2回戦、準々決勝を勝利。連覇へ向け大きな前進/日本学生氷上競技選手権大会
平13~17の5連覇以来となる連覇へ、大量2ケタ得点で好発進を決めた。大学日本一を決めるインカレ初戦の相手は、関東大学リーグ3部にあたるディビジョンⅡの覇者・青学大。「ただ勝つのではなく、今後勢いづいていくために内容が大事」(角橋部門主将)と格下相手に気持ちを引き締めて臨んだ初戦は13得点の圧勝。1試合を通じて攻守に力の差を見せつけ、幸先のよいスタートとなった。
慎重な入りとなった第1ピリオド。「インカレの初戦だけあってみんな動きが固かった」(角橋部門主将)と足を使ったプレーをすることができず、なかなかリズムをつくりだすことができない。05:37には小原が遠目から放ったシュートを本野がコースを変え先制点を奪うも、チャンスをものにできない場面が多く、不完全燃焼のまま第1ピリオドを終えた。
自分たちのリズムをつくりだしていきたい第2ピリオドだったが、開始早々に失点を喫してしまう。それでも自力に勝る明大は東京・東伏見よりも広い白鳥アリーナのリンクを有効に使い、相手を自陣へとくぎ付けにさせた。第2ピリオド中盤には赤坂、本野がそれぞれ今日2点目となるゴールを決めるなど、第1ピリオドでは固さが見られた選手たちの動きにも躍動感が見られるように。自分たちの流れで試合を進めていくことができるようになり、良い形で第3ピリオドへとつなげていった。
選手たちの固さが抜けてきた第3ピリオドは怒涛(どとう)のゴールラッシュに。開始10分までに2点を加えて迎えた第3ピリオド終盤。体力的にきつくなり、足が止まってきた相手に対し、明大は格の違いをまざまざと見せつけた。14:01の上野のゴールを皮切りに約2分間で4得点。「第3ピリオドからは固さもとれて、よく動けていたと思う」(角橋部門主将)と自分たちが持っている力をいかんなく発揮し、初戦を難なく勝利した。
「初戦にしては上出来。最初は少し足が重かったけど、みんなよく走ってくれた」(監物コーチ)と納得のスタート。特にこの試合では、1ゴール1アシストを決めた木村をはじめとした4セット目の選手の活躍も目立ち、選手層の厚さも感じる事ができた。インカレは3日間で4戦をこなす短期決戦。それだけに初戦で良い流れをつくりだせたことは大きい。次の相手は関西大学王者・関大。「誰かがさぼるとやられてしまうので集中していきたい」(監物コーチ)とチームはこの勝利に気を緩めることなく、連覇へと向け次の戦いに挑んだ。
☆試合後のコメント☆
監物コーチ
「初戦にしてはよかったと思います。最初はちょっと足が重たかったけど、よく走ってくれました。攻撃に関しては少し止まってプレーすることが多かったけれど、木村や赤坂といった4セット目が良い流れをつくってくれたと思います。(次の関大戦について)守備がシステム重視だが集中力を切らさずにやっていけば勝てると思います」
FW角橋部門主将
「4セットで回していたのでインカレ初戦ということもあって、最初はなかなか足を動かしていけなかったです。だからリズムも良くなかったと思います。第3ピリオドくらいからはみんな動けていて良かったです。反省点は各セットそれぞれあると思うので、しっかりと修正しないといけないです。(次の関大戦について)重要な一戦だし、なめてたらやられてしまうと思います。だけど試合前から気持ちを高めていって普段通りやっていけば大丈夫だと思うので、しっかりとやっていきたいです」
☆コーチが選ぶ「今試合のMVP」☆
1ゴール1アシストをマークしたFW木村
「ゴールにアシストによくやってくれました。これも4年間しっかりと努力してきたから。インカレ初戦で今後に向けて良い流れをつくってくれたと思います」(監物コーチ)
【準々決勝 対関大戦】
