
0ー3で悔しい準優勝/全日本大学選手権
前半は開始から専大が圧倒的な攻撃力を見せるも明大は堅い守備でしのぎ攻撃に移る展開に。11分には楠木(営4)のファウルによりゴール前でフリーキックを相手に与えてしまうが体を張って守り切る。そして30分、右サイドで田中(恵・営4)が相手に倒されてフリーキックのチャンスを迎える。これを宮阪主将(文4)が蹴るもゴールにはならず。しかしここから明大のペースになる。32分には三田(政経3)のパスを受けた阪野(商3)は飛び出したGKをかわしクロスボールを上げる。これはDFに止められてしまうが明大の攻撃は続く。34分には岩渕(文3)が自らボールを運びシュートも枠外。さらにチャンスは続き35分にはゴール前の阪野がバックパスでボールを岩渕に渡し、シュートもGKのファインセーブに止められ先制点を取ることができない。このまま得点を奪えず0-0で前半を折り返す。
後半立ち上がりは攻守が激しく変わる激戦に。6分には三田のクロスボールを中央で回して最後は田中(恵)がヘディングシュートもGKに止められる。逆にこの直後の8分、相手に低いミドルシュートを打たれ先制点を奪われてしまう。そして失点後から徐々に専大ペースに。早く追いつきたい明大は18分に宮阪主将が右からクロスボールを上げるがDFにクリアされてしまう。このプレーから専大は素早く攻め上がりシュートを打つ。一度は高木(文4)が足で止めたものの後ろにそれたボールを押し込まれ追加点を許した。23分にはコーナーキックが3回続くものの得点には至らない。ここで明大は攻撃陣を入れ替え、梅内(政経2)、石原(政経1)、野間(商2)を続けて投入し流れを変えようとする。そして33分、宮阪主将がボールを奪いゴール前の阪野にスルーパス。阪野はターンしてシュートも決まらずコーナーキックになる。だがこの明大のコーナーキックから専大がカウンター。高木と1対1になり、かわされ失点。3―0と専大に突き放されてしまう。まずは1点を返したい明大は守備の要である丸山(文4)自らが攻撃に参加する。38分には左から丸山がクロスボール。阪野のボールを浮かせたシュートも相手GKのファインセーブに阻まれる。ロスタイムに入っても専大の攻撃は止まらないが宮阪主将、高木は声を出し続ける。丸山も最後まで最前線に飛び出してチャンスを作ろうとあきらめないが試合終了のホイッスル。終わった瞬間に選手たちはしゃがみこみうつむく悔しい結果になった。
・神川監督
「大会を通じて劣勢な中でも失点しなくなりだいぶ守備が安定してきた。1週間しか準備期間がない中で守備の構築をしっかりしながらサイドアタックに磨きを掛けた。実際に近大戦、仙台大戦、慶大戦と上手くできていた。選手たちが良くやった。本日のゲームは専大の超攻撃的なサッカーを我々がどれだけしっかり守っていくことができるかその中で数少ないチャンスをいかにものにできるか、それが私たちの構想だった。前半0―0で折り返して私たちのゲームプラン通りだった。後半私たちが少ないチャンスをものにできればという中で逆に専大に決定的なチャンスを入れられてしまい、専大が有利にゲームを進めたと思う。最終的に得点差が開きましたが90分を通じて決して明大が専大に著しく劣っているチームだとは思わない。多くのお客様が集まった中で大学サッカーの決勝にはふさわしいゲームになったのではないかと思う。この敗戦を次にどう生かしていくかこれが私たち明大の選手たちとこれから卒業していく4年生の課題。
国立のピッチに連れてきてもらったことはめちゃくちゃうれしい。思い切って負けたんだから仕方ない。専修が強かった。ゴール前でフリーでシュート打たせてもらえなかったし、何よりメンタルが強かった。やろうとしているサッカーがなかなかできなかった。ただ、専修は試合をやっている我々としてはポテンシャルがすごく高いチームだとわかっていたし、お互いが切磋琢磨(せっさたくま)することが大学サッカーにとっていいこと。
今後は上ばっかり見てても、と思うしまずは自分たちのサッカーの質を上げることを考えたい。4年生が卒業してたくさん選手が抜けてしまうし来季は0からやる気持ち」。
・宮阪主将
「国立の舞台に2年ぶりに立てて、ありがたいという気持ちがある。4年生全員の気持ちも含めてピッチで戦ったが結果が出なくて残念。前半はすごいいい戦いができたと思うが、1点取られてから自分たちも取り返しに行ったらDFを崩されてしまって結果的に3-0になってしまった。(事前インタビューでリベンジと言っていたが)リベンジはできなかったが、後輩には専修にだけではなく勝ってほしいと思う。この悔しさをJリーグの舞台でぶつけられるようにしっかりと準備してやっていきたい」。
・高木
