石川ケガで最下位も、高山1位、佐々木2位入賞/東日本学生選手権
まさかの演技であった。グランプリシリーズNHK杯出場の内定をもらっており、昨年の全日本選手権でも9位、とエントリーしている選手の中でも実績はダントツ。誰もが優勝を疑っていなかった。しかし、「見ている人に申し訳ない演技になってしまった」と振り返るような演技で結果は最下位となる。試合の2日前に右足首を捻挫した影響ですべてのジャンプを飛ばず、本来の演技とは程遠いものを今回披露した。
一方、直前の東京選手権でも2位入賞と好調であった高山は、好調を維持し今大会は優勝を果たした。注目が集まる最初のジャンプはきれいに3回転-2回転のコンビネーションを決め、会場から歓声が起こる。このまま、前半のジャンプはほぼノーミスでやり抜いた。「体力がなくて後半になるときつい」と言う課題の後半はトリプルジャンプがシングルになるなど、ミスが目立ってしまった。それでも東京選手権より得点を伸ばしての優勝という結果に「できは良かったです」と笑顔で振り返った。
「130点を目標にしていてダントツ1位を取る気でいた」という佐々木。佐々木も石川と同様に国際大会で活躍するなど、実績は頭一つ抜けている。それだけに今回の準優勝には「予想外の結果」と評価した。得意のステップやスピンでは実力が出し切れていたのだが、プログラムの中心となるジャンプでのミスが目立ってしまった。最初のトリプルアクセルを転倒してしまうと、それ以降のジャンプも着氷に失敗するなど得点を伸ばせず。目標の130点には程遠い101点台、2位で大会を終えた。
各大学の選手の得点の合計で競う団体。男子は選手層の厚さを見せつけ堂々の優勝、2連覇を飾った。女子は石川のケガもあり、まさかの4位と入賞を逃す結果となった。
次は11月上旬に全日本選手権の出場権の懸かった東日本選手権が控えている。選手一同この大会に懸ける思いは強い。選手一人一人がベストを尽くし全日本への切符をつかみ取る。
~試合後のコメント~
佐々木
「今回の演技は情けなかった。体力がなくてジャンプを無理やり飛んで、ミスをしてしまった。トリプルアクセルは練習だと成功できていたのに。走る量を増やして体力をつけたい。東日本選手権はトップ争いに食い込んでいけるようにしたい」。
松村
「今トリプルジャンプを2種類しか飛べない状況だが、悪くはなかった。思った以上に得点が高くて驚いた。東京選手権は直前にエッジを変えて失敗したが、今回また元に戻したのがよかったと思う。全日本選手権に進むために東日本選手権は自己ベストを出せるようにしたい」。
鈴木
「東京選手権の前に足に違和感はあったが、実は疲労骨折をしていて、直前の1週間は練習ができなかった。ここで焦らずいつも練習しているし、1週間くらい練習しなかったくらいでたいして演技に影響しない、と開き直ってというか勢いで目立つようなミスなく演技ができたのは良かった。これからは、無理をせずにやれることをしっかりやって、自分の納得のいく演技をしたい」。
橋本
「細かいミスがたくさんあったけど、自分の予想した点数より低くて少し驚いた。練習ではノーミスでできていたが。やっぱりどこか詰めが甘いんだと思う。これから東日本を控えているし、もっと厳しく自分を追い込んでいきたい」。
石川
「2日前に右足首をねんざしてしまい、ジャンプは回避した。この試合に出ないとインカレに出られないからできる限りのことをやった。まだケガの状態がわからないので、様子を見ながら練習をしていきたい」。
高山
「1位という結果はうれしかった。やっぱり後半になるとバテてしまった。バテなければもっといい得点が取れたと思う。普段の練習を次の大会に向けてがんばりたい。それで、最終的には全部成功できるような演技を目指したい。東日本では自分のベストを尽くせば結果がついてくると思う」。
大坂
「内容は全然ダメ。先週シューズが壊れてしまい、新しいシューズでやれるだけのことはやった。今日の演技で良かったことは最後までやりきれたこと。体力がなかったので、これからも体力向上は必須。また、新しいシューズに慣れて、自分の本来のレベルの演技ができるようになるのが今の課題。東日本は東京選手権以上の結果を出せるようにやり切りたい」。
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