(2)競技説明
第85回全日本学生スキー選手権大会が2月21~29日に開催されます!今年の開催地は岩手県。ノルディック種目(ジャンプ・クロスカントリー・コンバインド)は八幡平市で、アルペン種目は雫石町でそれぞれ競技が行われます。ゲレンデリポートSeason5では、明大スキー部の注目選手を紹介していきます!
第2回は各競技のルールなどを紹介します。
【ジャンプ部門】
本学のジャンプ陣は、昨年インカレでは表彰台に上がることができず悔しい思いをしたものの、大学屈指の実力を持ち「明大飛行隊」としてその名を馳せている、伝統ある部門だ。
ジャンプはただ遠くへ飛べばいいというものではない。「飛型点」と呼ばれる点が存在し、飛躍時の姿勢と着地時の姿勢の安定度を評価され、この飛型点と飛距離の合計得点で順位が決まるのだ。5人の審査員がそれぞれ20点満点の持ち点で評価する。(うち、公正を期すため最高得点と最低得点を除いた3人ぶんの得点を集計する)
このジャンプ競技だが、選手の技量はもちろん、天候に左右されやすい競技でもある。風向きや降雪量などによってコンディションが異なるため、雪質や風向きをよく把握しておくことが重要となる。
非常に迫力があり、スキーの花形種目ともいえるジャンプだが、どんな状況にも対応することができる屈強な精神力が必要となる競技だ。
昨年のインカレでは成田(政経2)と横川(政経2)の、当時1年生の2人が「ジャンプの明治」の看板を背負って臨んだ。1年生だけで支えとなる存在がいない中奮闘したが、個人戦では成田が10位、横川は18位と振るわない結果に終わった。表彰台を狙える実力を持つ2人だけに、悔しさを人一倍味わった。この悔しさをバネに、高校時代にインターハイ準優勝の実力を持つ期待のルーキー・高梨(営1)も加え、明大飛行隊は今年はさらなる高みを目指す。
【クロスカントリー部門】
アルペンのように傾斜を滑り降りるのではなく、クロスカントリーは平らな道や登り坂など、アップダウンの激しいあらゆる雪道を駆け抜ける競技。スキー板と自身の体力のみで雪山に挑むクロスカントリー競技は、スキーを操る強靭(きょうじん)な肉体とスタミナが必要とされる種目で、距離もさまざまで長いものは30㎞にも及ぶ。粘り強さが求められる競技性からか、選手の練習量では他部門の追随を許さないほど。またスキー板は操りやすいように幅が細く、非常に軽い素材で作られており、スキー板選びは重要なポイントとなっており、冷静な分析力と状況判断が必要不可欠だ。
クロスカントリーの走法は足を逆ハの字に開き、スケートのように左右交互に踏み出しながら進む「フリー走法」と、スキー板を平行に保ちながら走る「クラシカル走法」がある。また、短距離をクラシカル走法で競う「スプリント」という種目もある。ルール自体は単純明快で、決められたコースをいかに早く走り終えるかを競う競技だ。
インカレ最終日には10㎞×4リレーが行われ、まさに雪上の駅伝。酷寒の雪道で、選手たちはおのれの精神力とスタミナとの戦いとなる。
昨年特に活躍が顕著だったクロスカントリー部門。10kmフリーでは杉沼(政経3)と三浦(営3)の2人が大活躍した。特に三浦は3位と表彰台に上がるほどの成績を残し、明大全体が歓喜に沸いた瞬間だった。
今年もさらにレベルアップした2人の活躍に期待が懸かる。また、2人を追って明治に入学を決めたという三上(政経1)、正野(商1)、山石(政経1)のルーキーの滑りにも注目だ。
今年もさらにレベルアップした2人の活躍に期待が懸かる。また、2人を追って明治に入学を決めたという三上(政経1)、正野(商1)、山石(政経1)のルーキーの滑りにも注目だ。
【アルペン部門】
昨年まで全日本学生選手権で行われていたアルペン種目は、回転(SL)、大回転(GS)、スーパー大回転(SG)の3種目。この3種目の違いは、旗門の間隔による。最も旗門と旗門の間隔が狭いのが回転、次に間隔が狭いのが大回転、最も間隔が広いのがスーパー大回転である。旗門を通過できなかった場合は失格。特に、旗門と旗門の間隔が狭い回転では、旗門不通過となるケースも多い。回転、大回転では2本の合計タイムを争うが、スーパー大回転は1本のタイムを争う。なお、今年はスーパー大回転が行われないため、2種目となる。
明大のアルペン陣は、西村(政経4)、中根(営4)、國分(商3)、齋藤(政経3)、髙橋(政経3)、沖野(文1)の6人。西村は前々回大会の大回転、10位で入賞した。今年は1人でも多く入賞者を出したいところだ。
【コンバインド部門】
コンバインドはジャンプ競技とクロスカントリー競技の2種目を合わせて競う。ノルディック複合ともいう。ヨーロッパではこの種目の王者を「KING of SKI」と呼ぶ。
コンバインドには2種類の競技方法がある。まずはジャンプを先に行うグンダーセン方式。主にこの方式の大会が多い。最初にジャンプを1本飛ぶ。その得点はジャンプとほぼ同じで飛距離と飛型点で算出される。その得点差をタイム差に換算して次にクロスカントリーを行う。クロスカントリーはフリー走法で10km走る。ジャンプの成績がトップの選手が最初にスタートし、以下は換算されたタイム差(1ポイントあたり4秒)により、スタート。そのため、先頭の選手がその視点のトップとなりゴールした順位がそのまま個人の総合成績になる。
一方、クロスカントリーから行うマススタート方式もある。クロスカントリーを全員同時にスタートし、タイム差を得点に換算。次に最下位だった選手からジャンプを2本飛ぶ。ジャンプは飛距離をそのまま得点とし、飛型点はない。しかし、転倒すると減点される。
このようにジャンプとクロスカントリーの2種目で競うため、コンバインドはジャンプでの瞬発力、クロスカントリーでの持久力を必要とし、総合的な運動能力が求められる。そんな難しい種目であるが、柴草(政経1)は「2つのバランスが大事でジャンプで逃げ切ることもできれば、クロスカントリーで逆転もできるという所がゲーム性があって面白い」とコンバインドの魅力を語る。
明大でこの種目に取り組んでいるのは越智(政経4)、山﨑(営2)、柴草の3人。昨年のインカレでは山﨑の18位が最高順位とポイント獲得とはいかなかった。しかし、越智、山﨑ともにケガを抱えていたため本領を発揮できていないのが本音。今年はまず、ポイント獲得を目指す。ルーキー柴草はシーズン初戦となった大会で明大陣の中でトップの成績を出しているため、インカレでも活躍が期待される。
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