完封するもインカレに向け課題が見つかる/関東大学リーグ戦

 1月に行われるインカレに向け、弾みをつけたいこの試合。前半は果敢に攻めるも、わずか1点にとどまる。しかし第2ピリオドに3点を奪うと、第3ピリオドに2点を追加し、6-0で快勝。今季リーグ最終戦にして初の完封試合を披露した。

 「今シーズンは毎試合立ち上がりが良くなかった」(監物コーチ)と、課題の立ち上がり。開始早々から上野がポスト直撃のシュートを放つなど、試合の主導権を握る。しかし、シュート本数は28-4で圧倒するも綺麗なフィニッシュに持ち込めず、なかなか得点を奪えない。第1ピリオド終了間際に、小原のパスから上野がなんとか先制点をもたらすも、物足りない結果となった。

 第2ピリオドも積極的に敵陣内へと攻め込む。しかし、あと1点が遠い。一度は入ったように思われた小原のシュートは、ノーゴールの判定。さらに07:30には、スルーパスに抜け出した上野が、キーパーとの1対1を決め切れないなど、もどかしい時間帯が続いた。試合が動いたのは08:31。相手DFの斎藤(日体大)がエルボーイングで2分間のペナルティを受けると、明治のパワープレイが始まる。ゴール前のパス回しで相手DFを崩すと、奥平がミドルレンジから豪快にシュート。パックは相手守備陣の間をすり抜け、ゴールへ吸い込まれた。

 このプレーでリズムを掴むと、10:22には3点目が生まれる。上野がゴール前でキープすると、空いたスペースに入り込んだ小原がパスを受け流し込む。17:15にも木谷が追加点を奪って、4点のリードを保ってこのピリオドを終えた。

 勢いこのままに攻め込みたい最終ピリオド。だが、相手DF陣が第2ピリオドの連係の乱れを修正してきたため、思うような攻撃ができない。ようやく、強固な守備陣の打開に成功したのは09:37。山田が得意のドリブルで左サイドを切り裂くと、焦った相手DFの陣形が崩れる。山田が中にパスを送ると、ゴール前に待っていた松本(理)が押し込んで5点目。「ずっと『決めろ』と言われて続けてきましたが、決めた瞬間は頭が真っ白になりました」(松本(理))と、うれしい初ゴールを記録した。さらに、13:23にはダメ押し点。ゴール前の混戦で弾かれたパックを上野が右サイドに流すと、待ち構えていた本野がガラ空きのゴールにたたき込み、6―0として試合を終えた。
 
実力の差を見せつけ完封勝ち。開幕当初から課題となっていたFWのDFゾーンでの守備は「意識できていた」(藤井監督)と、改善された様子が見受けられた。だが、シュート数が75-16と圧倒した割には物足りないスコアとなった。

今後の課題は「フィニッシュの精度」(小原)だ。今シーズン、どの対戦相手でもチャンスメークはできていたが、決めきれず敗戦につながった試合があった。一発勝負となるインカレでは1つの取りこぼしが致命傷となる。インカレに向けて残された時間はあとわずかだが、氷上の戦士たちの更なる努力に期待したい。

[髙村洋輔]

☆試合後のコメント☆
・藤井監督
「今日の課題はどれだけ点数が取れるかということだった。インカレに向けてしっかりしないといけない試合だったが、それほど点数を取れなかった。インカレではもっと取らないと厳しいかな。今日は守りを意識する時間は多くなかったが、0点に抑えられたのは良かったと思います」

・堅物コーチ
「今シーズンは毎試合立ち上がりが良くなかった。チームに波がありますね。悪い時間帯が最初にあるから、そこで全体の流れを持っていかれてしまう。トータルでクオリティの高い試合をしていかないと駄目。ですからインカレまでの残り1ヶ月の過ごし方は大事ですね。力が出せるような良い練習ができたら、明治は勝てます。インカレで勝敗を分けるのは、試合に臨むまでの準備ですからね。モチベーションの面でも、東洋戦で消されたゴールはインカレにつながってくると思います」

・FW角橋部門主将
「試合前にミーティングをして、何をモチベーションにするか、個人でも目的・目標を持って試合に臨めるかということを話して試合に挑んだ。今日は普段出ていないやつも出て、とても頑張っていた。目標としていた優勝は結局できなかったけど、後半戦が無敗ということは自信になりました」

・2アシストのFW牛来
「チャンスはたくさんあったけど、決め切れなかった。今日はセットのことを考えて試合に臨んだ。内容は悪くなかったし、無駄な試合をしたとは思っていないです」

・1ゴール1アシストのFW小原
「今日の出来は良かったです。攻撃は上手くいったと思うから、課題はインカレに向けてどうやって調整していくかです。でも、フィニッシュは良くなかったです」

☆監督が選ぶ「今日のMVP」☆
FW松本(理)

「今日は誰か一人をMVPに選ぶというよりは、みんなで勝った試合。今後に向けてという意味では、初ゴールを挙げた松本(理)かな。センターでもウイングでも使えるめどが立って良かった。リーグ戦の出場は少ないけど、インカレでの新戦力になります」

Next game 
◆12・4 オールスター戦:16:00~
≫会場アクセス
・ダイドードリンコアイスアリーナ
――西武新宿線「東伏見駅」駅前

◆平成23年度関東大学リーグ戦星取表◆(明治戦スコアをクリックするとその試合の記事をご覧になれます)
東洋大 早大 中大 明大 法大 日体大 勝敗 勝点 順位
東洋大 △4-4 ○3-2 ○5-1 ○4-1 ○12-1 7勝2分1敗 23
●6-7 ○3-1 △1-1 ○7-2 ○10-2
早大 △4-4 ●1-2 ○5-3 ○5-2 ○10-0 6勝3敗1分 19
○7-6 ●3-6 ●2-4 ○3-0 ○6-1
中大 ●2-3 ○2-1 ●3-7 ○4-1 ○5-0 5勝5敗 15
●1-3 ○6-3 ●2-3 ●3-6 ○5-0
明大 ●1-5 ●3-5 ○7-3 ○3-1 ○12-1 7勝2敗1分 22
△1-1 ○4-2 ○3-2 ○3-2 ○6-0
法大 ●1-4 ●2-5 ●1-4 ●1-3 ○9-1 3勝7敗
●2-7 ●0-3 ○6-3 ●2-3 ○9-1
日体大 ●1-12 ●0-10 ●0-5 ●1-12 ●1-9 0勝10敗
●2-10 ●1-6 ●0-5 ●0-6 ●1-9