粘りを見せて男子団体3位!新体制に一筋の光/関東学生秋季リーグ戦
☆日体大戦☆
勝ち頭である大熊(法2)・今井主将ペアを崩して挑んだ日体大戦。シングルスで確実に勝利を奪おうという作戦からエースの大熊を送り出す。しかし、「入りの動きの悪さが響いた」(大熊)とまさかの敗戦。他の2ペアが勝っていたためシングルスを取れば強豪の日体大を撃破できただけに悔やまれる一戦となってしまった。
☆中大戦☆
まず一つ勝って早大戦に流れをつなげたい本学。第1ゲーム、コートに上がったのは1年生ペアの吉田(農1)・産屋敷(政経1)だ。相手のカットサーブに苦戦しながらも序盤は相手のミスを誘い2-1でリードする。ここからシーソーゲームとなり試合はファイナルゲームまでもつれ込む。しかしここで吉田のストロークミスが連続し大事な1本目を落としてしまう。
それでも次に出場した白井(営1)・堂野(営2)ペアがこの流れを断ち切る。セットカウント1-2とリードを許しながらもここから反撃ののろしを上げる。堂野のボレーがさく裂し、白井も自らのストロークでポイントを積み上げる。相手にすきを与えることなく4セットを連取し次のシングルスへつなげる。
第3ゲームのシングルスはリーグ戦そしてシングルス初出場の桑原(法1)。団体戦の責任の重さはあまりにも大き過ぎたか。「何をしていいのかも分からなかった」(桑原)と緊張から入りは思うように体が動かない。それでも中盤で調子を上げ3セットを連取する。しかしそこから粘れず自身のリーグ戦初勝利は後に持ち越されてしまった。そして続く大熊・今井ペアがエースとしての貫録を見せつけ余裕の勝利。決着は第5ゲームの桑山(農2)・寺下(営3)ペアに託された。
運命の最終ゲーム。桑山・寺下ペアは滑り出し良くスマッシュを決め最初のセットを奪う。しかしそこから3セットを連取され厳しい展開に。それでもここまでつないでくれた選手たちの期待に応えようと次のセットで流れをこちらに引き寄せる。その後はサーブ側がそれぞれセットを取り、勝負はファイナルゲームで決まることに。しかしカウント4-6で相手のマッチポイントのピンチが訪れる。ここからの追い上げがいつもと一味違った。「5番勝負で負けることが今まで多かったので、今回は何としてでも勝ちたいと思った」(寺下)。このピンチでも臆することはなかった。後衛同士の打ち合いを制しデュースに追いつくと、それに呼応するように寺下のボレーも相手コートに突き刺さる。逆境を力に変え見事にチームの勝利へ導いた。そしてベンチ全員が立ち上がり二人をハイタッチで迎えた。
やはり早大は強かった。「リーグの中でも1つ飛び抜けている」(吉田)と優勝候補の筆頭だ。中大戦の劇的な勝利の勢いをそのままぶつけていきたいところであったが古豪早大の前には太刀打ちできなかった。第1ゲームの吉田・産屋敷ペアが1セットに抑え込まれ敗戦。次の白井・堂野ペアとシングルスの桑原はストレートで完封され攻撃の糸口をつかめない。早大の強さをこれぞとばかりに見せつけられる。この時点で本学の負けは決定。しかし、大熊だけは第4ゲームにかける特別の思いがあった。その理由は高校時代にペアを組んでいた早大の前衛川尻が対戦相手であるからだ。「大学に入ってこれまで三度対戦したことがあるが、競ったりしてもいつも負けていた」(大熊)と今回こそは意地を見せたいところ。ペアの今井主将とともに勝ちを狙いに行く。最初のセットは相手後衛のバックアウトを何度も誘い幸先よく先制。その後もサーブからの攻めを貫き試合の主導権を握る。大熊は鋭いストロークと展開を変えるロブを器用に使い分けながらラインぎりぎりを突いていく。気付けば開始から4セットを連取していた。しかし、そう簡単には勝たせてくれない。