残り13秒の悲劇…早大に敗れ、インカレ連覇の夢散る/日本学生氷上競技選手権大会

 こんな結末を誰が予想しただろうか。昨日の劇的な逆転勝利から一夜明け、早大との準決勝に臨んだ本学。第3ピリオド終盤まで2点をリードしながら、残り13秒のところで同点に追いつかれゲーム・ウィニング・ショット戦の末に敗退。インカレ連覇の夢が散った。

 第1ピリオド開始早々にペナルティを重ね、3対5と数的不利な状況に立たされた本学。このピンチを守り切ることができず、早大に先制点を許してしまう。ここぞとばかりに猛攻を仕掛ける相手に対し、その後はGK伊藤(政経2)が冷静に対応。さらに、得点には至らなかったものの、終盤には好機もつくり出し、良い流れで第2ピリオドにつないだ。

 本学の得点ラッシュに沸いた第2ピリオド。序盤からペースをつかみながらも決定打に欠けていた本学だったが、中盤の9分38秒、パックを持った本野が相手選手を引き付けると、その間にフリーになっていた小原にパス。これを小原がきれいに決めて、試合を振り出しに戻した。その直後には自陣でボールを奪った金が上体を崩しながらもパックをゴール前へ。最後は上野が押し込み、逆転に成功。さらに終了間際の牛来のゴールで3-1とリードを広げた。

 第3ピリオド序盤は追加点こそ奪えなかったものの、GK伊藤の好セーブもあり、このまま本学が逃げ切るかに思われた。しかし、次第に足が止まり始め、15分過ぎにキルプレーで失点を喫してしまう。さらに、GKを下げて6人攻撃を仕掛けた相手に押し込まれ、ついに同点。残り時間はわずか13秒だった。その後4人制で5分間の延長戦に突入したものの、勢いづいた早大の攻撃を食い止めるのが精一杯。互いに無得点に終わり、勝負はゲーム・ウィニング・ショット戦に持ち込まれた。本学は2番手の本野が決めたが、小原、上野がはずしてしまう。早大も成功は1本のみ。勝負は2巡目までもつれ込んだ。本学は1巡目で唯一成功していた本野を送り出すが、失敗。早大は第3ピリオド終了間際に同点ゴールを決めた寺尾が成功し、この瞬間、明治の連覇への道が閉ざされた。

 「何も実感がない」(角橋部門主将・政経4)。それが正直な感想だろう。誰もが疑わなかった本学の勝利。つかみかけた勝利はあっという間にその手からこぼれ落ちた。

 チームは今日、東洋大との3位決定戦に臨む。「4年生は明治のいいものを下級生に伝えるような、下級生はいい形で4年生を送り出せるような試合をしてほしい」(監物コーチ)。このチームで戦う最後の試合。勝って笑顔で終わりたい。