
総合力上げ、優勝含め6種目でメダル獲得/全日本大学選手権
女子は4種目中、3艇が決勝に残ったものの、4連覇が懸かっていた女子舵手なしペアや、女子ダブルスカルが4位に倒れる厳しい展開に。そして、男子も含め種目優勝がないまま、最後のレースである女子舵手付きクォドルプルが始まった。同種目は種目創設以来、9年間早大が優勝している早大の得意種目だ。そのため、1000m地点で1位だった早大に対し、会場からは「今年も早稲田か」と声が漏れている状況だった。その中でも「負けている時でも彼女たちには余裕があった」(角監督)と、艇上の5人は冷静だった。「私たちは、一番きついと言われる中盤で伸びるクルー」(中村・法4)と、第3クォーター(※1)で早大を抜いた。「ラスト500mはとにかく必死だった」(田口・法4)と、その勢いで女子の花形種目である舵手なしクォルプルで創部初の優勝を飾った。「私たちが果たせなかった目標を後輩が果たしてくれてうれしい」とOGの山本(平23文卒)が目に涙を浮かべるほど、見ている者の心を動かす会心のレースだった。
例年以上の好成績を残した明大端艇部。しかし、多くのクルーからは「正直なことを言うと悔しい」という感想が聞かれた。成績を出してはいるが、あくまで目標は優勝だったからだ。そのため、好成績の余韻に浸るというよりも「まだ修正しなくてはいけない点はある」(高橋直・営3)と、目は次の大会である全日本選手権に向いている。2週後に迫ったこの大会は1年の総決算となる大会でもあり、4年生の引退のレースでもある。大学最後のレースに「他を寄せ付けないレースをしたい」と草地主将は意気込む。社会人も出場する厳しい大会だが、狙うはただ一つ、優勝だ。
※1 第3クォーター(1000~1500m地点のこと)
~女子舵手なしクォドルプルの表彰式の1コマ~
インカレでは選手がメダルと優勝杯をもらった後、優勝校の校歌の演奏、校旗の掲揚が行われる。もちろん、女子舵手なしクォドルプルの優勝時にも行われた。その際、端艇部部員、マネジャーがスクラムを組み、肩を揺らして校歌を大合唱した。快晴の空になびく紫紺の旗と、おぉ明治の大合唱は明大端艇部の強さと団結力を感じさせた瞬間だった。
★表彰台を獲得したクルーとコメント★
・女子舵手なしクォドルプル――優勝
クルーメンバー:田口、中村、赤津(政経2)、小澤(法2)、cox安池(農3)
田口
「早大には前に出られると思っていた。なので1000mで追いついて1500mで抜かすことをイメージして練習をしてきた。決勝ではそのイメージ通りのレースとなったことが勝因です」
中村
「高校時代から、いつも2位止まりだったので、優勝はとてもうれしいです。優勝することで、何か自分が変わった気がします。全日本まで時間がないので、この余韻に浸らず、気持ちを切り替えていこうと思います。それができるのが強い選手だと思うので」
・男子舵手なしペア――2位
クルーメンバー:江南(政経4)、吉岡(商2)
江南
「予選1位だったので優勝への手応えがありました。軽量級に出られるくらい軽いクルーだったので、風の影響で後半失速してしまった。同じクルーだった吉岡はよくついてくれた。これからも必ず結果を出してくれると思います」
吉岡
「予選では全体1位のタイムだった。優勝できなくて悔しい。初めて決勝に残れたのでいい経験ができた。日大とは経験の差を感じた。来年、再来年また優勝を目指したい」
・男子舵手付きペア――2位
クルーメンバー:草地主将、角南(法2)、小西(営4)
草地主将
「負けたけど、悔いのない良いレースだった。男女一丸で戦えたことが、好結果の要因だと思います。この勢いのまま全日本でも頑張りたいです」
・男子舵手付きクォドルプル――3位
クルーメンバー:林(商3)、穴井(政経2)、山野(農2)、栗山(法2)
栗山
「インカレ初めての表彰台でしたが、正直悔しいです。やっぱり勝ちたかったです。全日本まで変える余地はまだあるので、頑張ります」
・男子舵手なしフォア――3位
クルーメンバー:猪川(政経3)、佐々木(文3)、高橋(直)、梶谷(法1)
猪川
「漕ぐ時に左に蛇行してしまうことがあった。後半にそうなってしまったためロスになった。目標が優勝だったので満足できない。反省点が多いレースでした」
佐々木
「メダルは取れましたが、完全燃焼ではないです。この経験を次に生かします」
高橋(直)
「クルー結成当初は不安がありましたが、合宿の中盤から手応えを感じてきました。ラストスパートのタイミングなど、クルー内一致していない部分があるので、まだまだ伸びしろはあると思います」
・男子舵手付きフォア――3位
クルーメンバー:小口(政経4)、大森(商3)、宮崎(法3)、齋藤(文2)、河野(政経2)
小口
「この結果は悔しい。しかし、全部出し切ったので受け止めるしかない。後輩には過程を大切にして日々の苦しいことも乗り越えて優勝をしてほしい」
宮崎
「最低限の目標は達成できましたが、金メダルが取れず悔しいです。全日本は、今年最後の大会なので、自分たちの力を出して来年につながるレースにしたいです」
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