
まずまずの総合3位、来シーズンを見据えた課題見つかる/東京六大学対抗競技大会
スプリントには和田(拓)主将と加藤(剛)が出場する。今大会は得意とするケイリンがないためこの種目に出場したという和田(拓)主将。やはり慣れない種目に違和感があったか、苦手とするスピードが上がった状態からのダッシュが今回も思うように伸びない。1/4決勝では内側にポジションを変えスプリントで一気に抜けに出るも車輪半分及ばず敗退を喫した。一方の加藤(剛)は出だし好調に予選を3位で通過する。しかし、「勝ちを狙い過ぎた」(加藤・剛)とこちらも1/4決勝では相手の後方に付けるもわずかに追い越せず。「出したいときに出せなかった」(加藤・剛)。勝負どころで実力が発揮されず肩を落とした。
ポイントレースではチーム内での注目度ナンバー1の成長株である金井が今回も期待に応える走りを見せた。ラスト15周目を1位通過で逃げ切り5点を奪取。そして最後も2着でフィニッシュし合計ポイント8点で3位入賞を飾った。それでも「優勝を狙っていたので素直に喜べない」(金井)と意識の高さはどの選手にも引けをとらない。「すごく伸びる走りをするからこれからも期待したくなる」(水野)とチームの誰もが注目する選手にまず金井を挙げる。「次の神宮クリテリウムでももちろん優勝を狙う」(金井)とさらなる高みを目指す姿はルーキながら力強い。
残る末永と面手はそれぞれ7位、10位と結果振るわず。「イメージのないままで、結果もそうなってしまった」(面手)と練習不足を今回の敗因の一因に挙げた。
スクラッチには出澤と市山が出場。序盤は両者共に集団後方からレース展開をうかがう。ラスト11周目あたりで早大と法大の選手が2人抜け出すと、市山がそれに食らいつき3着につける。「いい逃げに乗れたのが良かった」(市山)とレースはこのまま進み最終回を2着でフィニッシュ。優勝こそ逃してしまったが2位入賞を果たした。「大学ではどんどん逃げていこうと考えていたので今日はそれが初めてうまくいってよかった」(市山)。優勝できなかった後悔もありながらも自らの成長を実感したレースとなった。
一方の出澤はうまく逃げた市山を見てアシストに徹することを決心。途中で抜け出すチャンスはあったが、後方の入部(早大)が後方につけ力を蓄える。その状況を見て入部がゴール前で市山を捲(まく)るリスクを察知しペースをセーブ。出澤の見事な判断は奏功。2人で勝ち取った表彰台と言うにふさわしいレースを展開を繰り広げた。
今シーズン好調のチーム・パーシュート。「チーム・パーシュートのチームは自分が引っ張っていかないと」(出澤)。今季副将に選ばれた出澤がこの種目にかける思いはひとしおだ。今シーズン出澤を加えた西沢、中野、金井といつも通りのメンバーで今回も臨んだ。寒さからギア比を下げて挑んだが「案外調子が良かった」(出澤)と各々がチームメイトを上手く引いていく。バックスタートに早大を相手にしながらも「気にすることはなかった」と金井。結果も4分37秒91で2位と満足の表情を見せた。チームスプリントでも3位入賞と今大会はチーム種目での活躍が光った。
新体制となって今季はオフ期間の練習を伸ばした明大自転車部。昨年までのこの時期は「オフは休む期間」でありランニングが中心であったが、今年は「オフも走る」という意識を徹底させていく覚悟だ。「このままオフの取り組みを続けていけば結果が出ると思っている」(和田(拓)主将)。揺るぎない信念を実りあるものにするため、そして今夏のインカレの雪辱を来シーズンへの原動力にするため。新たな自転車部の指針はこの冬のオフシーズンに懸かっている。
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