インカレ開幕! 開催都市苫小牧はどんな街? (16th Period)

 今年で84回を迎える日本学生氷上競技選手権大会。本大会は参加校77校、1000名を越える学生たちが、優勝目指して競う大会だ。苫小牧では4年振りとなる開催だ。ここ苫小牧は「氷都」と称されるほどスケート競技が盛んな街。そこで、本誌記者は開催地苫小牧がどのような街か調べてみた。

 ここ苫小牧は北海道の西南、札幌の南に位置する町だ。人口はおよそ17万4000人(2011年11月時点)。過疎化が進む地方都市の中で人口が増えている稀有な街だ。そして町の象徴は王子製紙の煙突。1910年に操業が開始され、100年以上の歴史を持つ製紙工場だ。この苫小牧のいたるところに「王子」の文字が冠されており、王子製紙の企業城下町として栄えてきた。それだけでなく日本有数の港湾をもち、自動車産業や石油精製など道内随一の工業都市として栄えている。さらに「氷都」と称せられるだけに市内に5か所のスケート施設が立地している。そして市長の岩倉博文氏も立教大学のアイスホッケー部出身とまさに「氷」の街だ。苫小牧は太平洋側に位置しており、他の北海道の地域に比べ積雪が少ないため、スケート競技が盛んである。他にスケート競技が栄えている都市(釧路、八戸、帯広)なども太平洋側に位置している

 この苫小牧についてより詳しく知るために本誌記者は、苫小牧観光協会の事務局長でいらっしゃる丸茂均氏にお話を伺った。

 「この苫小牧の特徴はやっぱり王子製紙ですね。王子と共に生きてきた街ですから。もう一つはスケートですね。昔からスケートが栄えてきた土地柄ですから。この街は王子製紙の実業団であるイーグルスがあったり、スピードスケートの五輪選手を輩出してきました。学校の校庭にリンクがあるなど、野球かアイスホッケーが子たちの中では人気のスポーツです。いまは少子化の影響で競技人口が減りつつありますが、昔は市内の20校以上の小・中学校で市内大会を行っていました。この街には駒大苫小牧高校などアイスホッケーの強豪校があります。そういったところから東京の有名大学に生徒が進んでいく事はいいことだと思いますね。
 
 ここ苫小牧で見ていくもの、食べていくものを挙げるとするならば、まずホッキ貝があります。苫小牧はホッキ貝の水揚げが日本一を誇ります。刺身やバター焼きカレーや炊き込みご飯などの食べ方があります。私のお勧めは炊き込みご飯ですね(笑)。あと銘菓の「よいとまけ」があります。ロールケーキにジャムを塗ってグラニュー糖をまぶしたお菓子です。これがテレビで日本一食べにくいお菓子として紹介され、全国から問い合わせがきましたね。これに使われているのがハスカップという木の実です。苫小牧周辺の農家が栽培しておりまして、ジャムなどが作られています。

 あと北海道全体の魅力でもありますが、苫小牧は工業都市ながら自然が豊かです。市内にあるウトナイ湖では白鳥に250種類を越える渡り鳥を見ることが出来ます。世界的にも珍しい三重式火山である樽前山は夏に登山できます。また日本全国を周遊するクルーズ船の寄港地としても苫小牧は利用されていまして、その船に同乗してPR活動なども行っております。このほかに海の幸が食べられる海の駅ぷらっとみなと市場やロシアの宇宙ステーションを展示している施設があります。苫小牧に寄られた際にはぜひ見ていってください。」
 
 このように苫小牧はスケートだけでなく、様々な観光資源にあふれる街だ。他の地方にはない北海道の魅力にあふれている。選手たちの熱い試合を見て、この街の魅力に触れてみることもまた一興だ。