試合終盤に勝利が手からこぼれジュニア戦初戦敗退/関東大学ジュニア選手権

2011.11.28
 ジュニア戦優勝に向けて負けられない戦いが続くトーナメント方式の2ndフェーズ。初戦は、1stフェーズで64‐12という大勝を収めた慶応との戦いとなる。「大差で勝っているので逆に怖い」(笠原・法4)と決して油断をしているわけではなかった。しかし、試合終盤に逆転を許してそのまま敗戦。これで4年生にとって公式戦に出られるチャンスは、対抗戦と大学選手権を残すのみとなってしまった。

 紫紺の明治とは異なるイメージカラーの白を基調としたユニフォームに身を包んだ選手。最初のチャンスは慶応に訪れる。ディフェンスラインの裏に蹴りこみ、そこから明治陣内に攻め込む。しかし相手のノックオンで事なきを得る。スクラムはフロントロー全員が4年生ということで安定している一方、ラインアウトは相手にカットされたりサインミスなどでなかなかマイボールにできない。両チームのペナルティーが増え始めると12分。先取点を取り落ち着きたい慶応はPGを選択し、3‐0と先制する。しかしその直後の14分、明治は相手のキックミスからカウンター。3か月ぶりの実戦復帰となるWTB小澤(営2)がFB村井(政経1)からパスを受け22mライン付近までゲインする。早い球出しから展開し途中ボールがこぼれるもSH田川(政経2)がつなぎ、SO長石倉がタップパスで余った選手に回してインゴールに入る。直前でまたこぼれるがサポートに入ったFL圓井(商1)が抑え逆転する。接点で上回るものの慶応も伝統のタックルで明治の攻撃を必死に防いだ。互いにノックオンやペナルティーが目立ち、決定的なチャンスを作れないまま時間が過ぎていく。35分には円陣を組むが流れを引き寄せることはできずに5‐3と僅差で前半を折り返す。

 前半と打って変わって後半はいきなり試合が動く。前半から目立っていた慶応の早いボール回しに明治ディフェンスが翻弄されてペナルティー。逆転を狙うPGを沈められ5‐6と1点差のビハインドに。直後の6分、今度は明治が遠めの距離からPGを狙うが「全部決める」と宣言していたSO長石倉のキックは大きくそれる。明治は前に出ていくディフェンスから流れを持ってきたかったが、逆に慶応に前に出るディフェンスをされ流れが慶應に傾いた。そして16分、飛ばしパスから大外に回されFB村井やWTB斉藤(農3)の手を逃れ、点差を広げる慶応のトライが決まる。6点差がついた明治であったが、我慢強く攻めこんでいく。すると安定感抜群の明治スクラムから出たボールをSO長石倉がパスダミー。一人振り切ると、ライン裏の選手もステップでかわしPG失敗の汚名返上となるトライを決めて23分、12‐11と逆転に成功。ミスが目立つものの一気に流れを引き寄せて、このまま明治の決勝進出が決まったと思われていた。しかし残り5分に慶應が意地を見せた。逆転するために次から次へとオフェンスに人が出てきて、明治ディフェンスが後手に回る。追いつけなくなってくると、37分にタックルで止めたところに素早くサポートに入られつなぎ、大外まで回されると万事休す。そのまま中央に持ち込まれてまたしても逆転されてしまう。ラストワンプレーでの逆転勝利を目指す明治であったが、この試合を象徴するようにノックオンをしてしまい、試合終了の笛が響き渡った。

 あと一歩のところまでいったものの目前で勝利を取りこぼしてしまった明治。明早戦に向けて少しでもチームの雰囲気を良くしたかった試合であった。にもかかわらず対抗戦の帝京大戦と同じように、1トライ1ゴールで逆転できる僅差での敗戦を喫する。しかし、随所に好プレーを見せた試合でもあった。この試合でBチーム以下の4年生は引退となる。あまり満足のいかない結果となったが、この思いはAチームの4年生が形にしてくれるだろう。

[今野春佑]

1.PR 楢山 直幸(営4)
9.SH 田川 明宏(政経2)←20.多田(62分)

16 牛原 寛章(政経1)
←2.郷(51分)
2.HO 郷 雄貴(文4)
←16.牛原(51分)
10.SO 長石倉 豪(営1)
17 山口 誠(営3)
3.PR 野崎 友晴(法4)
11.WTB 小澤 和人(営2)
18 寺田 大樹(文1)
←4.梁(40分)
4.LO 梁 哲盛(営3)
12.CTB 猿楽 直樹(政経3)
←21.幸重(67分)
19 友永 恭平(政経3)
5.LO 大椙 慎也(法1)
13.CTB 市原 祥平(政経2)
20 多田 潤平(文3)
←9.田川(62分)
6.FR 圓井 文也(商1)
14.WTB 斉藤 春樹(農3)
21 幸重 記(文2)
←12.猿楽(67分)
7.FR 笠原 卓(法4)
15.FB 村井 佑太朗(政経1)
22 加納 良太(文1)
8.NO.8 小河 康蔵(商4)