初戦の勢いそのままに勝ち進みたかったが、第1ピリオドで2点を先行されるなど厳しい試合に。一時は敗戦濃厚まで追い込まれたが、第3ピリオドに3点を奪い逆転に成功。明日の早大戦に向けて弾みをつけた。
先制点を奪い楽に試合を展開したかった第1ピリオド。開始5分までは互いに激しいプレスのかけ合いで、緊迫した立ちあがりとなった。なかなかゴールに迫れずにいると、06:39に欲していた先制点を奪われてしまう。DF陣の意識が突破を許した右サイドに集中してしまい、逆サイドがガラ空きに。この空いたスペースにラストパスを出されてしまい、フリーでシュートを打たせてしまった。気持ちを切り替える隙も無く、08:59にもゴール前の混戦から追加点を奪われ、2点のビハインドを負った状態で最初の20分間を終えた。
第2ピリオドはとにかく追いつくべく、序盤から攻め立てる。しかし組織的な守備に阻まれ、思ったようにシュートを打たせてもらえない。また、チャンスを作ってもペナルティを犯してしまい、流れを断ち切ってしまう。攻めながらも得点が奪えず、選手たちにも焦りの色が見え始めてきたが、14:06にようやく実を結ぶ。佐藤(光)が放ったロングシュートは弾かれたものの、山田がゴール前に詰めて泥臭く押し込んだ。このまま畳みかけたいところだったが、第2ピリオド終了間際に加点され、リードを保たれたまま最終ピリオドを迎えることになってしまった。
このままでは終われない第3ピリオド。角橋部門主将が「ここまで1つのパックに夢中になれたのは初めて」と語ったように、チーム全体が一丸となって怒涛(どとう)の攻撃を見せる。05:06に左サイドに開いていた上野がゴール左隅に突き刺して、反撃ののろしを上げると流れは完全に明大に。13:26にはゴール前に抜け出した木谷が冷静に決め、ついに同点に追いつく。そして試合終了まで残り1分半、ついに試合をひっくり返す。相手のパスを山田がインターセプトすると素早く右サイドの上野へ繋ぐ。右サイドを駆け上がった上野がDF2人をフェイントでかわすと、逆サイドへパスを送る。これを受けた梶原が豪快に叩き込み、劇的に試合を決めた。
リーグ戦と違い、トーナメント戦では絶対に負けは許されない。このような短期決戦では、ほんの少しの気の緩みが命取りとなる。この勝利に満足することなく、勝利への貪欲な気持ちを持って明日の早大戦に臨んでもらいたい。
☆試合後のコメント☆
監物コーチ
「2回戦からということで楽に勝てる試合はありません。厳しい戦いでしたが誰も諦めることは無かったです。1、2ピリオドは個人プレーに走り過ぎてしまいました。3ピリオドは足を止めることなく、チームプレーに徹すれば勝てると信じていました。(今日は2試合連続で、明日も試合があるが)問題ない。合宿でも1日に2ゲームを行うなど体力面の対策はやってきました。インカレはどことやっても決勝だと思ってやっています。だけど、今日のように受身になってしまうと今回のように苦しくなると思います」
FW角橋部門主将
「良い意味で力が抜けたかと。口では厳しい戦いになると言っていたが、心のどこかで油断していたのだと思います。まあ、明治らしいですよね。この試合で、明日どうしなきゃいけないか分かったと思う」
決勝点を挙げたDF梶原
「全体的に良くはなかったけど、技術面では負けないとみんな信じていました。(逆転ゴールは)気持ちだけで打ちました。正直な話、キーパーもゴールも見えていなかったです。明日も絶対勝ちます。先輩方に頼ることなく、がつがつといきたいです」
☆コーチが選ぶ「今試合のMVP」☆
劇的な逆転ゴールを決めたDF梶原
「逆転すると信じていたが、まさか梶原が決めるとは思ってもいませんでした。今朝、初ゴールを記録しましたが高校でもインターハイなどで活躍していたし、力はある選手なので、良いところでやってくれました」(監物コーチ)
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