中大との激闘制し、連覇達成!3冠へ向け、まずは1冠獲得/関東大学選手権大会
幸先良く先制点を奪い、ペースを握った。試合開始早々、相手のペナルティーで3対5のパワープレーの状況をつくる。ゴール前を固められる中、左サイドからパスをつなぎ、最後は佐藤光がシュート。パックはゴールへと突き刺さり、欲しかった先制点を挙げた。その後は両チームとも早い攻守の切り替えからチャンスをつくり、一進一退の攻防を繰り広げる。そして18分45秒、自陣でパックを奪い、大津晃介(法1=日光明峰)から左サイドに開いていた小原卓朗(政経4=白樺学園)へロングパス。パスをうまく受けた小原はフェイントでDF1人をかわし、ゴール右隅へ見事なシュート。「(得点には)自分でもびっくりしたが決まってよかった」。ここ一番で頼れるFWが貴重な追加点を挙げ、良い流れで第1ピリオドを終える。
第2ピリオド中盤に追加点を挙げ、このまま明大ペースで進むと思われたが、インカレ王者に意地を見せられる。選手たちの足が止まり始めた13分ごろ、自陣でDFがクリアし切れずに失点。16分58秒にはキルプレーからゴール前の混戦を押し込まれ、再び失点と勢いづいた中大に攻め込まれる。攻勢だった第1ピリオドとは一転、相手にペースを握られる。
流れを変えたい第3ピリオドだが、中大の攻撃に圧倒され、自陣にくぎ付けにされてしまう。だが球際で厳しいプレスをかけることで、簡単にシュートを打たせず、中大に決定機を与えない。また、今大会全試合フル出場し、安定したセービングを見せるGK佐藤永和(文2=軽井沢)を中心とした守備陣が体を張った守りを見せる。「今までは優人(伊藤優人・商3=白樺学園)に頼り切っていた部分が多かった。だけど永和が出ていることによって、みんなで守ろうという意識が強くなった」(奥平将斗・政経4=釧路江南)。猛攻を耐えしのぎ、ゴールを死守した。
最後は6人攻撃に出た中大からパックを奪い、無人のゴールへ牛来拓都部門主将(営4=北海)がエンプティゴール。ダメ押しとなるゴールで優勝を決定付けた。
自らの強さを証明した大会だった。「2年前はラッキーな部分もあったが、今回は既に優勝できるチームになっていた。自分たちが1番強いと思って、練習にも試合にも臨めた」(監物コーチ)。優勝最有力候補という下馬評の中、油断することなく、一人一人の選手が自分たちの力を信じ切ることができた。さらに、1年次から活躍を見せてきた実力者ぞろいの4年生がチームをけん引。「みんながキャプテンという気持ちで、まずは自分たちがやるべきことをしっかりやっていこうとしていた」(藤井匡智監督)とプレー面だけでなく、精神的にも手本となる姿を後輩に見せ、チームを一つにまとめた。
優勝にもチームの目線は先を見据えている。「今後、他大からはうちが目標にされる。だから受けて立つだけではいけない。追い付かれないようにするのでなく、さらに突き放していきたい」(藤井匡智監督)。昨年無冠の悔しさをばねに、最終目標である3冠獲得に向け、第一歩を踏み出した。
☆試合後のコメント☆
藤井匡智監督
「(試合を振り返って)3-0までは決勝の重苦しい雰囲気もなく、いい形でいけたのですが、4点目を奪えずに先に1点を取られて、相手に流れを与えてしまった。だけどそれ以降は体を張ってよく守れたと思う。第3ピリオドでは無駄なペナルティーもなく我慢ができた。今大会を通じてGK佐藤はMVP級の活躍をしてくれたと思う。ケガもあったが、伊藤を追い越そうと練習から目一杯やっていたことが結果につながったと思う。昨年はマスクをかぶっていないし、全日本選手権で少し出場しただけだったので急激に成長したと思う。(第3ピリオド前の控室で)この試合を勝っても負けても次はないのだから、ここまで来たら悔いの残らないように一生懸命やってこいと声を掛けた。(4年生について)みんながキャプテンという気持ちで、まずは自分たちがやるべきことをしっかりやっていこうとしていた。主将・副将に任せっきりではなく、他の4年生もよくサポートしていた。(1年生の活躍について)入ってきたばかりですぐに活躍するのは難しい中、十分やれていると思う。ここまでやるとは想定外だった。大津はかき回すタイプで明大にはいなかった新しいタイプだと思う。大椋は3セット目で安定した攻守を見せてくれた。(今後について)今後、他大からはうちが目標にされる。だから受けて立つだけではいけない。追い付かれないようにするのでなく、さらに突き放していきたい」
監物コーチ
