高かった全国の壁… 4選手が出場も、勝利は相澤の1勝のみ/全日本選手権

2011.12.24
 全国の壁はやはり高かった。「ここに立てるとは思わなかった」(遠藤)と選手たちにとって最高峰の舞台・全日本選手権。明大からは、今年行われた各大会で結果を残した4人が出場した。しかし、勝利は相澤が初戦で挙げた1勝のみ。日本のトップレベルとの実力の差が明るみになった。

《1日目》 
 「情けない」と落胆の色を見せたのは徳山主将。5月に行われた全日本選抜選手権で5位に入り、今大会の出場権を得たが初戦で山本(花咲徳栄高)の前に0-2で敗れた。
 第1ピリオドは、バックなどで2ポイントを先取。しかし「様子を見過ぎた」と慎重になったことが裏目に出て、そこから4連続失点でこのピリオドを落としてしまう。第2ピリオドは開始早々技を決められ4失点。終了間際に意地で2ポイント返すも時すでに遅し。ピリオドカウント0‐2で無念の敗退となった。
 今春のJOCジュニアオリンピックで優勝した相手を「うまい選手だった」と認める一方で「負ける相手ではなかった」と悔しさもにじませた。

《2日目》
 相澤は全日本大学選手権で3位に入り出場。初戦こそ格下の相手に対し快勝するも、2回戦では藤本(警視庁)から1ポイントも奪えず敗れた。
 全日本選抜選手権5位の渡邊は初戦で「これまで一度も勝ったことがない」(渡邊)と苦手とする原口(山梨学大)とぶつかった。第1ピリオドは原口にペースをつかまれ0‐2で落とす。第2ピリオドはグランドの攻防に勝ち、ピリオドカウントを戻した。しかし「体力不足」(渡邊)が響いた第3ピリオドは技を繰り出せず0‐1。結局ピリオドカウント1‐2で惜敗した。

《3日目》
 今春のJOC杯を制し、今大会の出場権を得た遠藤が登場。だが初戦でインカレ3位の音泉(日体大)の前に「悪いところしかなかった」(遠藤)と1ポイントも奪えずフォール負け。「もっと集中していれば技を仕掛けられた。もう少し楽しみたかった」と後悔ばかりが残る、ほろ苦い全日本デビューとなってしまった。

 今大会をもってレスリング部は、今年度の公式戦を全て終えた。「勝ったり負けたりだった」(徳山主将)と成績に波のあるシーズンとなってしまった。大会ごとに聞かれたのは「勝つ執念が足りない」(岩山監督)ということ。どれだけ勝利にどん欲になれるか。精神面の成長が来季の浮沈を左右しそうだ。

☆元インカレ王者・宮原コーチが選手として参戦☆
 今大会には4人の現役部員の他にもう一人、明治のシングレットを身にまといマットに立つ選手がいた。全日本選抜選手権で5位に入った宮原章氏(平21営卒・現明大コーチ)だ。大学4年次にはフリースタイル74㎏級でインカレ優勝の経験も持つ宮原氏は、コーチとして指導に携わる傍ら現役選手としても活躍する。この日は惜しくも初戦で敗れたが、第1ピリオドを奪うなど奮闘し健在ぶりを見せた。