慶大に一歩及ばず、無念の敗退/全日本学生選手権

2011.11.04

<東海学大戦>

 昨年のベスト4により、シード権を獲得した本学。初戦の相手・東海学大は「(全日本選手権出場権獲得となる)ベスト4に向けて一番の山場」(小池コーチ)といきなりの難敵だ。試合は終盤までもつれたがP.S(ペナルティストローク)戦の末勝利し、苦しみながらも初戦を突破した。

 前半2分に若槻(商4)が先制点を奪い、このまま本学が主導権を握ると思われた。しかしその直後に「縦へのスピードがあってDFがついていかなかった」(宮田監督)という東海学大の速い攻撃から同点に追いつかれる。さらに前半8分にも失点し逆転を許してしまった。その後も細かいパスミスなどからゴール前まで攻め込まれる場面があったが、28分にPC(ペナルティコーナー)から松山(理工4)のストレートに小桜(商3)が合わせて同点ゴール。少ないチャンスを確実にものにし、同点で前半を折り返した。

 後半は積極的に攻め込んでくる東海学大に対し攻め切れない本学だったが、DF陣が粘り強くしのぎ切る。そして前半25分、スピードの落ちてきた東海学大の一瞬のスキを逃さず、小桜がゴール前に速いパスを入れると辻谷(法3)がタッチシュートで合わせ勝ち越しに成功した。このまま勝利をつかみたいところだったが、試合終了間際に東海学大が猛攻に転じるとラスト3分に押し込まれ同点に追いつかれてしまった。

 同点のまま試合は終了し勝敗はP.S戦へと委ねられた。しかし昨年のインカレで2度のP.S戦を制した本学の選手たちに気負いは見られない。宮田監督も「P.S戦は不思議と勝てる気がする」と自信をもって選手たちを送り出した。

 そして迎えたP.S戦。東海学大は2人の選手が外し

P.S戦結果
明大 東海学大
藤田 ○ ×
若槻 ○
藤井 ○ ×
毛利 ○

てしまうのに対し、本学は藤田(営4)、若槻、藤井(政経3)、毛利(法2)が難なく決め4-2で勝利した。次戦は全日本選手権を懸けて慶大と戦う。リーグ戦などでも幾度となく接戦を繰り広げた強敵に対し吉仲主将(営4)は「厳しい戦いになると思うけど、絶対に負けたくない」と力強く意気込んだ。

<慶大戦>

 全日本選手権の懸かった準々決勝。相手は慶大、東日本学生選手権の決勝で渡り合っただけに容易に勝利は望めない。「今日はうちのペースでスタートできた。ただDFの球回しがいつもより弱かった」(宮田監督)と開始から自陣に攻め込まれた明大。ブラインドをついた慶大の縦パスに反応できず、簡単にシューティングサークルへ通してしまう。そして「昨日もそうだったが失点が早い」(小池コーチ)と15分のPCが先制点を許すことに。さらにその10分後、慶大にまたしても追加点。0-2と追いかける立場となった。しかし前半33分、右サイドから抜け出た小桜が細やかなドリブルで中央へ突破しゴールを割る。序盤の立ち上がりこそ芳しくなかったものの、次第に落ち着きを取り戻し始めた明大。その後は失点もなく、1-2と再起を望める位置で前半を折り返した。

 敵陣でのプレーも見られるようになった後半、早々に2本のPCを獲得した。しかしいずれもゴールに嫌われ得点にはつながらず。攻防の切り替え、陣地の往来も激しく体力を消耗していった。その後半13分、インターセプトで攻め込むとまたもPCの機会。小桜のアシストを受け、若槻が同点として試合を振り出しに戻す。慶大の攻撃に対し、明大はここにきて堅実な守りを見せた。そこからカウンターを狙い、逆転を試みる。しかし互いに少ない好機を活かすことができず、後半が終了。終盤に差し掛かり主導権を握りつつあったにもかかわらず、機の熟さぬままにP.S戦へと突入する。

 2回戦同様にP.S戦で勝敗を分かつこととなった。先制の明大は藤田や若槻を始めとし、4人が順調に成功。一方、慶大のシュートにGK荒川(政経4)が反応するもわずかに間に合わず。4-4と5人目の市橋(営2)に託される。その市橋はゴール左を突く。しかし慶大のGKに流れを読まれ、ゴールインすることなく弾かれてしまう。そして後続の慶大。5人目のシュートが決まり、あえなく敗退となった。

 試合後「悔しい」(松尾・政経2)と各々の口から同じ言葉が漏れた。全日本選手権の切符をつかむこ

P.S戦結果
明大 慶大
藤田 ○
若槻 ○
藤井 ○
毛利 ○
市橋 ×

とができなかったこと。「試合的には支配できていた」(小池コーチ)のに押し切れなかったこと。P.S戦も「昨年から勝ってたので勝つかなと思ってた」(濱中・法4)といくらか強みになっていた。悔しさの中には様々な意味が含まれていた。上位進出できなかったものの、「今大会は失点が多すぎた。攻撃陣が好調だったから1点に抑えればどこにでも勝てるチームだと思う」(宮田監督)と課題を見直すことのできた大会となった。間もなくチームとしての今期の活動が終わろうとしている。残るは秋季リーグの順位決定戦。その2戦を勝利で収め、大団円で終えることを期待する。