早稲田に勝ち、白星守り抜く/関東大学ジュニア選手権

2011.09.26
 昨年同様に開幕から順調な滑り出しを見せた明治が関東学大を大差で下した勢いもそのままに挑んだ相手は好敵手・早稲田。強豪校を前にしてチームの真価が問われたが、セットプレーでプレッシャーをかけてFWで圧倒した結果、36―24で勝利を手にした。

 キックオフ早々からゲームの主導権を握ったのは早稲田。開始からわずか2分足らずで左に展開され、そのまま先制トライを決められてしまう。BKを生かす早稲田にさらに6分、11分に続けざまに追加点を奪われ、気付けば前半15分もしないうちに0-17と苦戦を強いられることに。防戦一方の明治が動き出したのは前半も終盤に差し掛かる33分だった。相手のペナルティーから徐々に敵陣に踏み込み、ゴールライン目前でスクラムを選択。度々ラックを作っては根気よく粘りモールトライを決め、7―17とした。その6分後にはフィールド中央のペナルティーからのクイックスタートで、早稲田のディフェンスが息をそろえる前にパスを回し、そのままFB高平(法3)が逃げ切って得点を重ねる。さらに前半終了間際には、ゴールライン寸前でラインアウトを獲得した明治がモールで攻め上げ、途中でスクラムを崩されるも怯むことなく素早い対応でボールをつなぎ、HO郷(文4)がトライ。コンバージョンキックをはずし惜しくも逆転とまではいかなかったが、出だしの悪さを払拭するかのような追い上げで、17-17と同点に持ち込んで前半を折り返した。

 明治のキックオフで始まった後半。開始直後に早稲田のBKにまたもや点差を開かれてしまう。しかし、再起を図ろうとする早稲田を阻止し、流れを譲ることなく「前へ」。前半と同じくゴール間際でスクラムを展開し、抜けたボールを最終的にLO大椙(法1)がゴールへと運んだ。SO長石倉(営1)もコンバージョンキックを決め、後半6分で再び点を並べたが、先に一歩抜きんでたのは明治だった。後半13分、ラインアウトを成功させてモールを作り、じっくりプレッシャーをかけながらトライ。FW陣が力を合わせ、31―24と逆転に成功した。その後フィールドを広く使ったプレーを繰り広げるもポイントにつながることはなく、お互いに苦しい時間を過ごす。そして試合終了目前、あがく早稲田を制して左サイドで組んだスクラム後方でSH田川(政経2)がボールを右へパス。早稲田のFWのタックルで押しとどめられたが、ラックからモールを形成してダメ押しのトライを決めた。最後は早稲田にワンプレーのチャンスがあったがノーサイド。36―24で勝利した。

 「前半10分の入りは3トライを決められ最悪だったが反応して追いつき、後半のゲームを支配できたのは大きい」(細谷ヘッドコーチ)と、ジュニア選手権といえどもいい内容で早稲田戦に勝利できたこと、開幕から連勝できていることは自信につながったはずだ。Aチームはじめ、昨年同様すべてのチームに勝ちへの貪欲さが見られる今季。このままスタンスを見失うことなく、プラン通りの運びをすれば今年も上位進出は過言ではない。Aチームの奮起を促す意味においても、ジュニアやC、Dチームの活躍に焦点が置かれる。次の帝京大戦は今回の早稲田戦と同じく、チームの能力を占う重要な試合である。それと共に、翌日に控えたAチームの成蹊大戦をいい流れで迎えられるか否かをかけたものだ。「スクラムをもっと強化して、ジュニア選手権を全勝したい」(松波・政経1)と選手の意欲も高い。次の帝京大戦も勝利を収めてくれることだろう。

[和田孟]

1.PR 楢山 直幸(営4) 9.SH 多田 潤平(文3) 16 野崎 友晴(政経4)
2.HO 郷 雄貴(文4) 10.SO 長石倉 豪(営1) 17 太田 竣介(商2)
3.PR 松波 昭哉(政経1) 11.WTB 斉藤 春樹(農3) 18 吉田 任宏(政経2)
←8.小河(75分)
4.LO 友永 恭平(政経3) 12.CTB 猿楽 直希(政経3) 19 前田 一平(情コミ3)
5.LO 大椙 慎也(法1) 13.CTB 西村 雄大(農2) 20 多田 潤平(文3)
6.FL 笠原 卓(法4) 14.WTB 村井 佑太郎(政経1) 21 茂木 直也(商2)
7.FL 平井 伸幸(法1) 15.FB 高平 裕輝(法2) 22
8.NO.8 小河 康蔵(商4)
←18.吉田(75分)

~試合後のコメント~
細谷ヘッドコーチ

「前半10分の入りは3トライを決められ最悪だったが反応して追いつき、後半のゲームを支配できたのは大きい。あの入りをしたら普通は勝てない。勝って反省のできるいい試合だった。早稲田のアタックに対して前半は受けていたので、後半はもっと前へ出るようにと指示をした。タックルで相手の動きをスローにしてこちらにボール回すように。長石倉はいれなければならないところでキックを外しているのでまだまだ。(次の対戦相手である)帝京は王者なので今までのプレーでは思うようにいかない。FW戦では厳しいからボールをずらして対応する。チームの雰囲気も非常にいい」。

PR松波(政経1)
「(序盤相手にリードされていたが)大丈夫だと思っていた。急ぐことはないと。早稲田のトイメンは強かった。今日は勝てて良かったと思う。ただ、前半に(トライを)いっぱい取られたから、試合の入りを改善したい。スクラムをもっと強化して、ジュニア選手権を全勝したい」。

WTB猿楽(政経3)
「面白かった。勝ててよかった。BKのテンポを遅らせるために数人がかりで向かった。やりたいようにやって自分勝手だと思うが、周りが合わせてくれるのでありがたい」。