2試合連続完封勝利。慶大を下し準決勝進出/関東大学選手権大会

 堅固な守備で相手にゴールを割らせなかった。初戦で昭和大を大差で下し、良い流れで臨んだ慶大戦。開始早々に先制点を挙げ、好スタートを切ったが第2ピリオドに失速。それでも第3ピリオドには、牛来拓都部門主将(営4=北海)が意地の1ゴール1アシストを挙げ、5-0と2試合連続で完封勝利。課題は残るも、危なげない戦いで準決勝へと駒を進めた。

 立ち上がりに気をつけた第1ピリオド。フェイスオフ直後の開始25秒、牛来部門主将が左サイドを駆け上がり、中へ折り返す。混戦の中、ゴール前に控えていた大津晃介(法1=日光明峰)がうまく合わせて先制点を挙げた。「ゴールへ貪欲に向かった気持ちが結果に表れたと思います」。昭和大戦でハットトリックを決めた期待のルーキーが、この試合でも結果を出した。その後も7分3秒に梶原聡人(政経2=北海道清水)、7分52秒には大椋舞人(法1=白樺学園)が得点。パスで相手の守備を崩す明大らしい攻撃が見られ、終始明大ペースで第1ピリオドを終えた。

 このまま圧倒したい明大だったが一転、第2ピリオドでは慶大に押し込まれる。「立ち上がりが良かった分、気の緩みが出てしまった」(藤井監督)。足が止まってしまい、プレーが雑になる場面が目立った。また「決めるところを決めないと雰囲気も悪くなる」(本野亮介・商4=北海道清水)と幾度の決定機を決め切れず、自分たちのリズムをつかむことができなかった。

 悪い流れを打破したい第3ピリオド。この状況を一変させたのは主将のプレーだった。6分16秒、左サイドでパックを受けた牛来部門主将は個人技で2人をかわし、そのままシュート。キーパーの反応も及ばず、貴重な追加点を挙げた。その3分後には山田亮太(政経4=武修館)のゴールをアシスト。「流れが悪かったので自分が何とかしないと、と思いました」と頼れる主将がプレーでチームを引っ張った。

 勝利という結果にも、満足のいかない内容だった。「一人一人がやるべきことをやっていない。練習通りのことができていない」(藤井監督)と第2ピリオドで気持ちの緩みから、相手に主導権を握らせてしまったことに大きな反省点が見つかった。
 一方、GK佐藤永和(文2=軽井沢)を中心に、体を張った守りで何度もピンチを防いだ守備陣には安定感が生まれてきた。「DF陣で、『佐藤に完封させてあげよう』と声を掛け合っていました」(本野)。チーム一体で守りを固めることで、攻撃にも良いリズムをつくり出す。
 準決勝の相手は、昨季インカレで苦杯をなめた早大。「インカレの雪辱という面で気合が入っている」(牛来部門主将)、「いつの時代も早大には負けられない」(監物コーチ)と意気込み十分。目標である3冠へ向け、最初の壁を乗り越えたい。

[桑原幹久]

☆試合後のコメント☆
藤井監督
「スタートは良かったが、第2ピリオドでは気の緩みが出た。足が止まり、シュートを打たなくなってしまった。点が取れなくても、常に動いていけばチャンスはあると思うし、しっかり集中を切らさずやらないと。パワープレーのときもシュートまでが遅いし、練習通りのことができていない。去年もそういったピリオドごとのむらがあったが、それでは駄目。今日は悪い流れを立て直すこともできなかった。一人一人がやるべきことをやってない。途中で交代した選手にはその辺を考えてほしい。レギュラーとサブの力の差はほとんどないので、層は厚い。気の緩みが一番いけない」

監物コーチ
「前回の試合を大量得点で勝利したので、立ち上がりが良かった分、今日もいけるという気持ちが出たのか足が止まってしまった。泥臭いハードワークが足りなかった。それでもDFとGKを中心に体を張った良い守備ができていたと思う。(準決勝対早大について)インカレでは悔しい思いをしましたし、いつの時代も早大には負けられない。でも気負うことなく、自分たちのホッケーをしたい」

1ゴール1アシストを決めた牛来部門主将
「立ち上がりは良かったが、第1ピリオドで3点取り、第2ピリオドでは余裕が出てしまったのか、足が止まりシンプルなプレーができませんでした。選手の中に1人でも気持ちに余裕が出てしまったので、こういう結果になってしまったと思います。(自身の活躍について)流れが悪かったので自分が何とかしないと、思いました。個人技で得点を決められてよくできたと思います。(準決勝対早大について)早大は一生懸命走ってくるチーム。明大も今日の第1ピリオドのようなプレーが続けられればいいと思います。選手たちもインカレの雪辱という面で気合が入っているので、しっかりとやっていきたいと思います」

2試合連続完封勝に貢献したDF本野
「立ち上がりは良かったけど、第2ピリオドでは修正する部分が多かったです。やっぱり決めるところを決めないと雰囲気も悪くなるし、相手のプレッシャーも早くなってきたので自分たちのホッケーができませんでした。(完封勝利について)GKもよかったと思うし、1年生もよくやっていたと思います。ベンチではDF陣で、佐藤に完封させてあげよう、と声を掛け合っていました。体を張った守りができていたと思います。(準決勝対早大について)通算成績もよくないし、早大は走ってくるチーム。自分たちもそれを上回るぐらい走っていきたいです」

先制点を挙げたFW大津
「(先制点について)チームの中でもっと目立ちたいという意気込みが出たと思います。狙ってはいませんでしたが、ゴールへ貪欲に向かった気持ちが結果に表れたと思います。(準決勝対早大について)相手も走ってくるので、自分たちもそれに負けない走りができるように、1週間調整していきたいです。しっかりやっていけば明大を超えるチームはいないと思っているので自信を持って戦いたいです」

☆監督が選ぶ「今日のMVP」
FW大津、GK佐藤
「大津は先制点だけでなく、1試合を通じて足が動いていたし、運動量も多かった。佐藤は押し込まれた第2ピリオドでも流れをしっかりとつないだと思う。プレーに余裕が出てきたし、自信を持ってやれている」

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◆4・28 準決勝 対早大:14:30~
≫会場アクセス
・ダイドードリンコアイスアリーナ
――西武新宿線「東伏見駅」駅前