
(9)4年生特集 伝統と発展と夢を胸に 田口莉佳子
「伝統と発展と夢を胸に、明治魂を輝かせる」。これは田口の今年の抱負だ。端艇部に入部したことで伝統を意識したり、上級生としての自覚を持ったりと、技術面だけではなく人としても成長した。そんな彼女の学生最後の夏がやってきた。
高校3年次に出場したインターハイと国体で日本一を経験した田口。これをきっかけにさらに上のレベルで試してみたいという気持ちが芽生え、本学の端艇部に入部する。大学でもボート中心の生活を歩むことになった。端艇部は本学で最初にできた部であるが、入学当初は部の伝統をあまり意識していなかったという。しかし、コーチがOBであったりすることから、「つながりがあってこそ、今漕いでいるという思いが最近強くなった」と田口は伝統の重みを感じるようになった。
インカレでは4年連続で舵手付きクォドルプルに出場する。1年次はただ必死に漕ぐことだけを考えていたという。しかし、昨年は一つ上の代が4年生になり「一緒に勝ちたい」と思い、先輩のために漕ぐことを決意。1位にこだわったが結果は残念ながら2位とあと一歩届かなかった。今年は自分たちが最上級生。上の先輩が引退した後、学年全員でどんな部にしたいのかをミーティングで話し合った。そこでは男女によって、クルーによって違っていた意識を統一することが必要だという結論に至った。そのため田口はキャプテンとして同期の力を借りながら、練習では上下関係なしに本音を言い合える環境づくりを心掛けた。そのおかげで「以前よりもいい雰囲気で練習ができている」。このように田口は引っ張っていく意識を持ち、キャプテンとして、インカレの目標である総合優勝に向けて奮闘している。
卒業後、田口はボートからは離れる。しかし意外にもボートを漕がなくなることよりも寮生活から離れることの方が寂しいという。寮での生活やボートを漕ぐ毎日について監督は「人として成長するため」と選手たちに話しているそうだ。大学で何を得てどう成長したのか、今はまだ分からない。だが、田口は「インカレや引退など、それを経験して見えてくるものがある。それが力となり、これからの自信にもなる」と語った。田口にとって学生最後の夏がこれからの人生の糧になるだろう。総合優勝を手に入れた時、さらなる成長へとつながっていく。
◆田口莉佳子 たぐちりかこ 法4 岐阜県立加茂高出 162cm
☆次回のRowing!Rowing!Rowing!レガッタ2011は8月24日掲載予定です。
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