成蹊大に2年連続の完封勝利/関東大学対抗戦

2011.10.03
 開幕戦でいい滑り出しを見せた明治。対抗戦2戦目の相手は、昨年111-0と圧勝した成蹊大だ。明治は12トライの猛攻で成蹊大を圧倒、2年連続で完封勝利し、開幕2連勝を飾った。

 明治のキックオフで始まった今試合。「出だしは良かった」(日高・文4)というように、明治はラックを重ね、開始早々に先制点を奪うと、7分、11分にも立て続けにトライを決める。開始約10分で21-0と早くも点差をつけた明治は、さらに攻撃の手を緩めることなく、20分にマイボールの5mスクラムから抜け出たNo.8堀江(商3)が相手のディフェンスをものともせず追加点を獲得。31分には相手のキックをキャッチしたFB仁平(政経4)がビッグゲインを切り、WTB山中(政経4)がつないで左中にトライを決め、33-0とした。終了間際には、敵陣22mライン付近のラインアウトから秦(法3)、染山(政経3)、山中とつないで追加点を奪い、前半は40―0で折り返した。

 後半も明治の勢いは止まらない。後半開始5分にモールトライを奪い、10分に追加点を得て52-0とすると、22分に獲得した5mラインでのマイボールスクラムから小河(商4)がそのまま持ち出し中央にトライ。27分、34分にはモールトライを立て続けに決め、スコアは71-0。「FWが精度の高いプレーをしていた」(溝口主将・政経4)というように、後半はFWが猛攻した。最後は竹内(営3)がダメ押しのトライを奪い、試合終了。結果、この試合で12トライを相手から奪い、78-0と大勝を収めた。

 「結果はもちろん、いい内容の試合をする」(石原・政経3)ことを目標に臨んだ今試合。トライを取るごとに選手たちが円陣を組み「プレーで個人個人が思ったことをそのときに順番に言っていって、全員が共有意識を持ち、それについて考えている」(溝口主将)と、15人が同じ意思を持ってプレーをし続けた結果が、今回の完封勝利につながった。しかし、「(FWに対して)BKの精度が低くなってしまった」(山中)というように「FWとBKのアタックのバランスがまだまだ均等ではない」(吉田監督)ということも浮き彫りとなった。これから青学大、日体大と比較的実力差のある相手との対戦が続くが、そこでいかに精度を持たせた戦いができるかがこれから迎える強豪校との戦いのカギとなる。

[神原遥奈]

1.PR 石原 慎太郎(政経3)
→17.楢山(後半13分)
9.SH 秦 一平(法3)
→20.田川(後半28分)
16 郷 雄貴(文4)
←2.鈴木(後半13分)
2.HO 鈴木 亮大郎(政経4)
→16.郷(後半13分)
10.SO 染山 茂範(政経3)
→21.長石倉(後半24分)
17 楢山 直幸(営4)
←1.石原(後半13分)
3.PR 松波 昭哉(政経1) 11.WTB 山中 翔平(商4) 18 友永 恭平(政経3)
←4.池田(後半33分)
4.LO 池田 慶恭(政経4)
→18.友永(後半33分)
12.CTB 溝口 裕哉(政経4) 19 小河 康蔵(商4)
←6.比果(後半7分)
5.LO 日高 駿(文4) 13.CTB 小泉 将(営4) 20 田川 明洋(政経2)
←9.秦(後半28分)
6.FL 比果 義稀(文2)
→19.小河(後半7分)
14.WTB 村井 佑太郎(政経1) 21 長石倉 豪(営1)
←10.染山(後半24分)
7.FL 竹内 健人(営3) 15.FB 仁平 佑樹(政経4)
→22.斉藤(後半35分)
22 斉藤 春樹(農3)
←15.仁平(後半35分)
8.NO.8 堀江 恭佑(商3)

~試合後のコメント~
CTB溝口主将
「FWが精度の高いプレーをしていた一方でBKはミスが多く、FWとBKの信頼関係を崩してしまい、FWに迷惑を掛けてしまった。しかし、完封できたのは全員の集中力が出た証拠だと思う。これからだんだんと強い相手になってくるので、FWとBKの信頼関係を崩さないように改善していきたい。たびたび組んでいた円陣についてはプレーで個人個人が思ったことをそのときに順番に言っていって、全員が共有意識を持ち、それについて考えるということをやっている」。

PR石原
「要所要所で取り切ることができた。ただ、焦ってしまったところがあるのでそこはチームで修正していきたい。今日は春からやってきたFWもボールを動かす(FWもBKラインに参加する)ということを出していきたかった。FWが接点で相手に勝つことができてからのFWもボールを動かすということ。筑波大は勝つことにとにかく照準を当ててFWでごりごりいく感じだったが今日は結果はもちろん、初戦から2週間修正してきたことがちゃんと出せた。今日はそれが一番の収穫」。

LO日高
「いつもの自分たちのラグビーをやるというプラン。前半の出だしが良かったが、前半25分から10分はミスが出てしまった。よろしくない、修正していかないと。ラインアウトは悪くなかったが、確実に100%にできればいいと思う」。

FL竹内
「個々の勝負だった。失点を0に抑えるのが目標だった。ノックオンのミスが多かったが、BKも役割を果たせていた。今日は自分がどれだけ走れるかが課題だった。接点で押していきたかった。セットプレーも大丈夫。(後半は)自分たちのミスから相手のペースをつくり、自滅してしまった。次はアタックを強化し、接点で勝ちたい」。

SO染山
「失点がなくて良かったが、BKが要所要所のミスをしてしまった。外に振った時の簡単なミスなど。自分もキックの精度が悪いところもあったので、そこの判断を修正していきたい。今日は点を取ることよりも、ディフェンスを固く失点をなくすことを重視した。次の青学大戦も失点をなくして、キックも100%と言える精度で臨みたい」。

WTB山中
「今日のプランは相手関係なく自分たちのやりたいことをチャレンジしてやろうというものだったけれど、BKの精度が低くなってしまった。FWが前進してテンポよくボールを出した時にアタックが浅くなってしまった。FWは自分たちの仕事のセットプレーやトライを取り切ることをしっかりやってくれているのに、自分たちBKが下げてしまっている。今後FWもBKも前へ出るプレーを見せたい。(トライできて)気持ち良かった。でもこれから当たる強いチームになっても(トライを取ることを)できるようにしたい」。

FB仁平
「前半の半ばくらいからBKがミスを多発してしまいFWに迷惑をかけてしまった。そこら辺の信用関係は重要なので、早めに修正したい。試合自体は相手どうこうではなく自分たちのラグビーを貫き通した。その結果0点に抑えられたの良かった」。