
北に復調の兆し/10000m記録挑戦会
昨年この挑戦会で自己ベストを更新した菊地は、故障に苦しんできた北とともに8組に登場。2人は早々に集団を置き去りにした。菊地は6000m付近まで北を引っ張り、1人抜け出してからもペースを落とすことなく28分台を記録。充実のレースとなった。北は菊地に離され1人になってからも粘り、設定タイムの29分40秒を上回る29分30秒台でまとめた。ここへ来て北が及第点の走りを見せたことは大きい。
2つの駅伝で快走した大六野、故障明けの八木沢は、設定タイムが28分20秒~29分00秒と速い最終組に登場した。堂本(日大)ら実力者もいる中で、大六野は先頭集団でレースを展開。5000m付近では一時トップに立った。6000mを過ぎてから先頭集団に遅れ、目標にしていた28分台には届かなかったが、最後まで粘った。
一方八木沢は苦しい走りとなった。序盤で集団から離れると、あごが上がり険しい表情を浮かべながらの走りに。課題にしていたという29分30秒には遠く及ばなかった。
~レース後のコメント~
山本コーチ
「菊地は上出来。かなり余裕もあったし。北が離れたら1人でいくという中で、本当にいい練習になった。練習で、しかも北を引っ張る役をしつつ28分台が出たわけだから。なかなかできないこと。評価できる。本人も自信になったと思う。北は後半菊地に離されたけど、やってきたものが違うから当然。そこまで離されなかったし、復活の兆しが見えたかな。大六野は先頭集団に離されたのは物足りなかった。29分前後くらいかなと思っていた。途中で1番前に出たりして少し力を使ってしまった。レースの流れを読むというか。でもそこはこれから勉強していけばいいし、大きな問題ではない。八木沢は故障上がりで初の1万mだったし、致し方ないというところ。ペースの速い組だったしね」。
菊地
「今日は魁道(北)を引っ張る役と、全日本あんな走りをしてしまったのでどういう走りができるかを確認するというレース。去年は7000mくらいまで藤本(国士大)さんに引っ張ってもらったレースだったので、今日は全部自分でいけて自信になった」。
北
「西さんには29分30秒、40秒でと言われていた。菊地さんがいいペースをつくってくれたので走りやすかった。春から不調で、その後故障をしてしまって。今回は故障明けで感覚をつかむためのレースだったので、内容としては悪くはない。今は調子の良し悪しまではまだ分からない。(今日は)感覚をつかむためのレース。きっかけをつかんで合宿でしっかり走りこんで、流れをつくっていきたい。そういう意味ではいいレースだった。(昨年三大駅伝すべてに走ったが、今年2戦走ることができなかったことに関しては)3つ出るために明治に来たといってもいいくらい。3つ出なくて、寂しかったというか、何のために明治にきたのかと思った。箱根は最低でも明治大学のために貢献できるような走りがしたい。2つの駅伝で出ていなくてためた分しっかり結果を出していきたい。 チームのみんな、西さんや鎧坂さん、菊地さん、家族、周りのみんなは「あと2年あるし焦らんように」と言ってくれたが、自分は焦る気持ちでいっぱいだった。箱根に向けて治ってきて、今からというところ。西さんも常に言っているが、鎧坂さんを生かせるように自分達がもっといい走りがしたい。(箱根では)去年失敗している。下級生もいるので自分がチームを引っ張れるような強気なレースがしたい。親にも迷惑をかけているので親孝行もしたい」。
大六野
「今日の目標は28分台を出すことだったので、自分の走りには満足していない。速いペースでどこまで押せるかを試した。先頭についていってゆとりがあったらラストに出る予定だったが、ペースが遅かったので積極的に前に出た。だが最後は足が思うように動かなかった。出雲・伊勢の走りには満足しているが、課題も見つかった。それは後半のスタミナとラストのスパート。今日も意識して走った。箱根でも生かしたい」。
八木沢
「自分のなかで課題のタイムを考えていた。29分30秒くらい。そのタイムにも全然及ばなかったので、今回は本当に……。何か少しでも得るものがあれば良かったが全く収穫もできないレースになってしまった。 ケガが明けて、別に調子が悪かったわけではない。しっかり走りたかったが、これが今の実力なのかなと思う。せっかく夏合宿で練習積めていたので、ケガによって練習の空白ができてもったいない、悔しいと思った。でも復帰してみて、練習を積んでいた分戻りは早いと感じている。箱根に向けてまだやるぞという気持ちは捨てていない。 箱根の前で故障明け、調子を上げていきながら、今どのへんにいるのかをつかめれば良かったが。それが分からないまま終わってしまい、残念。現段階の全力。大きな大会ほどの調整ではないが、それなりの準備はしてきた。練習を再開してから意外と上がってくるのが早くて、自分でもこれなら間に合うかな、というのはあった。でも今回走れなかった。(今季振り返ってみて)入学する前にある程度イメージしていていた1年があった。関カレは調子良かったが食中毒になりバタバタ。合宿前半は、箱根は距離が長いのでそれに対応させようとしていたが気持ちが出すぎてしまい走れなかった。全カレも走れなかったりで、思い描いてものとは違うものにここまでなっている。(駅伝2戦出れなかったが)ケガをするまでは走るつもりでいた。仲間が走っているのを見て、すごく悔しい思いもした。チームとしても満足のいく結果ではない。自分も早くケガを治して加わって、チームとしてもどんどん故障者が戻ってきて、全体として底上げがなされないとまずいのではないか。(1年生では)大六野が活躍していた。ケガをする前は(自分は)両方とも1区で想像していた。1区を走った2人を、自分と重ねていた。2人ともがしっかりと走っていたため、僕の力はまだまだだなと感じた。だからこの1年生たちとせっかく同じ年代なので、競り合いながら高めていければ。今回のレースは割り切ってできた。同じ組の大六野のことは意識していた。ライバル心は出てきた。(有村とともに入学時注目されていたが)プレッシャーというよりも、期待されているとうれしく善意で受け取って、明大の力になれるようにと思っていた。今日の感じだとまだまだ。でもまだ箱根まで1ヶ月ある。あきらめないで調整を進めたい。(同期は)みんな力がある。みんなで切磋琢磨(せっさたくま)して、ライバル心むきだしでいけばいい。みんなで強くなっていきたい。箱根も自分たちの学年で全区間走っちゃえというくらい貪欲(どんよく)にやっていきたい。(これからの目標)直近では箱根をしっかり走りたい。でも今日の結果じゃ分からないけれど。しっかり選ばれて、任された区間をしっかり走る。大学としても上位を狙っているので、その中で自分は区間賞を狙ってやっていきたい」。
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