
東海大に負け、不本意な形で2ndフェーズ進出/関東大学ジュニア選手権
キックオフから動き出したのは東海大であった。ターンオーバーから左右にパスを回され、ディフェンスをかき乱された明治は開始2分で中央に鮮やかなトライを決められてしまう。早明戦以来の失点スタートで0―7と追いかける立場となった。その4分後、東海大はスピアータックルによる10分間のシンビンで、選手を1人欠いた状態でプレーすることに。そこへ付け入った明治は前半9分、敵陣22m付近でラインアウトを獲得。モールをゴール付近まで寄せ、No.8古屋(商3)がトライし5―7に。だが、東海大が間髪を入れずに追加点を挙げ、5―14と再び引き離されてしまう。その後、21分に右FL圓井(商1)、24分に東海大とシーソーゲームを繰り広げた両者。「得点した直後に失点してしまったのは切り替えの悪さが原因」(小野・政経4)と点差は縮まることなく19―28。平行線のまま後半へと突入した。
正念場を突きつけられた明治。しかし後半開始2分で相手にラインアウトの機会を与えてしまい、そのまま東海大がモールトライしたことで再び失点し、19―35と反撃が遠のく。ノットストレートでラインアウトを譲ってしまうなどミスが目立ち、相手の攻撃を防ぐのがやっとだった。ようやく明治が立ち上がったのは13分。敵陣中央でのスクラムを活かし、幾度かラックを形成しながらその場でボールをキープすると、SH多田(文3)からのパスを左CTB幸重(文2)が中央へと運んで26―35に。そのまま流れを奪いたい明治は入りとは打って変わって積極的なプレーを見せた。敵陣での攻防が続き、ペナルティーを有効に消化していくことで再起を鑑みる。先ほどと同じくラックを作り、SH多田がそこから展開していく明治その粘りがようやく通じた後半24分、左WTB幸重のパスを左CTB加納(文1)が受け取って左サイドへと追加点を挙げた。コンバージョンキックは決まらなかったものの31―35と1トライで逆転できる位置に。さらにその12分後に左CTB加納は再び点を重ね、36―35とついに逆転にこぎ着けた。このまま残りの時間をしのいでノーサイド、と明治フィフティーンは信じていた。しかし気を緩めた終了間際、東海大のクイックスタートにうろたえてしまい逆転負け。36―42という僅差でのノーサイドとなった。
惜しくも昨年の雪辱を果たすことなく終幕を迎えた1stフェーズ。全試合を振り返っても「こういう負け方はしたことがなかった」(吉田・政経2)と今回の印象が強く残ってしまった。しかしどんな終わり方であれ、2ndフェーズへの一番乗りを果たしたことは事実。選手の中には「2ndフェーズでは帝京大と東海大にリベンジして優勝したい。個人的にはAチームのレギュラーになるくらいの気持ちで練習していく」(楢山・営4)と今から息巻く声も聞こえ、「前へ」という明治らしさがプレーだけではなく、メンタル面でも見受けられる。2ndフェーズまで1カ月以上の猶予が残されている今、今回の悔しさを糧に帝京大・東海大へのリベンジを計ってもらいたい。
1.PR | 楢山 直幸(営4) | 9.SH | 田川 明宏(政経2)←20.多田(40分) | 16 | 郷 雄貴(文4) ←2.牛原(40分) |
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2.HO | 牛原 寛章(政経1) ←16.郷(40分) |
10.SO | 長石倉 豪(営1)←西村(35分) | 17 | 野崎 友晴(法4) ←3.小野(55分) |
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3.PR | 小野 慎介(政経4)←17野崎(55分) | 11.WTB | 加納 遼大(文1)←22.下村(77分) | 18 | 笠原 卓(政経2) ←5.吉田(60分) |
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4.LO | 友永 恭平(政経3) | 12.CTB | 幸重 記(文2) | 19 | 小河 康蔵(商4) ←6.川口(40分) | |
5.LO | 吉田 任宏(政経2)←18.笠原(60分) | 13.CTB | 市原 祥平(政経2) | 20 | 多田 潤平(文3) ←9.田川(40分) |
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6.FR | 川口 達慎(情コミ2) ←19.小河(60分) |
14.WTB | 斉藤 春樹(農3) | 21 | 西村 雄大(農2)←長石倉(35分) | |
7.FR | 圓井 文也(商1) | 15.FB | 高平 裕輝(法2) | 22 | 下村 真太朗(法4) ←11.加納(77分) |
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8.NO.8 | 古屋 直樹(商3) |
~今日のコメント~
PR楢山
「勝ちたかった。前半でトライを取られ過ぎてペースを握れなかった。ディフェンスを強くしていかないといけない。2ndフェーズでは帝京大と東海大にリベンジして優勝したい。個人的にはAチームのレギュラーになるくらいの気持ちで練習していく」。
PR小野
「ミスが多く、得点した直後に失点してしまったのは切り替えの悪さが原因。球出しがあまりよくなくて、ゲインラインを切れなかった。テンポよく攻撃できたが、取り切れなかった。細かいところを今後修正していきたい」。
LO吉田
「ボールを取れる所で取っていない。大事な所でのペナルティー。それを準決勝までに改善する。こういう負け方はしたことがなかった。次までの期間で基本を直す。2ndフェーズの目標はもちろん優勝」。
CTB幸重
「ジュニアの試合に出れてうれしかった。今日の試合は自分たちのミスが多く前半で差を広げられてしまった。特にタックルミスが目立ったのでそこは修正していかないといけないと思った。個人的にはディフェンス面でもっと強くなり少しでもチームに貢献したいと思う」。
FB高平(法2)
「今日は前半の入りが悪かった。最後にトライを取られ逆転負けしてしまったがそもそも前半にあそこまで取られていなければああいった結果にはならなかった。ディフェンスが良くなかったので修正していくことは修正して次の2ndフェーズは絶対に勝ちたい」。
HO郷(文4)
「前半のようなラグビーをしていたら上のチームには勝てない。(ここまでのジュニアを振り返って)良いところも悪いところもたくさんあった。次の試合まで時間があるので、しっかりと修正していけるところは修正して臨みたい」。
LO笠原(法4)
「前半に取って取られてを繰り返して、取り切れなかったことが今日の敗因。明治は入りの時間が乗り切れていない。2ndフェーズまで入り方や基本的なプレーを大切にしていきたい」。
FL小河(商4)
「反省点を見つけて修正するだけ。いい所はない。悪い所が多過ぎて負けた。1st全体というよりも今日の印象が強すぎる。気持ちを切り替えて2ndフェーズに進む」。
CTB西村(農2)
「途中出場だったので、流れを変えたかった。点差はあまりないが、明治が目指しているディフェンスの強いラグビーとは違うものであった。負ける相手ではなく、前半からペースを握らないといけないのに、受けに回ってしまった。入り方はやはり今後の課題。次はどこが相手でも、2トライ以内に相手を抑えたい」。
WTB下村(法4)
「後半の最後しか出場していないが、自分がグラウンドに入ったときにチームの気持ちが切れていたわけではなかったのに、あっさり逆転されてしまったので驚いている。今日は入りが悪くて受けに回ってしまっていたと思う。2ndフェーズまでは少し時間が空くので、ここでもう一度チーム一丸となって、帝京大に絶対に勝ってリベンジを果たす」。
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