
勝利を目前に逆転を許し、1点差で敗北/関西ラグビーまつり
天理大はBKの早い展開でグラウンドをワイドに使った攻めが持ち味。明治は、前半から今年も健在のFW陣が躍動。リードし後半を迎えたが、天理大の速攻を交えた早い攻めに対処し切れず、逆転され1点差で敗戦してしまった。
前半開始間もなく、天理大がラックでオーバーザトップの反則をし、明治はペナルティーキックをタッチに蹴り出しラインアウトに持ち込む。そこからモールを組むと、FWがそのままドライブしモールトライ。SO染山茂範(政経4=佐賀工)のゴールも決まり、7-0と幸先の良いスタートを切る。9分、天理大のラインアウトから、ボールを受け取った相手SHに密集を抜けられビックゲインされると、素早くボールを展開されディフェンスが戻り切れず失点。7-7と追い付かれる。だが16分、SH山口修平(政経3=佐賀工)がパスダミーで相手のディフェンスラインを突破すると敵陣内へ侵入。展開などで敵陣ゴール前5mまで進むと、ラックからLO友永恭平(政経4=常翔学園)がインゴールに飛び込みトライ。FWの強さを見せつける。角度のないところから染山がゴールを決め14-7。その後も取っては取られる展開が続き、21-17と4点リードし前半を終える。
後半開始早々、明治は早速ラインアウトからFWで攻め立て、またもモールトライを決め26-17とする。さらに5分後にも追加点を挙げ33-17と突き放す。この流れに乗っていきたいところであったが、明治はペナルティーからリスタートで速攻を仕掛けられ、ディフェンスが戻り切れず立て続けに3トライを献上。33-34と逆転されてしまう。ペースもつかまれ防戦一方の中、時間ばかりが過ぎていく。すると35分、山口修がギャップを駆け抜け敵陣でポイントを作ると天理大が思わずオフサイド。敵陣ゴールまで10mの付近から明治ボールのラインアウトのチャンスを迎える。モールは一度崩されたが、ラックから再びモールを組み、FWがこれを押し切りPR石原慎太郎(政経4=国学院久我山)がインゴールにグラウンディング。染山が難しい角度からゴールを決め40-34と逆転に成功する。この点差を守り切りたいところではあったが、試合終了間際に自陣でのミスからカウンターアタックを受ける。これにディフェンスが戻り切れずラインを切り裂かれ、残り1分で40-39。ゴールも決まり40-41となったところでノーサイドのホイッスル。あと一歩というところでつかみかけた勝利をこぼしてしまった。
明治は全6トライ中4トライをFWで、天理大は全てBKによるトライと、両校の持ち味を存分に発揮する熱戦となった。試合終了後の監督インタビューで明治は「及第点」(吉田義人監督)をもらいながらも、収穫については「BKのディフェンスがとことん機能していなかった。得点能力の高い相手にどういうディフェンスをするかを学んだ」と苦言を呈した。
グラウンドを大きく使う相手の攻めにディフェンスはかなり苦しめられ、リスタートに対するリアクションやタックルミスなど課題を残した。しかしアタックに関しては、山口修のパスダミーやリスタートからの仕掛る動きを使った早い攻めと、ゴール付近ではラインアウトモールからじっくりFW戦という緩急をつけた攻撃は有効的だった。昨年大学2位の天理大を相手に善戦はしたものの、勝てなかったことに対する悔しさは大きいだろう。次週13日には熊谷ラグビー場で春の明早戦が行われる。課題と自信を胸に、紫紺の成長に注目したい。
1.PR | 石原 慎太郎 | 9.SH | 山口 修平 →20.多田(後半36分) |
16 | 牛原 寛章(政経2) ←2.勝木(後半26分) |
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2.HO | 勝木 来幸(営2) →16.牛原(後半36分) |
10.SO | 染山 茂範 | 17 | 山口 誠(営4) ←3.松波(後半36分) |
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3.PR | 松波 昭哉(政経2) ←17.山口誠(後半36分) |
11.WTB | 小澤 和人(営3) | 18 | 梁 哲盛(営3) ←5.友永(後半15分) |
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4.LO | 寺田 大樹(文2) | 12.CTB | 水野 拓人(情コミ2) →22.西橋(後半18分) |
19 | 古屋 直樹(商4) ←6.比果(後半18分) |
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5.LO | 友永 恭平 →18.梁(後半15分) |
13.CTB | 西村 雄大(農3) →21.幸重(後半36分) |
20 | 多田 潤平(文4) ←9.山口修(後半36分) |
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6.FL | 比果 義稀(文3) →19.古屋(後半18分) |
14.WTB | 村井 祐太朗(政経2) | 21 | 幸重 記(文3) ←13.西村(後半36分) |
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7.FL | 竹内 健人 | 15.FB | 田村 煕(1) | 22 | 西橋 誠人(商2) ←12.水野(後半18分) |
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8.NO.8 | 堀江 恭佑(商4) |
★監督インタビュー★
試合前
「今年のチームは一人一人の潜在能力が高い。その長所を引き出し、高いレベルの集団で大学日本一を目指していきたい。ここまで3年かけてフィジカルの基礎づくりをし、成功してきた。今年は花を咲かせたい。天理大は昨年の大学選手権準優勝の相手。チャレンジャーの気持ちで戦っていきたい。(注目してほしいプレーは)FWの力強さに加え、BKのディフェンスの裏に抜けていくところ。また早稲田には日本代表デビューした藤田慶和選手がいますが、明治にも、日本代表の田村優選手(平23文卒・現NECグリーンロケッツ)の弟、FB田村煕(1=国学院栃木)がいる。明治にも田村がいるぞというところも見てほしいです。花園は高校3年間プレーし、青春時代を懸けた地。懐かしくもあり、すがすがし気持ちです。」
試合後
「新チームとなり、先週の東海大戦に比べて良くなった。及第点は挙げられる。収穫はBKのディフェンスがとことん機能していなかったこと。得点能力の高い相手にどういうディフェンスをするかを学んだ。グラウンドをワイドに使い、どんどんボールを動かしてくるので怖い。天理大を見習ってチャレンジャーとしてひたむきにやっていきたい」
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