62㎏級で中田、原が共に入賞/全日本学生個人選手権

 兵庫県勢が多い明大ウエイトリフティング部。今大会の1週間前には兵庫県の県民大会が行われ、連戦の疲れが残る中での試技だった。表彰台に上ったのは62㎏級の中田健太郎(政経3=常翔学園)と原亮太(法2=須磨友が丘)のみ。「優勝を狙える位置にいるのに。やはり優勝は難しいなと感じた」(本多達雄監督)と悔しい結果に終わった。

 62㎏級に出場したのは中田と原の2人。昨年の全日本インカレでは出場権争いを繰り広げた2人が2位、3位に入賞した。しかし、2人に笑顔はなかった。中田はスナッチで1本しか挙げることができず「大変なことになってしまった」という。しかし「ジャークで気持ちを切り替えよう」と奮起。当初130㎏スタートのつもりだったジャークを136㎏スタートに切り替え、試技中は深呼吸をして集中を高めた。3本目の145㎏を挙げていればジャークで逆転優勝もあったが惜しくも失敗。2位入賞に終わった。試合後、中田は「自分のミスを自分でカバーできなかったのが悔しい。今回は1番しかいらなくて、2、3、4位は同じ価値だと思っていた」と、優勝できなかった悔しさを語った。

 一方原は、スナッチで2本連続成功。3位につけいい滑り出しを見せる。しかしジャークでは1本しか挙げることができず、変わらず3位入賞。「目標は4本だったのに3本しか取れなくて残念。スナッチとジャークの3本目はどっちも自己新でジャークは途中まで取れていたから情けない」と口にした。

 続く69㎏級には吾郷英之主将(農4=出雲農林)が出場。「調整はしていたのに、1本ずつしか取れなかったのは満足できない」と、スナッチ、ジャークで1本ずつしか成功させることができず、8位に終わった。昨年はケガが多く、試合に戻ってきて間もない吾郷。東日本インカレでの活躍に期待したい。

 85㎏級では高原康幸(政経3=天草西)とルーキーの西岡翔吾(政経1=洲本実)がプラットに立った。高原はスナッチ、ジャークともに1本ずつの成功。ジャークの2本目、165㎏を挙げる際に「膝の裏が伸びて痛めてしまった」と思わぬアクシデント。「いい試合ができなかった。出直し」と今大会を振り返った。
 ルーキーの西岡は6本中4本を成功させ8位入賞。大学へ入学する直前までは入院をしていた彼だが「体の調子は良かった。記録的にも普通」と調子も戻ってきたようだ。同階級の高原に「西岡はなかなか強い。常に意識してる」と言わせるほどの試技にこれから注目だ。

 94㎏級に出場したのは敦見康平(営3=明石南)。「スナッチは上出来」と語った通り、130㎏を挙げた際には「よっしゃー」と叫んだ。理由は「自己新ではないが、130㎏を取っていなかったら勝負になっていなかった」から。しかしジャークでは「ほんまにあかんな」と、1本目しか成功しなかった。「6本取りせな基本満足せん」と語った敦見に今後も期待したい。

 最後の階級、+105㎏級には大嶋虎太朗(政経4=鎮西)が出場。「大舞台だったし、緊張した」と語った大嶋は、試合前に体重増量に励んだ。「体重が増えて、体型が変わったので、フォームを調整するのが難しかった」と体重増量の難しさについて語った。スナッチで2本、ジャークで1本を成功させたが「前回より2、3㎏体重を増やしたが、あまりパワーにつながらなかった。ただの体重増量だと甘く見ていた」。ラストイヤーの今年は「全日本インカレに出たい。最後に大トリを飾りたい」と意気込む。

 「チャンスを確実にものにしないといけない」と本多監督が語ったように、今大会は各選手の成功率があまり高くなかった。「成功率を上げたい」という課題は各選手が胸にしていることだ。今大会の課題を糧にして、来月に行われる東日本インカレで2連覇を期待したい。