連敗喫するもチームに見えた変調/関東大学リーグ戦

 9月10日の慶大戦以来の勝利を目指して拓大に挑んだ明大。第1クォーターで17点のリードを許すも、第2クォーターには猛攻を見せ、第3クォーターで逆転に成功する。しかし、後半に踏ん張り切れなかった明大は終盤に意地を見せるも点差を離され試合終了。後半戦初戦を落とし、またもや勝利を逃してしまった。
 スターターは岸本(政経4)、田村(政経4)、西川(情コミ2)、安藤(情コミ1)、皆川(営1)。
 明大ボールで始まったこの試合、開始13秒に素早いパスワークから安藤の3Pシュートで先制し、幸先の良いスタートを切る。1分後半にも安藤が3Pシュートを決め、このまま明大のペースでいくかと思われた。しかし、3分を過ぎたころからファールが増えてしまうと流れが完全に途切れてしまう。その後は思うようにディフェンスができず、拓大に連続でシュートを決められてしまう。気づけば17点差をつけられ第1クォーターは終了。いつもの試合のような展開に重い空気が流れてしまう。

 だが、今日の明大はベンチワークが光った。第2クォーターに入り、第1クォーター終盤に交代で出場した味志(法4)が3Pシュートを決めると、そこから明治の猛攻が始まる。インサイドやアウトサイドからの多彩なシュートに加え、ディフェンスでも途中交代の土井(政経1)、田村のブロックで相手を中に入れさせない。オフェンスとディフェンスが完全にかみ合った。6分が経過すると拓大はたまらずタイムアウトを取る。ここで流れを変えたかった拓大だが明大の勢いは止まるところを知らない。7分に佐藤(卓)主将(法4)が交代で出場すると佐藤(卓)主将を起点とした攻撃が決まり出す。最後は中東(文1)の3Pシュート33-34とし、1点差で第2クォーターを終える。

 第3クォーターに入っても、明大ペースは変わらない。開始35秒に、佐藤(卓)主将の3Pシュート、1分5秒にはバスケットカウントを獲得しフリースローを決め、逆転に成功する。徐々に点差を離し、44-38とすると拓大は後半1回目のタイムアウトを取る。すると、拓大の長谷川のシュートを皮切りに、フリースローを含め7連続でシュートを決められ、逆転されてしまう。流れが拓大に傾いてしまったかと思われたが、ここでも明大の選手交代がぴったりはまる。6分22秒に岸本と森山(営2)を投入すると、直後に森山が持前の高い身体能力を生かしシュートを決める。積極性を取り戻した明大は中東がドライブで切れ込み、ファールを取るとフリースローを2本沈め、2点差。一気に逆転といきたかったが、終盤にはディフェンスの空いたゾーンを的確につかれ、50-58で第3クォーターは終了する。

 競った展開でなかなか主導権を握れない両校。だが、第4クォーターになると拓大が一歩前に出る。中東がタップでシュートを決め先制するも、2分半から拓大が一気に得点を重ね、明大は残り4分のところで19点差をつけられてしまう。ここから明大は粘りを見せる。田村が2本の3Pシュートを決め、残り1分には安藤のシュート、残り22秒で味志の3Pシュートが決まる。しかし、開いた点差は重くのしかかり反撃もここまで。中盤で盛り返し、いい流れをつくっただけに悔しい敗戦となった。

 これまでの試合を通して、佐藤(卓)主将は「きっかけが欲しい」とチームの現状に思いをはせていた。今日の試合では「スターターで出ているメンバーが40分出るつもりではなく、疲れたら交代しても控えがいるんだということを今日の試合でみんなが分かってくれたらよかった」と、多くの選手を起用し今までとは違った意識付けをさせる“きっかけ”をつくろうとした。それが奏功したのか「負けたけれども(今までとは)ちょっと変わった」ことを今日の試合で感じることができたようだ。主将としてチームに懸ける思いが、少しずつではあるが実を結び始めていることは間違いない。

◇試合後のコメント◇

田村
「(今日の試合に関して)途中良い流れに持っていけたが、最後はまた悪い流れになってしまった。それは、点数が取れなかったことと、リバウンドが取られてしまったから。1年生は誓哉(安藤)と泰斗(中東)がよかった」。

安藤
「自分が出たときに強気でいくことで流れがよくなると思ったので、今日はスターターだったけれど、昨日の良かったところを生かしていこうかなと思って試合に臨んだ。ガードとしてのプレーの構築が今後の課題」。

中東
「最初出たときに1発目でカウンタースローをされて、その時に塚さん(塚本ヘッドコーチ)に怒られて、そこから気持ちを切り替えてやった。(個人の課題として)1対1で簡単にシュートを打ってしまうので、もっと中に切れ込んで相手のファールを誘いたい」。