“全勝”で春季2連覇達成/関東学生春季1部リーグ戦

2012.05.19
 決して油断はしなかった。伝統の明早戦を4-2で制し、“全勝”で春季リーグ戦2連覇達成。前日の試合で早大が専大に敗れたため優勝は決まっていた。しかし、“全勝”することを目標としていた明大は優勝に溺れることなく最後まで勝ちにいった。

 ゲームカウント3-2で迎えた第6ゲーム。岡田崚(愛工大名電=商2)が先に2ゲームを奪い、勝利まであと1セットのところでデュースまでもつれたが、3セット目を奪い“全勝優勝”を決めた。選手たちはガッツポーズを見せハイタッチを交わす。歓喜が沸き起こるかと思いきや、プレッシャーから解放され、どこか安心したような表情を見せた。昨年グランドスラム(春季秋季リーグ戦、インカレを3連覇すること)を達成し、大学日本一の明大。リーグ戦の目標をただの優勝ではなく“全勝”で優勝すると定めた。負けることは決して許されなかった。

 ルーキーが流れを呼び込んだ。3番手の松下海輝(希望ヶ丘=商1)は0-2からの出番。「まさか、こんな大事な場面で回ってくるとは思わなかった」と予想できない事態であった。トップの平野友樹(野田学園=商2)が早大のルーキー大島に敗れたのだ。リーグ戦では無敗、チームに勢いを与える平野が初黒星を喫した。勢いに乗る早大。その勢いで2番手の桒田晋一郎(野田学園=営3)も敗れる。何としても流れを変えたい。しかし、リーグ戦の雰囲気になじめていないこともあり出だしは動きが硬く自分のプレーができない。本来の動きを取り戻し始めると2セット目、19-17と粘り勝ち。3セット目は落とすが、残り2セットを奪い勝利。流れを引き寄せる価値ある1勝を挙げた。 

 上級生が魅せた。今年の明大は昨年活躍した神巧也(青森山田=政経2)、平野、岡田、さらに松下海のチームだという印象が強い。しかし、チームを支える上級生の力があってこそ今の明大がある。今季、リーグ戦に初出場し4戦全勝の横山輝(大阪桐蔭=政経3)は殊勲賞を獲得。昨年はベンチを温めていたが、今年は全試合にレギュラーとして登録された。「チームが勝つとうれしいが、(出ている時の方が)出なかった時よりやってやるぞという気持ちが強かった。でもまだまだ満足はしていない」。リーグ戦デビューは遅れたが関係ない。後輩たちに引けを取らない

◆早大戦オーダーと結果◆
 
明治大学 VS 早稲田大学
平野 11-13 大島
11-6
5-11
8-11
桒田 10-12 藤原
11-1
6-11
11-13
松下海 4-11 岩崎
19-17
10-12
11-5
11-9
神・平野 11-8 大島・山本勝
8-11
11-6
11-9
16-14 山本勝
9-11
11-8
11-6
岡田 11-9 矢野
11-8
15-13
横山   山本直

活躍を見せ続ける。

 あくまでも通過点。今年はもちろん2年連続のグランドスラムを勝ち取りにいく。その挑戦権を得るために、まずは春で勝つ必要があった。そして“全勝”と最高の形で挑戦権を勝ち得た。次は夏のインカレ。強豪・愛知工大、青森大が待ち受けるが「(明大は)優勝しなければならないチーム」と田崎俊雄監督は強気だ。春の喜びもつかの間、既に意識は夏に向いている。