「(今大会を振り返り)練習の質が良かった。最後までピリッとしていたので試合も最後まで集中力が途切れなかった。2年前はラッキーな部分もあったが、今回は既に優勝できるチームになっていた。自分たちが一番強いと思って、練習にも試合にも臨めた。(4年生について)ベンチでも前向きな声を出すし、下級生が萎縮せずにものが言い合える4年生だと思います。(GKについて)キーパーにとって何十回の練習より1回の試合で信頼を得ることが大事。今大会で佐藤に対する信頼も出てきた。これで伊藤もうかうかしていられないでしょう。キーパーが2枚そろって初めて良いチームと言えるので、その点は収穫だと思います。(今後について)チームが始まってまだ1カ月ちょっと。このままだとリーグ戦では確固たるものがないので、夏の過ごし方が重要になる。(今年のチームは下馬評が高いことについて)もちろん重圧はある。今年に限らず明治は3冠が至上命題。まず今回優勝して3冠の権利を得たのは明治だけ。その裏には3冠を取らなければいけない責任もあると思います」
牛来建都コーチ
「自分たちが春優勝した時はとてもふわふわした感じで、ただのラッキーパンチという感じだった。でも今年は最初から勝つべくして勝ったし、優勝をしっかり視野に入れて戦っていたと思う。とても雰囲気が良かったし、声も出ていた。今大会の最大の収穫はやっぱりキーパー。ライバルが出てくることで伊藤ももっと努力するだろうし、練習の質も上がってくると思う」
ダメ押し点を決めた牛来部門主将
「1ピリから気合が入っていた。集中力も切らさずにできた。(1点差になり)3ピリに入る前に、苦しいのは相手だ、と言った。今回は下級生が台頭してきたので4年生も奮起できたのだと思う。ただ、満足はしていない。春勝ったことで、3冠をできるのも明治だけ。他大も明治を目標にすると思うが、挑戦者の気持ちは忘れません。3冠を目指していく上で、3ピリ通して戦い抜く体力と、メンタルが今後の課題です」
勝負どころで得点を決めたFW小原
「優勝できてうれしいです。ほっとしました。2ピリでは少しバテたけど、3ピリ前に気持ちを入れ直したのが良かった。(得点について)1点目は自分でもびっくりしたが決まって良かった。2点目は亮太(山田亮太・政経4=武修館)のパスが良かったので、決めるだけでした。(今後について)3冠目指してやっているので、夏もしっかり練習して、秋頑張りたいです」
安定した守備を見せた奥平
「3点リードしてからの失点の流れはまずかった。相手の粘り強い攻撃を受けましたが、自陣での守備が課題です。失点はGKのせいではなく、自分らDFのせいです。1年生の活躍で4年生も頑張れました。今までは優人に頼り切っていた部分が多かった。だけど永和が出ていることによって、みんなで守ろうという意識が強くなった。点差を詰められてプレッシャーは感じたけど「構える必要はない」と声を掛けました。3冠に向けた第一歩です。他大は明治を倒そうとやってくるが、王者として負けないように練習していきます」
前線で存在感を見せた金悠司(文4=苫小牧東)
「(試合を振り返って)3点取ってから気持ちの緩みがあったのが秋への課題です。昨季のインカレではリードした場面から追い付かれたので、反省を生かして粘れたのは大きいです。今大会を優勝して3冠へ第一歩を踏み出したので、勢いよく3冠を取っていきたいです」
今大会を通じて安定したセービングを見せ続けたGK佐藤
「(大会を振り返って)メンタル的につらかったです。気持ちのつくり方は工夫しました。優人さんには付きっきりで練習を見てもらいました。今まで厳しいことしか言われませんでしたけど、3ピリに入る前に「さっきのシュートは俺でも入った」と優しい言葉をもらえてリラックスできました。(今後に向けて)リーグ戦は優人さん1人で乗り切るのは大変だと思います。なので2人で頑張ります。リーグ戦、インカレと優勝して3冠の喜びを2人で味わいたいです」
ルーキーながら優勝に貢献した大津
「いい先輩のおかげで優勝できたと思います。自分は試合に出れていない同期の分まで背負っていたので頑張ろうと思いました。(ベスト6について)素直にうれしいです。これも先輩方のおかげです。でもこの結果に満足せず、3冠へ向けてさらに高みを目指していきたいです」
最優秀選手賞 | 牛来拓都部門主将 |
最優秀新人賞 | 大椋舞人(法1=白樺学園) |
ベスト6 GK | 小野田拓人(中大) |
DF | 本野亮介(商4=北海道清水) |
DF | 佐藤光 |
FW | 大津晃介 |
FW | 小原卓朗 |
FW | 山田亮太(政経4=武修館) |
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