「3点も失点してしまったので素直に悔しい。相手はすごくうまくて、臆することなくつないできたり仕掛けてきたりした。そういう部分で相手のほうが上だったの自分たちも見習うべきだと思う。前半はうまく締められたが、後半は耐えられなくて後手後手をふんで、うちも前掛かりになったこともあって、そこをうまく突かれた。正直結構やられた感があったので悔しい。手の内を知る相手だったのでやられたくなかったというのもあったし、それ以上に相手が実力を出してきたというのもあったが、そこは相手を認めるべきだと思う。専大は、攻撃陣だけじゃなくてSBとかも含めてボール回しがうまいのでなかなかボールの取りどころを限定できなくて、そういう部分で後半に捕まえきれなくなって、サイドハーフとかにうまく持ち込まれたのが失点につながってしまった。相手は全体的にポゼッション能力が高いし、個人で打開できたりもするのでなかなか手に負えなかった。(これで大学4年間の試合すべてが終わったが)最後だったが、いつも通りやってたので特別悔しいとかいうのはない。今までやってきた結果で、今日こういう差が出てしまったし、反省する点もあった。僕は次のステージがあるので、そういうところにつなげていきたい」。
・豊嶋(政経4)
「(ベンチから見ていて)皆頑張ってくれてた。自分と代わって出た松藤が負けた後すみませんでしたって言いに来てくれた。ただ出られなかったけど勝ちたかった。それまでケガしそうだったけどもってて、準決勝で完全に肉離れを起こしてしまった。でも試合に出てた選手は出れなかったメンバーの分まで頑張ってくれてた。調子も良くて体もキレてたから決勝に出たかったけど・・・。(リーグ戦は苦戦する時期もありましたが?)今年のチームは危ない時期もあったのが今日国立に立てた理由。サッカー以外の面で4年生はまとまれた。危ない時期がチームを強くしたと思う。(4年間振り返って)明治大学で良かった。1、2年の時は辛い時もあったけど。(後輩に向けて)明大は努力すれば試合に出られるからくさらず頑張ってほしい。今年は総理大臣杯3位、リーグ2位、インカレ2位だったけど来年はそれを全部超えてほしい」。
・丸山
「点を決められてからは自らの判断でボランチの位置まで上がった。選手がメインでやっていて三浦コーチも自由にやれと言っていたので。後ろにリスクが出てくるけど1対1で負けなければいけると考えた。専大の6、10をつぶせば自分たちに勝機があると考えた。決めるところを相手は決めて、うちは決めるところを決められなかったからこういう結果になった。今日国立で味わった悔しい気持ちはなくならないと思うのでこれをばねにプロでもやっていきたい」。
・田中(恵)
「前半はうちのペースだったしディフェンスもはまっていた。ただ失点してから前掛かりになって連続失点してしまった。絶対勝ってやるって気持ちできてたから悔しかった。2点取られても追い付くチャンスはあったけどチャンスの数も向こうが上だった。前半で点取れてたら良かった。インカレを通してリーグ以上にまとまる方向性をつくってやってこれた。チーム全体で戦ってるという感じだったしチーム一丸でやってこれた。チーム一丸で、というのは明治に入部した時からそう言われてきて4年になってさらに大事にやってきた。応援も含めてみんなが協力してくれた。自分はケガとかもあって迷惑も掛けたけど4年一人一人がしっかりしてたし、タイトルは取れなかったけどいいチーム、組織として終われたと思う。(サッカー部に)入った時は本当にきつくて、でも上の学年になるにつれて先輩とか上の人の思いがわかるようになった。チームに対する意識が変わってきて3年になる時には明治が大好きになってた。今はチームに関わる全ての人に感謝したい。4年間で一番印象に残っているのはリーグ優勝した時(3年次)。タイトルを取るのはすごく気持ちよかった。(自分にとってサッカーとは)普段の生活では味わえない感動や興奮がある。そのために努力するし努力が報われた瞬間が最高。だからやめられない」。
・三田
「結果3―0だったが前半結構チャンスがあってそれを決めきれていれば変わったと思う。大舞台で緊張していた選手もいたしいつものプレーをできていない選手もいた。自分はそういうところでも変わらずプレーできる選手になりたい。来年に向けてリベンジしたい。(個人としては最優秀MFに選ばれたが)後半は足をつってしまい全然良いプレーができなかったので選ばれるとは思っていなかった。これからは最終学年なので最後までずっと良いプレーができるようになりたい。来年度は3冠を取りに行く。リーグ戦、総理大臣杯、インカレを優勝していく」。
・阪野
「今日はボールをあんまり収めることができなかったのでそこが一番悔しいです。チャンスがあったのに決めれなかったのも悔しい。個人的には自分が決めるところで決められなかったのが敗因だという思いが強くて、チャンスで点を決めるという今後の課題ができた。今日の悔しさを来年優勝して晴らすという目標もできた。個人的には来年はベストFWに選ばれたい。来年はリーグ戦も総理大臣杯もインカレも優勝してしっかり勝って行けるチームにできたらと思う」。
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