直後に激しい打ち合いが続きそれを川尻にボレーで決められると、今井主将のボレーも決定力に欠きそのセットを取られる。相手の調子も上がり次のセットも取られるが、ここはエースの実力。落ち着いて勢いを断ち切り見事に勝利で飾った。「やはり川尻には負けたくないという気持ちがあった」(大熊)とチームは負けてしまったがこの勝利を素直に喜んだ。一方、今井主将も「もう負けが決まった試合だったが、全敗で終わるのと自分たちが勝って終わるのは全然違う。自分たちは絶対勝とうと決めていた」とエースとして、そして主将としての責任を全うした。
――リーグ2日目――
☆日大戦☆
ここでも接戦での勝負強さを問われる場面が多く見られた。上位に進出するにはこの試合は絶対に取りこぼせない。しかし第1ゲームを白井・堂野ペアがファイナルゲームの末落とすと、続く吉田・産屋敷ペアも自身のミスが連続し連敗を喫してしまう。
ここで負ければチームは敗戦。Bクラス入りも濃厚という場面でシングルスを任されたのは前日同様に桑原だった。強風の中、そして何よりこのプレッシャーの中でも前日とは打って変わって堂々としていた。最初のセット、連続でデュースが続いた場面を競り勝つと流れはこちらのものに。「試合を重ねるうちに慣れてきた部分もあるし、自分がどういうプレーができるのか見えてきた」(桑原)と自分らしさを発揮。逆クロスにボールを集め、チャンスボールは流して打っていく。桑原の得意とする得点パターンがこの試合でようやくさく裂。この勝利で明大ベンチは一気に湧き桑原の健闘とリーグ戦初勝利を称えた。
ルーキーの活躍に勢いを増す第4ゲーム。ここは大熊・今井ペアが満を持してコートへ向かう。さすがはエースと言わせるような安心した試合運びはこの試合でも健在。大熊の緩急さえわたるストロークを軸に今井がポーチボレーで果敢に攻める。エースの貫録を見せ危なげなく第5ゲームへ望みをつないだ。
運命を分ける一戦に臨むのはまたしても桑山・寺下ペア。両者譲らずサーブのセットを確実に取っていき4-3と先行する。そして最後はレシーブのセットで寺下が逆クロスにボレーを叩き込みゲームセット。
「桑原の勝ちが3位という結果につながった」(今井主将)。ルーキーがつないだ望みを見事に実現させたこの試合。チームでつかんだ勝利となった。
☆東経大戦☆
リーグ戦をしっかりと締めくくりたい東経大戦。吉田・産屋敷ペアがストレートで敗れるものの、他の4試合は危なげなく快勝。最高のかたちで大会を締めくくった。
最終的に3位という結果で幕を閉じた今リーグ戦。その結果以上に今後に手ごたえをつかんだようだ。ここ一番での勝負強さ。今までの大会ではこの一言に泣くことが多かった。それだけに今リーグ戦でその言葉を選手たち自身の強みに変えられたことは一番大きかったに違いない。また、産屋敷や桑原などの新戦力の台頭も光った。「本人にとっても価値のある大会になったと思う」(今井主将)と桑原の活躍に太鼓判を押す。今井新体制はまだスタート地点に立ったばかり。今井主将が選手の時間割を集め平日も集めるなど練習に対する意識の変化から成果も少しずつではあるが出始めている。念願のリーグ優勝へ、新たな戦いはもうすでに始まっている。
一方、3部で戦う女子は全勝でリーグ戦を終えた。4年生が引退し、人数がさらに少なくなった女子。しかし、ほとんどの試合をストレート勝ちで終えるなど、その実力を見せつけた。この結果、女子は今週末に行われる2部3部入替戦への出場が決まっている。ここまで一度も残留や降格を経験することなく、昇格し続けてきた。今回の入替戦でも2部昇格は間違いない。
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