早大下し秋2季ぶりV!13年ぶりグランドスラム達成!/関東学生秋季1部リーグ戦

2011.09.15
 力を誇示し圧巻の結末を導いた。明大が4-0で早大との全勝対決を制し、秋季リーグ2年振りの優勝を果たした。春季リーグ、インカレに続き秋季リーグも制覇。13年振り7度目のグランドスラムを達成した。水谷(隼)主将(政経4)も今回のリーグは最後までチームに帯同し、チームもリーグ戦初戦から全く危なげない試合を展開。最後はライバルもストレートで倒し最高のフィナーレを飾った。

 ゲームカウント3-0で迎えた第4ゲームも、2セットを先取し10-4でマッチポイント。平野(商1)が勝利のドライブを決める。その瞬間、平野・水谷(隼)主将のダブルスペア、そしてベンチ、スタンドにいる全員が一斉に拳を突き上げた。グランドスラム達成だ。だが、少しハイタッチやガッツポーズがあったぐらいで、春優勝した時に見せたような派手な喜び方はない。これぞ王者の心得と言わんばかりの風格で、すぐにベンチから整列した。これまで春季リーグ、インカレと優勝。戦う度にチームは成長し、秋季リーグで失ったゲームはわずか「1」。「日本のトップ、世界に目を向けた指導をしていかないといけないですね」と高山監督も驚く、別次元の圧勝劇でグランドスラムを完結させた。

(水谷(隼)主将)「長い4年間でした。1年生の時からグランドスラムはとりたいと思っていましたが、なかなかとれませんでした。自分がいるからには負けられない、自分がいるから勝たないといけないというプレッシャーがありました。そのせいか今までなかなかグランドスラムを達成できませんでした。最後の年に念願かなって良かったです」

 エース同士の真っ向勝負を制し、優勝を引き寄せた。1番手の水谷(隼)が対したのはこれまでリーグ戦で54勝1敗と最多勝記録を大きく塗り替えた笠原(早大)。その1敗も水谷(隼)がつけたものだ。大学レベルをはるかに超える白熱のラリーが続く。水谷(隼)主将は、笠原に第1セット途中で先行を許すも、勝負どころでギアを一段上げ、終盤に逆転し勝利。第2、3セットはデュースまでもつれたが、2ポイント連取して結局ストレート勝ちを収めた。「自分のプレーに自信を持っていたので、自分のプレーをしていたら、おのずと結果がついてきました」(水谷隼)。いつものように揺るぎない自信で、水谷(隼)主将と対決することを自ら志願した相手エースを、返り討ちにした。エース対決をものにし、その後の試合の流れを決定づけた。早大は水谷(隼)を避ける作戦もあったが、笠原を当ててファンの期待通り真っ向勝負。試合後は敵も味方もない拍手が会場に溢れた。

 春は1年生の活躍ばかりが目立ったが、秋は1年生の強さと同時に4年生の意地も際立った。神(政経1)、平野、岡田(商1)の1年生も出た試合全勝したが、それに負けじと4年生も全勝した。松渕(文4)は3勝0敗で殊勲賞を獲得。水谷(隼)主将が海外遠征でチームを離れていた間、主将代行を務めていた精神的支柱は、早大戦でもリーグ戦通算35勝を誇る大学最強カットマン・御内(早大)に3-0で勝って金星を挙げた。「4年間で最高の試合でした」。試合前には足が震えるほど緊張していたというが、最後に最高のパフォーマンスを見せ笑顔がはじけた。また甲斐(営4)も2勝0敗の成績を残し、チームに貢献。1年生と4年生が見事に融合し、強さの源となった。その強さは「自分で言うのもなんですが、明治強いなと思いました」(松渕)と自画自賛するほどだった。

 昨年は春リーグ、インカレ、秋季リーグと全て準優勝。その悔しさを今年は全て優勝し晴らした。来年は水谷(隼)主将を中心に4年生は抜けてしまうが、下級生も「来年からは自分たちが引っ張っていくんだという気持ちでプレーしていました」(平野)と頼もしい。実力のあるも粗削りだった1年生は、経験豊富な4年生を見て勝ち方を学んだ。バトンは力強く下に受け継がれた。この秋季リーグ優勝はグランドスラムの最終章とともに、これから築かれる明大時代の序章かもしれない。

