ルーキー市山、男子ケイリンで頂点に/全日本学生新人戦東日本大会

2011.10.07
ルーキー市山、男子ケイリンで頂点に/全日本学生新人戦東日本大会
 思うような成果を実らせることができず課題を残したインカレからおよそ1カ月。4年生も引退し新たなスタートを切った自転車部が再起を誓って新人戦に臨んだ。今大会は本年度のトラック公式戦の最後を飾る大会で、東日本を代表する1、2年生の選手たちが集結した。結果は、ルーキーの市山が男子ケイリン部門で優勝を飾り、加藤(剛)も男子タイムトライアル部門で2位につける健闘を見せこれからの成長を予感させた。

優勝を決めた瞬間の市山
優勝を決めた瞬間の市山

 男子スプリントに出場したのは加藤(剛)。この種目でまず予選2位と難なく決勝に駒を進める。続く1本勝負の1/4決勝と2本先取の1/2決勝でも安定したレース運びを展開し決勝の舞台まで登りつめた。運命の決勝は先頭を引いていた加藤(剛)であったが最終コーナーで捲(まく)られてしまう。そのまま2連続でレースを奪われてしまうが2位で表彰台を飾った。

 「今日の試合は特に何も考えずに臨んだ」と男子1kmタイムトライアルに挑んだのは和田(卓)だ。「調子はいつも通りだった」とスタートから中盤まではペースを維持し好タイムを狙えるところまで来ていた。しかし終盤までそのペースを保つことができなかった。「最終コーナーでタレてしまった」と最終的な結果は7位に。最後の一歩のところで最大限の力を発揮できなかったことに悔しさを垣間見せた。

 男子4kmインディヴィデュアル・パーシュートで上位進出をもくろむのは鈴木だ。「今回はペース配分を考えずどんどん行く感じだった」。それが裏目に出てしまった。前半は自分のレース展開に持ち込みペダルを加速させていく。しかし、「5周目で脚が重くなってしまった」と周回ごとに1秒ずつタイムを落とすに留めてきた鈴木であったが、5周目で急にタイムを2秒落としてしまう。「そこで最初のペースを維持していけば4分台で全体の中で1位を取れていた」とその言葉と表情からも悔しさが伝わってきた。

 男子ポイントレースにはルーキーの麦倉と金井が出場。しかし麦倉は予選で姿を消してしまう。「練習不足が大きく出た。極力前に行こうと思っていたが相手の方が脚があった」と反省点を露呈させた。一方の金井は、「自分の走りに持って行けた」と予選を1位で通過。しかし、決勝では混戦で思うように動くことができなかった。35周目で1位で通過しポイントを稼ぐも、その後は先着を取りこぼし8位に沈んでしまった。しかし、この結果を全く引きずることはない。「スプリントなら負ける気がしない。六大戦では優勝する」と11月の六大戦へ向けて強気な言葉を残してくれた。

表彰台を勝ち取った加藤(剛)
表彰台を勝ち取った加藤(剛)

 「国体で強い選手がいないので表彰台には上らなければならないという思いあった」。そう強い使命感を持って男子ケイリンへ挑んだ市山。予選は第2組で2位通過であったが、市山の実力はまだまだこんなものではなかった。知人からポジション取りのアドバイスをもらい臨んだという決勝戦。一番外の6コースを引いてしまい前へ出ることが厳しくなる中、そのアドバイスを生かし2番目に付け相手の様子をうかがう。後ろに付けていた市山は一気にゴールスプリントをかけスピードに乗る。わずかの差であったが市山の方が早くゴールラインを通過し悲願の表彰台最上段に登り詰めた。控えめに喜びの笑みを浮かべる市山の表情が印象的であった。それでも、「トラック競技で優勝経験があまりないのでうれしいが、これで満足してられない」と勝ったからこそ再び気合いを入れ直す。そんな姿が市山らしさを物語っていた。「国体組には負けない」。次の六大戦を見据えもう準備は始まっている。

 インカレが終了して各々が課題を見つけた自転車部。そして新体制で始まった今回の新人戦。個々の成績はそれぞれではあるが、選手たちには一人一人が課題と目標を持って先を見据えている。それだけは間違いない。若い力が自転車部を変えていく。そんな勢いをこれからも見せてくれそうだ。