
強豪相手に善戦繰り広げ、明大史上初の準優勝/関東大学選手権
「(ベスト4の)壁を破れた準決勝が印象に残っている」と中村主将は振り返る。例年破ることのできなかった壁を突破した準決勝は終始手に汗を握る展開だった。その相手は去年3位入賞の明海大を準々決勝で下した東洋大。先鋒の松本(法3)が手堅く得点し4-2で敵手を下し勢いづくかと思われたが、やはり一筋縄ではいかない。次鋒の金谷(法2)は相手に押され2-7と差をつけられてしまう。互いに譲らない緊迫した空気の中、この日これまで3試合で2勝1引き分けと負けを許さない中堅・清水(政経3)が相手の上段蹴りで1本を取られるも、有効ポイントを着実に重ね最終的に8-3の大差をつけ快勝。続く副将・堀田(商2)は積極的に仕掛けてくる相手に対し確実に狙い接戦となるも、5-7で敗戦。2対2で迎えた決勝進出を懸けた戦いで、大将・中村は序盤に有効の連続ポイントを決められ3点のリードを許すが、「とにかくチームのために戦った」と、粘り強く差を縮めていく。相手の警告によりポイントをもらうと流れは一転、試合も残りわずかのところで同点へ持ち越し、残り3秒で上段突きが決まり試合終了。主将の意地を見せつけた。
決勝では帝京大と対戦。準決勝までとは会場の空気も異なる中、初の舞台で先鋒・松本が決めた。にらみ合いが長く続き両者ともスキを見せなかったが、ここは明大エースの意地。確実に有効を決め相手の先鋒を5-1で下し圧勝した。勢いに乗りたいところだが次鋒、中堅と敗れ、副将の1年生・栗田(政経1)は相手の注意で3-4とあと1歩に迫るもタイムアウト。大将戦を前に惜しくも2位が決まってしまった。
それでも決勝進出は明大初の快挙。強豪との接戦の末、手にした栄光だ。準々決勝を決める3回戦では17という優勝回数を誇り、前年度準優勝の拓大と対戦。チーム総力戦で接戦の末に勝利を収めた。また、世界大会で準チャンピオンに輝いた実力を持つ松本はこの日も不敗。今日は金澤(法1)や栗田など1年生の活躍も見られた。中村主将が語るように、今回の一番の勝因は「チーム力」。善戦を繰り広げるも勝利することができなかった堀田は「めちゃめちゃ緊張した。でも後ろには先輩達がいるし安心して戦おうと思った」と、選手同士の信頼関係が抜群だった。個々の能力だけでなく絶大なチーム力の賜物だ。
男子のみならず、女子も奮闘を見せベスト8の好成績を収めた。初戦の首都大東京戦ではテンポ良くポイントを重ね3対0でストレート勝ちを収める。続く対東洋大戦では先鋒が大差で退けられるものの、中堅の浅井(法4)が攻めるプレーで勝利、大将・久保田(暖・商4)の最終戦は上段蹴りの一本が見事に決まり一挙にポイントを奪い5-1で勝負を決めた。
チーム力で勝ち抜いたが、高瀬監督も「褒められる内容ではなかった」と語るように個々の課題はまだまだ残る。11月に控える全日本選手権へ向け、「関東2位の名に恥じない戦いをしたい」(堀田)。関東代表の誇りを胸に、力戦奮闘を誓った。
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