(10)主将として最後の夏に懸ける思い 草地一真
部員の話し合いの結果、主将に就任した草地主将。当初は「まとめるのがとても大変で戸惑った」と振り返るように自分のことだけでなく部全体のことも考えながらの行動に苦労した。また今年度から端艇部は正式にコーチを採用したこともあり、コーチとの連携にも初めは慣れなかった。そんな状況でも草地主将は部をインカレ総合優勝に導くために努力をしている。草地がここまでチームのことを思うのはある大きな転機に由来している。
それは2年次のインカレで当時の主将・伊藤(平23理工卒)と同じ船に乗ったことだ。主将と乗ったことでいろいろなことを学び、近年低迷している男子の現実を肌で直接感じ取ることになる。またその中で自分が、強い男子を復活させるための一員として力を付けなくてはいけないと思うようになった。部を背負う主将と乗ったことによって、部を代表して出場していることを強く意識するようにもなる。
今インカレで草地主将は舵手付きペアに出場する。クルーは同じ高校出身の小西(営4)と角南(法2)だ。やはり高校が同じというつながりは大きく何事もわだかまりなく意見が言える。草地主将はこの組み合わせに手応えを感じているとともに「自分がそうであったように角南にも何か感じとって今後に生かしてほしい」と語った。
また今年は軽量級選手権で4年ぶりに男子クォドルプルで優勝を収め、確実に総合優勝が狙える位置にきていると手応えをつかんでいる。「例年よりクルーの組み合わせを決めるのも早く、確実に仕上げていける時間がある」と語るようにコンディションの面で見ても仕上がりは順調。「男子の第1クルーとして絶対に1位を取りにいく」という意気込みは男子をインカレで総合優勝させるという大きな目標を達成する草地主将の強い思いがにじみ出ていた。
草地主将にボートから学んだことを聞いてみたところ「何事にも自分を追い詰めることが身に付いた」と答えた。大学生活のほとんど全てをボートに懸けてきた草地主将。いつも自分を追い込み、ボートの事を考えてきた草地主将だからこそ部員をまとめる主将という大役を務められた。4年間の思いを主将として、個人としてぶつける舞台は整った。
~インカレ展望~
★男子
ここ数年低迷が続いている男子。しかし今年は先に行われた全日本軽量級選手権において4年ぶりに優勝。確実にチームの力は付いてきている。今年こそインカレ総合優勝という最大の目標を達成したい。
そんな男子の中で注目は舵手付きペアだ。メンバーは全員が同じ高校出身の草地主将、角南、小西だ。「みんなが言いたいことを言い合える。仕上がりも例年より早くいい」。(草地主将)と手応えをつかんでいるようだ。
他にも軽量級選手権で優勝した舵手なしクォドルプルのメンバー2人が乗る舵手付きフォアは「練習試合で結果も出てるし、優勝を狙えるクルーだと思う」と自信をのぞかせている。舵手なしクォドルプルではクルーリーダーである林(商3)が「今までで、1番手応えのあるクルー」と言うように実力にプラスして、コンディションも上々だ。
「勝つべき艇で勝ち、全艇が決勝に残る」と草地主将が話す目標を達成できれば総合優勝も現実味を帯びてくる。
★女子
ここ2年総合優勝から離れている女子部。もちろん、今年のインカレの目標は総合優勝だ。特に、今年で総合優勝を経験している部員が引退してしまうため、これからの端艇部のためにも、是が非でも優勝したい。
中でも注目は女子舵手なしペア。昨年、明大端艇部として3連覇を記録した同種目のクルーは、昨年と同じ高木(法3)、今井(商2)だ。昨年の優勝クルーということもあり、プレッシャーは大きいだろうが「挑戦者の気持ちを忘れずに」(高木)と4連覇へ挑む。
また、総合優勝のカギを握るのは女子舵手なしクォドルプルだろう。この種目はインカレ連覇を果たしている早大の得意種目。この種目で早大を破ることができれば、悲願はぐっと近づく。
もちろん、シングルスカル、ダブルスカルにも優勝争いに絡むほどの実力者がそろっている。それぞれのベストパフォーマンスを発揮できれば、3年ぶり創部2度目の総合優勝は決して高い壁ではない。
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