばして総合優勝を狙う。早大に対しては、とにかく気持ちで負けないこと。8割気持ち、気持ちで負けたら終わりだと思っている」
小澤(女子舵手付きクォドルプルクルー)
「今までやってきたことを確実に出せたレースだった。予選は想定外だったが、このメンバーなら勝てるという自信があった。クルーで意識したのは、背中を見せず、後半で攻めるレースをすること、冷静に自分たちの長さを生かして大きく漕ぐこと。この上級生のクルーは何回も組んでいるから、4人で合わせられれば勝てると思っていた。インカレでは早大に勝つ。今回は優勝できたけど、夏までに強く、貢献できる選手になりたい」
COX佐藤結(女子舵手付きクォドルプルクルー)
「マネジャー出身で未経験の私が全日本という大きな舞台で表彰台の一番上にいけるとは思えなかった。技術面では分からない心の部分で引っ張っていこうと思った。クルーの雰囲気は常に明るくなるように努めた。苦しい時もあったけど、ほかのマネジャーを中心にいろんな人がサポートしてくれてここまでこれた。本当に感謝したい。夏も絶対早大に勝って、総合優勝したいです」
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