上級生も負けてない!4人が表彰台/全日本学生選抜
まず62㎏級に中田と原が出場した。
今回の減量が一番きつかったと話した中田は失敗をスナッチ1本のみに抑え、トータル246㎏で準優勝。「1本1本丁寧に挙げよう」とその心掛けがこの成功率につながった。今回はセコンドについた徐文平(政経4=北海道朝鮮)のサポートも大きな力になり「(先輩が)自信を出してくれて、やろうと思えた」と話した。過去最高のつらさを味わった減量で試合前は調子が上がらなかったというが「(減量の)きつさでやる気が出た」と精神的にも強くなれたという。しかし、記録は自己ベストに遠く及ばず「トータル250㎏はいきたかった」と悔しい表情も見せた。
昨シーズンはインカレで2部降格。悔しい思いをした。3年生となった今年、目指すものは1部昇格。「上級生として明治のために責任ある試技をする」と力強く意気込んだ。
中田に続き3位で表彰台に上ったのは2年生で唯一の出場となった原だ。1カ月前に腰を痛め、大会出場が危ぶまれた。しかし、試合ではケガを感じさせない見事な試技でスナッチ106㎏の自己新記録をたたき出した。久しぶりの新記録に本人も拳を挙げて喜び、表彰台でははにかんだ笑顔を見せた。今大会は「成功率重視を意識した」と話すように、原もまた6本中5本を成功させた。しかし「6本取りたかった」とジャークでの失敗が悔やまれる。
昨シーズンの前期はケガで試合どころか練習すらまともに参加できなかった原。今年は「練習も大事だけどケガをしないように」と昨年の後悔は繰り返さない。2年生になり「練習に専念できる時間がぐっと増えた」という。スーパールーキーから今年はチームのエースへ。原の成長に期待が懸かる。
69㎏級にはおよそ半年ぶりの試合出場となった吾郷主将が姿を見せた。久しぶりの大会で緊張もあったというが、試合ベスト記録で準優勝。主将の試技にチームも盛り上がりを見せ、大きな声援が会場に響き渡った。試合後には「久しぶりだから、記録的にはこれだけできたら良い」と自身の結果を振り返った吾郷主将。自身の記録に満足する部分もあるが、やはり「表彰台の1番上に乗りたかった」と悔しい気持ちもある。
昨季のインカレで2部降格となった明大。今季の1部昇格は「最低条件」と吾郷主将自ら気を引き締める。さらに6月の東日本インカレでは「優勝して1部でも通用する力を見せたい」とチームの活躍を誓った。
85㎏級でも高原が準優勝を果たした。彼もインカレ以来の出場となった今大会。「シーズン最初の試合だから自分の力を思い切り出していこう」。そう意気込んでプラットに立ったという。1位の選手とはトータル1㎏差で惜しくも2位という結果となったが、最後のジャーク162㎏では「やるしかない」と力強い試技を見せた。成功すると笑顔でガッツポーズ。会場を大いに盛り上げた。しかし自身の結果には「75点。6本成功して初めて100点」と厳しい評価を付けた。今大会スナッチ、ジャークともに1本ずつの失敗を許した高原。ジャークの3本目で162㎏を挙げられただけに、2本目の160㎏の失敗は「いらなかった。悔いの残る失敗」と肩を落とした。
前日の東日本学生新人戦で優勝を果たした同階級の西岡翔吾(政経1=洲本実)には日々、刺激を受けているという高原。「先輩として負けられない。先輩である以上、後輩より強くなきゃいけない」と、そんな意識が今大会の結果にもつながったという。
94㎏級には敦見康平(営3=明石南)が出場した。インカレを終えて2部降格を受け、競技に対し熱くなれなかったという敦見。「何のためにやってるんやろう」。自分自身が分からなくなった時もあった。練習意欲も湧かず、調子も上がらない。この数カ月はただ時間だけが過ぎていった。答えが見つかるわけもなく、迎えた今大会。「順位は関係ない」と特に意識はせず、自分の試技をするだけだった。常に課題である成功率は「いつもよりまし」と3分の2。しかし、結果は最下位の6位。「他の選手とのレベルの差」を痛感した。
「調子戻さなやばい」。今大会の結果を受け、吹っ切れたという敦見。レベルの差を感じると同時に、自分自身に恥ずかしさも感じた。「本気でやろう」。またここから新たな挑戦が始まる。
今大会、出場した5人中4人が表彰台に上った。幸先の良いスタートを切ったといえるだろう。「この冬は鍛え込んできた。個人競技だけど、まとまっていかなくてはいけない」(本多監督)。全ては1部昇格のために。6人の新戦力も迎え、4学年がそろった明大。今シーズン、吾郷主将を筆頭に目指すのはもちろん1部昇格だ。明大ウエイトリフティング部の熱い戦いが幕を開ける。
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