[上田悠太]

◆早大戦オーダーと結果◆
 
明治大学 VS 早稲田大学
水谷(隼) 11-7 笠原
12-10
12-10
松渕 11-6 御内
11-9
11-6
11-3 板倉
7-11
11-5
11-8
水谷・平野 11-8 笠原・高岡
11-6
11-4
平野   高岡
岡田   岩崎
甲斐   矢野

☆試合後のコメント☆
高山監督
「うれしいんだけど切ないような感じですね。優勝して涙も出るかなとも思ったけど、相手も笠原、御内の2枚看板がいて、それを今のうちの戦力と早稲田の戦力を考えたら、隼(水谷)が1番手で来ることは大半の人が想像つくわけだから、その早稲田の姿勢に男気というか気持ちの強さを感じましたね。うちはリーグ戦だけではなくて、日本のトップ、世界に目を向けた指導をしていけないと思いました。もっともっと上を目指していかないといけないなと頭によぎりました。これで満足してはいけないし、これは始まりで、来年以降もっと高い目標をもたないといけないな。だからもしかしたら切ないのかもしれないね。でももちろんうれしいですよ」

水谷(隼)主将
「長い4年間でした。1年の時からグランドスラムはとりたいと思ってましたが、なかなかとれませんでした。自分がいるからには負けられない、自分がいるからには勝たないといけないっていうプレッシャーがあったりもしました。そのせいか今までなかなかグランドスラムは達成できませんでした。最後の年に念願がかなって良かったです。今日の試合は笠原選手に先行される形が多かったですが、自分のプレーに自信を持っていたので、自分のプレーをやろうとしているとおのずと結果がついてきました。全日本団体の部には予定では出場します。東京アートは長い間勝ち続けている強豪チームですが、こちらも大学日本一のチーム、自信を持って試合に臨んで、ぜひとも勝ちたいです」

松渕 
「4年間で最高の試合でした。御内選手とは過去1勝1敗。やりづらさはありませんでした。前回も勝ってたので自信を持っていきました。けど正直緊張して足が震えていました。ベンチの応援や雰囲気が良くて戦いやすかったです。今回早稲田に勝って明治のチーム力見せつけられました。自分で言うのもなんですけど、明治強いなって思いました。自分たちが抜けた後も後輩たちがこれから頑張ってく上で今日はいい試合でした。春は1年生のおかげで勝ったが秋は4年生の意地を見せたいと思っていました。(リーグ戦振り返って)1年の時とかはベンチや上から応援するだけでした。今まで上からの応援、ベンチからの応援、試合出場って全部経験してきました。ここまでこれたのは明治や高山監督のおかげです。期待されて試合に出て勝てて、良い4年間でした」


「(板倉選手は)2年前に一度負けていた相手で向こうには得意な相手だと思われていたと思います。2年たって実力もつけました。昨日、王選手にリベンジできたし、勝つつもりでいきました。水谷さんが相手のエースを松渕さんが御内選手をつぶしていて、チームとして流れが良かったです。水谷さんは世界で活躍できる選手、実力的には本気でやらなくても勝てるレベルですが、それでも気迫あるプレーを見せてくれたので裏切るわけにはいきませんでした。4年生は全員全勝で頼もしいです。第2セットは戦術を変えられて付いていけない部分があったが、第3セット以降はきちんと対応できました。前日は、調子は良かったので維持していくこと。あとは御内選手と当たることも考えて対策も立てました。優勝したことは自信になりましたが、もう終わったことです。過信に換えないようにしたいです。全日学では1年生ですが、優勝を狙っていきたいです」

平野 
「正直、重圧もありましたが、4年生や監督コーチに助けられました。水谷さんが決めてくれると信じて思い切りできました。早稲田戦は格段に強い気持ちで臨めました。最後のドライブは、相手がバックサイドを読んでいたので狙っていました。先輩から(去年の早大戦の)2-0の10-6からダブルスを逆転された話を聞いていたので、最後まで全く気が抜けませんでした。来年は水谷さんたち4年生がいなくなるので、来年からは自分が引っ張っていくんだという気持ちでプレーしていました」