
C,D両チームとも慶応に敗戦/練習試合
明治大学D対慶応大学D
明治のキックオフで始まったが、早々からペースは慶応のものであった。序盤、双方とも相手のペナルティーからセットプレーを獲得する機会が幾度か見受けられる。モールを形成してFW全員での進撃を試みる明治に対し、その意思を削ぐことに徹する慶応。一方で明治のディフェンス陣は、チャンスを効果的に使う相手のBKが縦横無尽にボールを展開していく様に対応しきれない。
慶応のキックオフで折り返した後半。好ましくない流れを唾棄し好転を図りたい明治は右CTBを幸重(文2)にするなど、大幅なメンバー交代を講じる。それが功を奏したのか、前半よりもフィールド全体での攻防が目立つようになった。後半27分、敵陣22メートルライン付近でラインアウトを得た明治は、モールを作りながら前進に成功する。それから度々ラックでボールをキープし、最後はSH妻神(政経4)が執念のトライ。後半も中頃にして初得点を上げ、7-20とした。その9分後にも先ほどと同様にラックでボールを維持した末、ゴールライン間際からのパスを左WTB堀米(政経1)が右サイドにトライ。右CTB幸重のコンバージョンキックも決まり、試合終了まで残り4分で14-20とようやく逆転の射程圏内へ。そのためには1トライ1キックが必要であった。しかし流れを一変させ勝利まであとわずかであったにもかかわらず、まさかの反撃を中央に通してしまい、14-27でのノーサイドとなった。
試合開始から相手が慶応ということもあり、気合のこもったディフェンスタックルを仕掛ける。前へ出ていくものの、接点でペナルティーを取られてしまいなかなか自分たちのペースへと持っていけない。均衡状態が続いたが、13分に前へ出ることで逆にペナルティーを奪いそこから先制する。NO.8山下(政経1)が明治得意のラインアウトモールから飛び出しトライ。17分にもモールを押し込み追加点を加える。畳み掛けるようにその2分後、FWに負けじとBKが展開し、WTB堀米(政経1)へ。WTB堀米は相手を一人かわすと自陣10mラインから左サイドを独走し、中央にボールを抑える。コンバージョンをSO茂木(商2)が3本連続で決め21-0と突き放した。その後は随所にいいプレーが見られるも、ミスが絡み互いに譲らずそのまま前半を終了。
このままではいられない慶応の反撃が後半から始まった。「後半の入りから慶応の方が攻めが良かった」(村島・政経1)というように攻め込まれるとSO茂木のキックで距離を稼げず自陣でのプレーが続く。相手の素早い球出しに明治のディフェンスラインが後手に回り、連続でペナルティーを奪われる。その流れからついにディフェンスが破られ11分に失点。すぐさま明治がラインアウトモールからの3本目のトライで26-7と引き離しにかかっていく。ところが、そのキックオフのボールでオブストラクションを取られペナルティーから相手FWに押し込まれ26-14。勢いそのままに2分後、左右へのパス回しから空いたところを突破され26-19と5点差に。押される明治だが粘り強く守ってなんとか逆転は許さない。しかし28分、またしてもパス回しからゲインされ一度は止めるが、素早い相手のフォローにディフェンスが追いつかず同点とされてしまう。コンバージョンを相手が外し逆転はまぬがれたが、流れは完全に慶応に。勝ち越しを狙う明治であったが、38分にラインアウトをターンオーバーされると相手の攻撃の流れを止めることができず、ついに26-33と逆転される。なんとか反撃に回りたい明治であったがラストワンプレーで明治ラックからボールがこぼれると相手に拾われてしまい、そのままダメ押しトライで万事休す。3トライ差をひっくり返される逆転負けを喫した。
C、D両チームともゲームメイクを相手に許す形での試合運びとなってしまった。また選手自身も「自分たちが練習でやってきたことが出来なかった」(前田・情コミ3)あるいは「なかなかテンポをつくれなかった」(村島・政経1)と練習と実践の違いを痛感していた。最終・東海大戦では「意識を変えていかなければならない。(東海大戦では)帝京大戦からの反省を修正してそれをぶつけたい」(茅島・商4)と細かなミスを克服した上での明治らしいプレーに注目がなされる。
~試合後のコメント~
細谷ヘッドコーチ
「Bチームに関しては、エリアマネジメントがうまくいった。帝京大に負けてからの1週間でよく修正した。接点に関しては低い姿勢で入っていた。だが、それ以上にC、Dチームの敗北は大きい。特にCチームは帝京大から2連敗してしまった。C、Dチームが育つかどうか。それが強いチームになる上で重要。今日の試合は大きなマイナスだ。(今日の敗因は)規律が守れていないこと。チームとして我慢しきれなかった。今日の試合でジュニアのトーナメントに進めることはほぼ決まった。来週の東海大とのジュニア戦は(ジュニアのトーナメントの)準決勝、対抗戦での慶応へ流れをつくるために重要な一戦となる」。
PR茅島(商4)
「ペナルティーが多くて前半はどっこいどっこいだったが、後半4年生が抜けてからまとまりがなくなってしまった。リーダーシップをとる人が抜けてから全部受け身になってしまって流れをつかめなくなった。自分たちの規律が守れてなかったのもあるし、とにかく自分たちの悪さからマイナスになってどんどん下に下に下がってしまった。(技術の問題ではなく)気持ちの問題というのは大きい。意識を変えていかなければならない。(東海大戦では)帝京大戦からの反省を修正してそれをぶつけたい」。
FL前田(情コミ3)
「油断は無かったが、自分たちが練習でやってきたことが出来なかった。個人での課題が多く見られた。自分的にもタックルが甘く相手に大きくゲインされてしまう場面が多くなってしまったのでしっかり修正していきたい」。
CTB水野(情コミ1)
「緊張もあるが、流れが悪かったので交代で入って流れを変えたかった。ボールを持ったら下がらずに積極的に前へ上がれた。でもタックルを飛び込んでしまったのは良くない。まだまだAチームとはスピードが全然違うが、1対1で負けない意識を持って上がれるようになりたい。東海大には高校の知り合いも多くいるので負けたくない。チームとして0トライに抑え、5,6トライ取れるくらいの試合をしたい」。
SH村島(政経1)
「なかなかテンポをつくれなかった。迷うことが多くて時間をかけてしまいSOには迷惑かけてしまった。FWとのコミュニケーションもうまくいかず、それでミスも多くなってしまった。後半の入りから慶応の方が攻めが良かったこともあるけど、そのリズムを崩せずそのままのテンポでいってしまった。(自分の)持ち味のテンポをなかなか出せていない。パス精度、パスのスピードを上げてFWに楽をさせるような正確なラグビーをできるようにしたい」。
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