早大に勝利も団体5位/関東学生春季1部リーグ戦

2012.05.14
 早大に勝った。戦うたびに負けを許していた早大戦。全国でも名をはせる強豪を相手に、3-2と大接戦を繰り広げ、見事に勝利を収めた。1部リーグに所属する6校のうち、早大に勝利したのは明大のみ。しかし、総合順位は5位と思うような結果には至らなかった。

 早大に勝ち、リーグ戦で優勝することが常にチームの目標だ。今年もまた、同じ目標を持ち選手たちはリーグ戦に臨んだ。しかし、初戦では中大にまさかのストレート負け。1番手の大熊友也(法3=川越東)・今井快幸主将(農4=三重)ペアはわずか1セットしか勝ち取ることができなかった。

 次の白井拓巳(営2=尽誠学園)・堂野貴寛(営3=日本航空)ペアも中大から1セットしか奪うことができず、シングルスも敗北。3ゲームを先取した時点でチームの勝利が決まるリーグ戦。この時点で明大の負けが決定し、初戦から苦しいスタートとなった。
 唯一4番手で出場した寺下将司(営4=小松市立)・寺下洸平(農1=小松市立)の兄弟ペアが4セットをもぎ取り、ファイナルゲームまで持ち込んだがあと一歩のところで勝ち切れず、結果は0-5とストレート負けで初戦を終えた。

 流れをつくる重要な初戦での敗北。「自分のせい」と共に肩を落とした大熊・今井主将ペアだったが、続く日大戦で今井主将は「何回も負けてはいられない」と主将の意地を見せ、鋭いボレーで次々と点を奪う。大熊も確実なストロークで点を稼ぎ、1ゲーム目をものにした。2番手の白井・堂野ペアも中盤で2セットを連取されるが、落ち着いた試合運びで勝利。次のシングルスではルーキー徳永晃平(理工1=三重)が先輩ペアの流れに乗り、見事勝利を収めた。

途中ストレートでセットを奪うなど1年生ながらも堂々としたプレーを見せ、チームの勝利を決めた。4、5ゲームはどちらも5-0と快勝。ゲームカウントも5-0と明大の圧勝だった。

 選手の層が厚く、全国での優勝経験のある選手がそろう早大との第3試合。
 1ゲーム目、それまで2番手として出ていた白井・堂野ペアがコートに姿を見せた。1セット目を奪われるものの、白井の力強いショットに相手もひるみ、3セットを連取。しかし、堂野のボレーが決まらず、早大も容赦なくスマッシュを打ち込んでくる。1セット、2セットと立て続けに取り返され、ついには3セットを奪われファイナルゲームへ。明大が先制点を挙げ、勢いづくと4点を連取。早大に1点を取り返されるも「相手は自分より格上だと最初から分かっていたので、向かっていくことができた」(白井)と最後まで攻めの姿勢を貫き、見事勝利で次につないだ。

 続くのは大熊・今井主将ペア。「勝ってきてくれた流れを大切にしたい」(今井主将)と意気込んで臨んだ2ゲーム目。セットの取り合いが続き、まさに一進一退。後衛同士の激しいラリーも繰り広げられ、連続4失点を許してしまう場面もあった。しかし、今井主将のハイボレーが決まると、大熊も相手を左右に揺さぶるストロークで反撃。またもファイナルゲームへもつれ込む接戦に。ここでも点の取り合いが続き、不安定な試合展開となったが、最後はしっかり2点を連取。「勝ちにこだわる気持ちでやっていた」(大熊)とまさに粘り勝ちだった。
 3ゲーム目のシングルスでは再び徳永が登場。「早大のシングルスは強い」(今井主将)と予想通り、何とか1セットを勝ち取るもミスのない完ぺきなプレーに圧倒され、1-4とこのゲームは落としてしまう。

 ゲームカウント2-1で迎えた4ゲーム目。あと一つで明大の勝利が決まる。その大事な場面を任されたのは桑山俊浩(農3=三重)・佐々木恒登(政経1=三重)ペアだ。強気な姿勢を決して崩さず、どんな球にも向かっていく桑山。いつも以上に迫力あるショットを繰り出し、2セットをものにする。その後ミスを連発しセットを落とす場面もあったが、2人は攻め続けた。佐々木も桑山に続き、積極的にボレーで攻め入り点を稼ぐ。2人が点を決めるごとに歓声が沸き起こる。その声は1点、1点と勝利が近づくごとに大きくなっていく。4-3とリードで迎えた最終セット。2人は最後まで果敢に攻め続け、見事5-3でチームに勝利を呼び込んだ。
 最後の寺下兄弟ペアもこの勢いに乗り、勝利を飾って終わりたいところ。しかし、息の合ったプレーで得点するも、4-4でファイナルゲームに突入。寺下将が強烈なスマッシュを決めるがその後のミスが響き、最後は惜しくも早大の勝利に終わった。
 ゲームカウント3-2と大接戦の末、勝利を収めた明大。ベンチは歓喜の渦に沸いた。

今まで「全く歯が立たない相手」(大熊)と早大には苦しめられ、ここ数年は敗北続きだった。しかし、今季やっとその高く分厚い壁を突破した。

 早大に勝利した勢いそのままに臨んだ日体大戦。リーグ優勝を懸けた大一番だった。しかし、相手の力強いショットとコースをついた巧みなプレーに圧倒され、試合は終始日体大ペース。明大はわずか1ゲームしか取ることができず、王者の前にあえなく敗戦した。
 

 目前に見えていた優勝の二文字があっけなく消え「気合いが抜けてしまったのかもしれない」(大熊)。続く東経大戦も悪い流れを断ち切ることができず敗北。これまで4季連続負けたことがなかった相手なだけに、悔やまれる一戦となった。
 
 昨秋はリーグ3位と、奮闘を見せた今井新体制。今春は選手誰もが頂点を狙って戦った。しかし、順位は昨シーズンより二つ落とした5位。優勝争いから一転、Bクラス入りとなってしまった。だが、悔しさと同時に大きな自信も手にした。「早大に勝って自信がついたからあとはどう流れをつくっていけるか」(大熊)。秋より順位は奮わずとも最大のライバルを倒した選手たちは、成長ぶりを見せつけた。次戦は来月、石川県にて行われる東日本インカレ。リーグ戦での悔しさと生まれた自信を胸に、次なる戦いのコートへ乗り込む。